LEGAL AFFAIRS BUREAU
株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
公告方法とは、会社が法律で決められた事柄を世の中に知らせるときの手段のことです。定款で公告方法を定めたときは、その定めが登記事項になります(会社法911条3項27号)。選べるのは官報に掲載する方法・時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法・電子公告の3つで(同法939条1項)、定めのない会社の公告方法は官報とされています(同条4項)。この様式は、株主総会で定款の公告方法の規定を変更したときに、本店の所在地を管轄する登記所へ提出する変更登記の申請書です。
誰が・どんなときに必要?
申請するのは会社を代表する取締役などの代表者です。代理人に委任することもできますが、登記の申請手続について報酬を得て代理することを業として行えるのは、司法書士及び弁護士に限られます(司法書士法3条1項1号・73条1項)。期限は定款変更の効力が生じた日から2週間以内で、本店の所在地において登記します(会社法915条1項)。法務局は、期間内に登記を怠っても、そのことだけをもって申請が却下されることはありませんが、代表者に対して裁判所から100万円以下の過料に処される可能性がある、と案内しています。
手続きの流れ
- 1
株主総会で定款の公告方法の規定を変更する
公告方法の定めは定款の記載事項なので、まず株主総会の決議で定款を変更します(会社法466条)。定款の変更は特別決議で、議決権を行使できる株主の議決権の過半数(定款で3分の1以上の割合を定めたときはその割合以上)を持つ株主が出席し、出席した株主の議決権の3分の2以上(これを上回る割合を定款で定めたときはその割合以上)の賛成が必要です(同法309条2項11号)。効力は原則として決議の時に生じますが、決議で効力発生日を別に定めたときはその日が効力発生日になります。
- 2
変更後の公告方法を定款の文言として確定する
選べるのは、①官報に掲載する方法、②時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙に掲載する方法、③電子公告の3つです(会社法939条1項)。電子公告にする場合は、電子公告を公告方法とする旨を定めれば足ります。あわせて、事故その他やむを得ない事由によって電子公告による公告をすることができない場合の公告方法として、①か②のいずれかを定めることもできます(同条3項)。
- 3
登記の事由と登記すべき事項を書く
記載例では、登記の事由を「公告方法の変更」とし、登記すべき事項に「公告方法」として変更後の定めを、「原因年月日」に定款変更の効力が生じた日を「令和○年○月○日変更」と記載しています。電子公告のときは、ウェブページのアドレスも登記事項です(会社法911条3項28号イ、会社法施行規則220条1項2号)。記載例は、このアドレスをすべて全角文字で記録するよう案内しています。
- 4
申請人欄を埋め、添付書類をそろえて押印する
申請書には本店、商号、代表者の住所と氏名を書き、日中つながる電話番号も記載します。添付書類は、記載例では株主総会議事録(商業登記法46条2項)と株主リスト(商業登記規則61条3項)で、代理人に委任する場合は委任状(商業登記法18条)が加わり、電子公告に変更する場合で委任状にウェブページのアドレスの記載がないときは「アドレスの決定を証する書面」も必要とされています。押印は、本人申請なら申請書に、代理人申請なら委任状に、登記所に提出した印鑑でします。
- 5
登録免許税を納めて管轄の登記所へ提出する
登録免許税は申請1件につき3万円です(登録免許税法別表第一24号(一)ツ)。税額が3万円以下なので収入印紙で納めることができ(同法22条)、収入印紙貼付台紙に、割印をしないで貼ります。申請書が台紙を含めて複数ページになるときは、つづり目に契印します。提出先は本店の所在地を管轄する登記所で、オンライン申請やQRコード付き書面申請も選べます。
主な必要書類
- 株主総会議事録(公告方法の定款変更を決議したもの(商業登記法46条2項)。原本還付を請求できます。)
- 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)(議決権上位10名か、割合が3分の2に達するまでの株主の、いずれか少ない人数を記載(商業登記規則61条3項)。)
- 委任状(代理人に申請を委任した場合のみ。登記所に提出した印鑑を押します(商業登記法18条)。)
- アドレスの決定を証する書面(記載例では、代理人に委任し、かつ委任状にアドレスの記載がないときに必要とされています。)
