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労働者名簿/賃金台帳/出勤簿(法定三帳簿)
労働者名簿・賃金台帳・出勤簿等は、労働者を雇う使用者が事業場ごとに備える帳簿です。労働者名簿と賃金台帳は、労働基準法に根拠があります。出勤簿に法定の様式はありません。実務の拠りどころは、賃金台帳に労働日数・労働時間数を記入する義務です。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」も拠りどころになります。行政庁へ届け出る書類ではなく、事業場に備え付けて保存する書類です。
| 作成者 | 労働者を使用する使用者(事業場ごと) |
|---|---|
| 保存期間 | 5年間(当分の間は3年間) |
| 費用 | 行政に納付する手数料なし |
| 提出先 | 届出先なし(事業場に備え付けて保存) |
| 様式 | 名簿は様式第19号・賃金台帳は第20号/第21号(出勤簿は様式なし) |
誰が・どんなときに必要?
労働者を使用する使用者が対象です。ただし、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、労働基準法は適用されません。労働者名簿は各労働者(日日雇い入れられる者を除く)について調製し、記入すべき事項に変更があった場合は遅滞なく訂正します(労働基準法107条)。賃金台帳は、賃金支払の都度、遅滞なく記入します。労働時間は、ガイドラインにより労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録します。
手続きの流れ
- 1
名簿を調製する
使用者は各事業場ごとに、各労働者(日日雇い入れられる者を除く)について労働者名簿を調製します。様式は様式第19号です。常時30人未満の労働者を使用する事業では、従事する業務の種類の記入は要しません。
- 2
事項を記入する
労働者名簿には、氏名・生年月日・履歴のほか、性別、住所、従事する業務の種類、雇入の年月日を書きます。退職の年月日及びその事由(解雇の場合はその理由を含む)、死亡の年月日及びその原因も記入事項です。
- 3
労働時間を記録する
出勤簿に法定の様式はありません。ガイドラインは、労働日ごとの始業・終業時刻を確認して記録することとしています。原則的な方法として、自ら現認するか、タイムカード・ICカード・パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録を基礎とすることを挙げています。対象からは、労働基準法41条に定める者とみなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働は、みなし労働時間制が適用される時間に限る)が除かれます。ガイドラインは、適用されない労働者にも使用者が適正な労働時間管理を行う責務があるとしています。
- 4
賃金台帳を作る
各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金支払の都度、遅滞なく記入します(労働基準法108条)。記入事項は、氏名、性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外・休日・深夜の労働時間数、賃金の種類ごとの額と控除額です。様式は、常時使用される労働者が様式第20号、日々雇い入れられる者が第21号です。労働基準法41条各号該当者と41条の2第1項の対象労働者は、労働時間数と時間外・休日・深夜の労働時間数の記入を要しません。
- 5
変更を訂正する
労働者名簿は、記入すべき事項に変更があった場合、遅滞なく訂正します。住所や従事する業務の種類が変わったとき、退職や解雇があったときが典型的な場面です。年次有給休暇管理簿は、労働者名簿または賃金台帳とあわせて調製することができます。
- 6
事業場に保存する
労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類は5年間保存します。ただし、労働基準法附則143条1項により当分の間は3年間と読み替えられます。起算日は、労働者名簿が労働者の死亡・退職または解雇の日、賃金台帳が最後の記入をした日です。提出先はなく事業場に備え付けるもので、労働基準監督官は臨検して帳簿及び書類の提出を求めることができます。
主な必要書類
- 労働者名簿(様式第19号)(厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーに掲載されています。)
- 賃金台帳(様式第20号/常時使用される労働者)(1か月を超えて引き続き使用される日雇の者を含みます。)
- 賃金台帳(様式第21号/日々雇い入れられる者)(1か月を超えて引き続き使用される者は除かれます。)
- 出勤簿・タイムカード等の労働時間の記録(法定の様式はありません。自ら現認するか、客観的な記録を基礎とします。)
- 年次有給休暇管理簿(該当する場合)(労働者名簿または賃金台帳とあわせて調製できます。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
届出・申請の手続ではないため、行政に納付する手数料はありません。労働者名簿と賃金台帳の様式は、厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーから無料で入手できます。
提出先・提出方法
提出先・届出先はありません。労働基準法は各事業場ごとに「調製」し「記入」することを定めるもので、行政庁への届出を求める規定は置かれていません。作成した帳簿は事業場に備え付け、労働基準監督官の臨検の際に提出を求められることがあります。
つまずきやすいポイント
- 保存期間は「5年」と「当分の間3年」の二段構えです。労働基準法109条の条文は5年間ですが、附則143条1項が当分の間は3年間とする読み替えを定めています。条文だけを見ると食い違いが生じやすい箇所です。
- 単位は「会社ごと」ではなく「事業場ごと」です。労働基準法107条・108条はいずれも「各事業場ごとに」と定めています。支店や営業所がある場合、本社でまとめて管理していても、事業場単位での備付けが前提です。
- 出勤簿に法定の様式がないことと、記録が不要であることは別です。賃金台帳には労働日数・労働時間数・時間外・休日・深夜の労働時間数を記入します。ガイドラインは、出勤簿やタイムカード等の労働時間の記録に関する書類も労働基準法に基づく保存の対象としています。
- 労働基準法41条各号のいずれかに該当する労働者および41条の2第1項により労働させる労働者には、賃金台帳の記入に例外があります。労働時間数と時間外・休日・深夜の労働時間数の記入を要しません。この場合も、労働日数の記入は必要です。
- 記録がまったく不要になるわけではありません。労働安全衛生法による労働時間の状況の把握は、高度プロフェッショナル制度の対象労働者を除く労働者が対象です。管理監督者やみなし労働時間制が適用される労働者も含まれます。
よくある質問
労働者名簿や賃金台帳は労働基準監督署に届け出る必要がありますか。
届出を求める規定は労働基準法にはありません。これらは各事業場ごとに帳簿を調製し記入することを定めるもので、事業場に備え付けて保存します。ただし、労働基準監督官は事業場に臨検し、帳簿及び書類の提出を求めることができます。
保存期間は5年ですか、3年ですか。
労働基準法109条の条文は5年間ですが、附則143条1項により当分の間は3年間と読み替えられます。起算日は施行規則56条に定めがあり、労働者名簿は労働者の死亡・退職または解雇の日、賃金台帳は最後の記入をした日です。賃金の支払期日がこれらの日より遅い場合は、その支払期日が起算日になります。
パートやアルバイト、日雇いの人も対象になりますか。
パート・アルバイトも労働基準法上の労働者で、日日雇い入れられる者に当たらない限り労働者名簿の対象です。賃金台帳は雇用形態を問わず全ての労働者について調製し、日々雇い入れられる者は様式第21号によります。日々雇い入れられる者(1か月を超えて引き続き使用される者を除く)は、賃金計算期間の記入を要しません。
労働者名簿や賃金台帳をパソコン・クラウド上のデータで作成・保存してもよいですか。
厚生労働省のFAQは、労務関係の書類をパソコン上で作成して保存する場合の要件を示しています。法令で定められた要件を具備し、画面上に表示し印字できることが1つです。労働基準監督官の臨検時等に直ちに必要事項が明らかにされ提出し得るシステムであること、誤って消去されないこと、長期にわたって保存できることなども要件です。保存期間は、労働基準法109条および附則143条1項によります。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(厚労省・労働局)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-09-19)。
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