LEGAL AFFAIRS BUREAU
株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
募集株式の発行で資本金が増えたときの変更登記申請です。登記するのは、資本金の額と発行済株式の総数などです。法務局の様式は、非公開会社2種類と公開会社1種類です。
| 申請する人 | 資本金が増えた株式会社 |
|---|---|
| 期限 | 払込期日または払込期間の末日から2週間以内 |
| 費用 | 増加資本金額の1000分の7。最低3万円 |
| 提出先 | 本店所在地を管轄する法務局 |
| 様式 | 法務局の様式A・B・C |
| 期限超過 | 100万円以下の過料の対象になり得る |
誰が・どんなときに必要?
対象は、新たに株式を発行して出資を受け入れた株式会社です。払込期日を定めた場合は、その日から2週間以内に登記します。払込期間を定めた場合は、その末日現在で、末日から2週間以内に申請します(会社法915条)。
手続きの流れ
- 1
募集事項を決める
募集株式の数、払込金額、払込期日または期間、増加する資本金と資本準備金に関する事項を決めます。非公開会社は株主総会の特別決議が原則です。株主総会で数の上限と払込金額の下限を定め、決定を取締役(取締役会設置会社では取締役会)に委任することもできます。
- 2
割当てを決める
申込みを受け、割り当てる募集株式の数を決めます。譲渡制限株式では、定款に別段の定めがある場合を除き、株主総会または取締役会で決めます。総数引受契約では申込みと割当ての手続は適用されません。
- 3
払込みを受ける
引受人は、払込期日または払込期間内に全額を払い込みます。払込場所は、会社が定めた銀行等です。期日を定めた場合はその日に、期間を定めた場合は出資の履行日に株主になります。
- 4
証明書を作る
払込みを受けた財産の額が資本金になるのが原則です。その2分の1を超えない額は資本金に計上せず、資本準備金にできます。自己株式の処分を伴う募集や株式交付費用がある場合は計算が変わります。決めた内容で資本金の額の計上に関する証明書を作ります。
- 5
登記を申請する
登記の事由は募集株式発行です。変更後の発行済株式の総数、資本金の額、原因年月日(払込期日または払込期間の末日)を書きます。添付書類の要否は法務局の様式A〜Cと別表に整理されています。窓口、郵送、オンライン申請、QRコード付き書面申請を利用できます。
主な必要書類
- 株主総会議事録(募集事項の決定、委任、譲渡制限株式の割当てを決議した場合。)
- 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)(株主総会の決議を要する場合に添付します。)
- 取締役会議事録または取締役決定書(取締役会または取締役の決定で募集事項や割当てを決めた場合。定款の定めに基づき取締役が割当先を決めたときは定款も添付します。)
- 募集株式の引受けの申込みを証する書面(株式申込証)または総数引受契約書(株式申込取扱証明書によることもできます。)
- 払込みがあったことを証する書面(払込金受入証明書、または代表取締役の証明書と通帳写し等。)
- 資本金の額の計上に関する証明書(一部を資本準備金にする場合は、その旨の記載と、額を決定した取締役会議事録等も添付します。)
- 現物出資に関する書面(金銭以外の財産を出資する場合に添付します。)
- 株主総会議事録または該当しないことを証する書面(会社法206条の2関係)(公開会社で支配株主の異動を伴う第三者割当に反対通知があった場合。)
- 委任状(代理人が登記申請をする場合のみ添付します。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税は、増加した資本金の額に1000分の7を掛けた額です。3万円に満たないときは、申請1件につき3万円です(登録免許税法別表第一第24号(1)ニ)。課税標準の1000円未満と税額の100円未満は切り捨てます。納付は収入印紙または領収証書によります。別区分の登記を同時に申請する場合は、区分ごとの額を合算します。同時申請でどの区分に当たるかは、管轄法務局が案内しています。
提出先・提出方法
提出先は、本店の所在地を管轄する法務局です。窓口、郵送、オンライン申請、QRコード付き書面申請を利用できます。QRコード付き書面申請の操作手引書(簡易版)は設立と役員変更のものだけなので、募集株式発行の申請書は申請用総合ソフト上で自分で作成します。
つまずきやすいポイント
- 登記期限の起算日は決議の日ではありません。払込期日を定めた場合はその日、払込期間を定めた場合は期間の末日です。
- 申込みと割当ての手続を取る場合、払込期日は割当て決議の日と同日にできません。払込期日または期間初日の前日までに、割り当てる株式数を通知するためです。総数引受契約ではこの通知は不要ですが、譲渡制限株式ではその契約に株主総会(取締役会設置会社では取締役会)の承認が必要です。
- 払込額の一部を資本準備金にする場合は、資本金の額の計上に関する証明書にその旨と額を書きます。その額を決めた取締役会議事録等も添付します。
- 発行済株式の総数が発行可能株式総数を超える増資はできません。枠が足りない場合は定款変更が必要で、公開会社が発行可能株式総数を増やすときは、変更の効力発生時の発行済株式総数の4倍が上限です。
- 登記を怠っても、それだけで申請が却下されるわけではありません。会社の代表者は、裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法976条1号)。
- 商業・法人登記の申請の代理を他人の依頼を受けて業として行えるのは、司法書士・司法書士法人と弁護士・弁護士法人に限られます。
よくある質問
募集事項はどの機関で決めますか。
非公開会社は株主総会の特別決議が原則です。公開会社は取締役会の決議ですが、特に有利な払込金額での発行は株主総会の特別決議です。
払込額は全額を資本金にしますか。
全額を資本金にするのが原則です。ただし、払込みを受けた額の2分の1を超えない額は資本金に計上せず、資本準備金にできます。登録免許税の課税標準は増加した資本金の額なので、資本準備金に振り分けた分は含まれませんが、最低額の3万円は変わりません。
現物出資でも増資できますか。
できます。募集事項として、金銭以外の財産を出資の目的とする旨、その財産の内容と価額を定めます。登記では事案に応じた書面を添付します。
法務局の様式A・B・Cは何が違いますか。
Aは非公開会社で取締役会なし、Bは非公開会社で取締役会設置、Cは公開会社です。AとBは割当ての決定機関が異なります。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-09-19)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
- 株式会社の組織変更登記申請書(→持分会社)
書類作成でお困りですか?
様式を集めても、書くのは大変。
このページの様式は各官公庁の公式ページから入手できます。ソロイでは、株式会社設立・本店移転・役員変更・商号変更・目的変更・代表取締役の住所変更・定款の再作成・秘密保持契約書(NDA)について、フォームに入力して書類を作成できます。