- 収入印紙貼付台紙(登録免許税分の収入印紙を、割印をしないで貼ります。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税は申請1件につき3万円です(登録免許税法別表第一24号(一)ツ)。税額が3万円以下のため、収入印紙で納付することができます(同法22条)。記載例も「1件につき3万円です。収入印紙又は領収証書で納付します。」と案内しています。このほか、登記完了後に登記事項証明書を取得する場合などの手数料は別にかかります。
提出先・提出方法
本店の所在地を管轄する法務局・地方法務局またはその支局・出張所です。会社法915条1項は、変更の登記を「その本店の所在地において」しなければならないと定めています。管轄は法務局ホームページの「管轄のご案内」で確認できます。書面で持参・郵送するほか、オンライン申請やQRコード(二次元バーコード)付き書面申請も利用できます。
つまずきやすいポイント
- 電子公告に変えるときは、ウェブページのアドレスも登記事項です。記載例は、アドレスをすべて全角文字で記録するよう案内し、委任状にアドレスの記載がない場合には別途「アドレスの決定を証する書面」が必要になるとしています。
- 「電子公告とする」とだけ定めると、事故で公告できないときの備えがありません。会社法939条3項後段は、そのような場合の公告方法として官報か日刊新聞紙を定めることができるとしており、定めたときはその定めも登記事項になります(同法911条3項28号ロ)。
- 原因年月日は定款変更の効力が生じた日です。法務局は、登記の事由が発生する前に登記の申請をすることはできないとして、登記原因が将来の日付になっていないか確認するよう案内しています。
- 電子公告を選ぶと、決算公告を除き、公告のたびに法務大臣の登録を受けた調査機関へ電子公告調査を求めなければならないとされています(会社法941条)。公告期間中は継続して掲載する必要もあります(同法940条1項)。運用の手間も見込んで選んでください。
- 添付書面の不足や記載の誤りがあると、登記所から連絡があり、補正を求められたり却下されたりすることがあります。原本を手元に残したい書面は、原本と「原本に相違ありません。」と記名した写しを一緒に提出して原本還付を請求できます。
よくある質問
定款に公告方法の定めがない会社は、どのように登記されていますか。
定款に定めがない会社の公告方法は、官報に掲載する方法とされています(会社法939条4項)。この場合は、同法911条3項29号により「第27号の定款の定めがないときは、第939条4項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨」が登記されます。新たに定款で公告方法を定めたときは、同項27号の「定款の定め」が登記事項になりますので、変更の登記が必要です。
官報から日刊新聞紙に変える場合も、この様式ですか。
この様式は公告方法の変更登記のためのもので、法務局が公開している記載例は電子公告に変える場合を例にしています。日刊新聞紙に変える場合も、定款変更(会社法466条)と変更登記(同法915条1項)が必要で、登録免許税も同じく申請1件につき3万円です(登録免許税法別表第一24号(一)ツ)。ただし登記すべき事項の書き方は定めた内容によって変わりますので、実際の定款の文言に合わせて記載し、判断に迷うときは管轄の登記所にご確認ください。
登記が終わるまで、どのくらいかかりますか。
法務局は、登記申請を行ってから登記手続が完了するまでの間、原則としてその会社の登記事項証明書・印鑑証明書は発行されないとしています。完了の目安として「登記完了予定日」が各法務局のホームページに掲載されていますが、法務局は「補正がある場合や管轄の法務局を変更する本店移転の場合などは除く。」と注記しています。また、登記完了予定日まで登記所から連絡がない場合には補正等がなく手続が完了したということになる、と案内されています。オンライン申請やQRコード付き書面申請なら、処理状況をパソコンで確認できるとされています。
決算公告も、この公告方法で行うことになりますか。
貸借対照表の公告(会社法440条1項)は定款で定めた公告方法によって行い、電子公告の場合の掲載期間は、定時株主総会の終結の日後5年を経過する日までとされています(同法940条1項2号)。また、電子公告調査の対象からは同法440条1項の公告が除かれています(同法941条)。なお、ウェブサイトでの開示措置(同法440条3項)は別の登記事項(同法911条3項26号)ですので、公告方法の登記と混同しないようご注意ください。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
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