LEGAL AFFAIRS BUREAU
株式会社解散及び清算人選任登記申請書
株式会社が解散したときに、「解散の登記」と「清算人・代表清算人の登記」を1通の申請書でまとめて申請するための書式です。法務局は「商業・法人登記の申請書様式」のページで、清算人が1人の場合と複数の場合に分けて記載例と申請書様式(Word/PDF)を公開しており、複数の場合の記載例には清算人会を設置したときの記載も含まれます。解散の登記が済んでも清算手続は終わらず、債権者への公告など会社法上の手続が続きます。
誰が・どんなときに必要?
申請人は清算株式会社で、代表清算人が申請します。解散の登記は、会社法471条1号から3号までの事由で解散したときから2週間以内に本店の所在地でしなければなりません(同926条)。清算人の登記は、取締役がそのまま清算人となる場合は解散の日から、清算人が選任されたときはその選任のときから、それぞれ2週間以内です(同928条1項・3項)。期間内に登記を怠っても、そのことだけで申請が却下されることはありませんが、法務局は代表者が裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があると案内しています(同976条1号)。
手続きの流れ
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解散の事由と解散日を確定する
会社法471条は6つの解散事由を挙げていますが、この書式が対象とするのは1号から3号(存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会の決議)による解散です。合併による解散は法務局の別書式「株式会社合併による解散登記申請書」を用い、破産手続開始の決定や解散を命ずる裁判による解散は本ガイドの対象外です。解散日を将来の日にしたい場合は、その日を満了日とする存続期間の定めを設ける定款変更を決議し、その登記をする必要があります(記載例の注記)。
- 2
清算人と代表清算人を決める
清算人となるのは、定款で定める者、株主総会の決議で選任された者、これらがいない場合の取締役です(会社法478条1項)。代表清算人は、清算人会を置かない会社では定款、定款の定めに基づく清算人の互選、または株主総会の決議で清算人の中から定めることができ、取締役が清算人となる場合に代表取締役を定めていたときはその者が代表清算人となります(同483条3項・4項)。清算人会設置会社では清算人会が代表清算人を選定し(同489条3項)、清算人は3人以上必要です(同478条8項が331条5項を準用)。
- 3
添付書類をそろえる
清算人の登記の申請書には定款を添付します(商業登記法73条1項)。定款で定められた者または株主総会の決議で定められた者が清算人となった場合は就任承諾書、裁判所が選任した者が清算人となった場合はその選任等を証する書面が必要です(同条2項・3項)。定款で定めた解散事由の発生による解散では、その事由の発生を証する書面を添付します(同71条2項)。株主総会の決議を要する登記の場合は株主リスト(商業登記規則61条3項)も添付します(存続期間満了による解散で取締役が清算人となる場合は不要)。
- 4
申請書を作成し、登録免許税を納付する
登記の事由には「解散」と「令和○年○月○日清算人及び代表清算人の選任」を記載します。登記すべき事項には、解散の旨並びにその事由及び年月日(商業登記法71条1項)のほか、清算人については氏名のみを、代表清算人については住所及び氏名を記載します(会社法928条1項1号・2号)。清算人会設置会社であるときは、その旨も登記します(同項3号)。登録免許税は解散分3万円と清算人分9千円を合算した金3万9千円で、収入印紙又は領収証書で納付します(収入印紙貼付台紙へ貼付)。
- 5
本店所在地を管轄する法務局へ申請する
解散の登記も清算人の登記も、本店の所在地においてしなければならないと定められています(会社法926条・928条)。代表清算人が申請書や委任状に印鑑を押す場合は、登記所に提出した印鑑を押す必要があり、印鑑の提出は印鑑届書により行います。代理人が申請する場合、申請書には代理人の印鑑(認印)を押し代表清算人の押印は不要ですが、委任状には代表清算人が登記所に提出した印鑑を押します(記載例の委任状の例・注2)。書面申請のほか、法務局はオンライン申請やQRコード付き書面申請も案内しています。
- 6
登記後の清算手続と清算結了の登記に備える
清算株式会社は清算開始後遅滞なく、債権者に対し一定の期間内に債権を申し出るべき旨を官報に公告し、知れている債権者には各別に催告しなければならず、その期間は2か月を下ることができません(会社法499条1項)。この期間内は原則として債務の弁済ができず(同500条1項)、残余財産の分配も原則として債務の弁済後に限られます(同502条本文。争いのある債権の弁済に必要な財産を留保した場合は例外)。決算報告が株主総会で承認されたら、承認の日から2週間以内に清算結了の登記をします(同929条1号)。
主な必要書類
- 定款(清算人の登記の申請書に添付します(商業登記法73条1項)。記載例でも1通と記載されています。)
- 株主総会議事録(株主総会の決議により解散する場合に添付します。存続期間の満了による解散は登記簿から明らかなため、解散に係る添付書類は不要です。)
- 解散の事由の発生を証する書面(定款で定めた解散の事由の発生により解散した場合に添付します(商業登記法71条2項)。)
- 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)(登記すべき事項につき株主総会の決議を要する場合に添付します。議決権割合の上位10名か、多い順に加算して3分の2に達するまでの人数のうち、少ない方の人数の株主について作成します(商業登記規則61条3項)。)
- 就任承諾書(定款で定められた者、または株主総会の決議で定められた者が清算人となった場合に必要です(商業登記法73条2項)。株主総会や清算人会の席上で就任を承諾し、その旨が議事録に記載されている場合は添付を要せず、申請書に「就任承諾書については、株主総会議事録(又は清算人会議事録)の記載を援用する。」と記載します。取締役がそのまま清算人となる場合、清算人の登記について添付するのは定款のみで就任承諾書は不要ですが、株主総会の決議で解散したときは解散の登記のため株主総会議事録と株主リストを別途添付します。)
- 清算人の過半数の一致があったことを証する書面(定款の定めに基づく清算人の互選で代表清算人を定めた場合に、定款・就任承諾書とあわせて添付します(記載例)。)
- 清算人会議事録(清算人会が代表清算人を選定した場合に添付します(清算人が複数の場合の記載例)。)
- 選任決定書正本(又は認証のある謄本)(裁判所が選任した者が清算人・代表清算人となった場合に添付します(商業登記法73条3項)。)
- 印鑑届書(代表清算人が申請書や委任状に押す印鑑を登記所に提出するための書面です。市区町村長が作成した本人の印鑑証明書で作成後3か月以内のものを添付します(商業登記規則9条5項1号)。印鑑届書には登記申請書に添付した印鑑証明書を援用する旨のチェック欄がありますが、この手続の記載例では登記申請書に印鑑証明書を添付しないため、通常はこの欄にレ点を付けず、印鑑届書に印鑑証明書を添付します。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税は合計で金3万9千円です。内訳は、解散の登記が登録免許税法別表第一 第24号(一)レ「会社又は相互会社若しくは一般社団法人等の解散の登記」として申請件数1件につき3万円、清算人・代表清算人の登記が同 第24号(三)イ「清算人又は代表清算人の登記」として申請件数1件につき9千円で、1通の申請書でも区分ごとに合算されます。法務局の記載例にも「解散の登記が3万円、清算人及び代表清算人の選任に関する登記が9千円になります。」と明記されています。なお、後に行う清算結了の登記の登録免許税は申請件数1件につき2千円です。
提出先・提出方法
本店の所在地を管轄する法務局(商業登記の取扱庁)です。会社法926条・928条とも、登記は「その本店の所在地において」しなければならないと定めています。記載例の宛先欄は「○○法務局 ○○支局/出張所 御中」という形式で、支局・出張所単位で管轄が分かれる点に注意してください。書面申請のほか、法務局はオンライン申請やQRコード(二次元バーコード)付き書面申請も案内しています。
つまずきやすいポイント
- 登録免許税の区分を取り違えやすい手続です。清算に関する登記は別表第一 第24号(三)に独立した区分が置かれており、通常の変更登記(同(一)ツ・1件につき3万円)ではありません。解散は3万円、清算人・代表清算人は9千円で、1通にまとめても合算されて3万9千円になります。
- 期限の起算日が2本あります。解散の登記は解散したときから2週間以内(会社法926条)、清算人の登記は取締役が清算人となる場合は解散の日から、清算人が選任されたときはその選任のときから2週間以内です(同928条1項・3項)。同じ株主総会で決議すれば重なりますが、別の日に決まった場合は起算日が異なります。
- 清算人だけでなく代表清算人の決まり方によっても添付書類が変わります。記載例は、①代表取締役が法定代表清算人=なし、②定款で定められた者=定款、③定款の定めに基づく互選=定款・清算人の過半数の一致があったことを証する書面・就任承諾書、④株主総会の決議=株主総会議事録、⑤裁判所が選任=選任決定書正本(又は認証のある謄本)、⑥清算人会が選定=清算人会議事録・就任承諾書、と整理しています。
- 自社がどの類型に当たるかを取り違えると、書面不添付として却下の対象になり得ます(商業登記法24条7号)。ただし、不備が補正することができるものであり、登記官が定めた相当の期間内に補正したときは却下されません(同条ただし書)。
- 本ガイドは法務局への登記申請に限って解説しています。解散に伴っては、税務署・都道府県・市町村への異動届出や解散事業年度の申告、社会保険・労働保険の手続などが別途必要になる場合があります。
よくある質問
解散の登記と清算人の登記は別々に申請しなければなりませんか。
法務局は「株式会社解散及び清算人選任登記申請書」として、両方を1通にまとめた記載例と様式を公開しています。1通にまとめても登録免許税は区分ごとに合算され、解散3万円と清算人・代表清算人9千円で合計3万9千円になります。
取締役がそのまま清算人になる場合も就任承諾書は必要ですか。
法務局の記載例では、取締役が(法定)清算人となった場合に清算人の登記について添付するものは「定款」と整理されており(株主総会の決議で解散したときは、解散の登記のため株主総会議事録と株主リストが別途必要です)、就任承諾書は定款で定められた者・株主総会の決議で定められた者の欄に挙げられています。就任承諾書が必要な場合でも、株主総会の席上で被選任者が就任を承諾し、その旨が議事録に記載されているときは添付を要せず、申請書に議事録の記載を援用する旨を書きます。個別の事情によって求められる書面が変わることがあるため、申請先の法務局でご確認ください。
清算人が複数いる場合や清算人会を置く場合、書式は違いますか。
法務局は「清算人が1人の場合」と「清算人が複数の場合」で別の記載例を公開しています。複数の場合の記載例では、清算人会を設置したときは登記の事由に「清算人会設置会社の定め設定」も併せて記載するとされ、添付書類に清算人会議事録が挙げられています。清算人会を設けるときは清算人が3人以上必要です。この記載例でも登録免許税は金3万9千円と記載されています。
解散の登記の次にする登記は何ですか。
清算事務が終了して決算報告が作成され、株主総会の承認を受けたら(会社法507条1項・3項)、その承認の日から2週間以内に本店の所在地で清算結了の登記をします(同929条1号)。清算結了の登記の登録免許税は申請件数1件につき2千円です。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
- 株式会社の組織変更登記申請書(→持分会社)
※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。