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労働者派遣事業関係変更届出書(様式第8号系列)/収支決算書・事業報告書

労働者派遣事業は、厚生労働大臣の許可を受けて行う事業です(法5条1項)。許可申請書の記載事項(法5条2項各号)に変更があったときは、労働者派遣事業変更届出書(様式第5号)を提出します(法11条1項)。毎事業年度、事業所ごとの労働者派遣事業報告書(様式第11号)と収支決算書(様式第12号)も提出します(法23条1項)。3つは根拠条文も期限も別々です。なお、船員職業安定法6条1項に規定する船員には法3条によりこの法律は適用されず、船員の派遣は同法に基づく別制度(窓口は地方運輸局)で、この解説は当てはまりません。

全国統一様式発行:厚生労働省最終確認:2026-08-06

誰が・どんなときに必要?

対象は派遣元事業主です。変更届出の期限は規則8条1項で二本立てになっており、派遣元責任者の氏名・住所(法5条2項4号)の変更は当該変更に係る事実のあつた日の翌日から起算して30日以内、それ以外の事項は同10日以内(登記事項証明書を添付すべき場合は30日以内)です。事業報告書(様式第11号)は事業年度の終了の日の属する月の翌月以後の最初の6月30日まで、収支決算書(様式第12号)は毎事業年度経過後3月が経過する日までで、期限が異なります(規則17条4項)。

手続きの流れ

  1. 1

    変更事項が法5条2項各号のどれに当たるかを特定する

    変更届出の対象は、①氏名又は名称及び住所並びに法人の代表者の氏名、②法人の役員の氏名及び住所、③事業所の名称及び所在地、④派遣元責任者の氏名及び住所です(法5条2項各号)。③には、法附則4項により当分の間、その事業所で厚生労働省令で定める物の製造の業務について派遣を行う場合はその旨も含まれ、事業所の新設・廃止や当該業務への派遣の開始・終了も届出事項です。期限は④が30日以内、それ以外は10日以内が原則で、登記事項証明書を実際に添付する場合に限り30日以内です(規則8条1項)。

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    許可証の書換えが必要かどうかを判定する

    届出事項が許可証の記載事項に該当するときは「労働者派遣事業変更届出書及び許可証書換申請書」を、該当しないときは「労働者派遣事業変更届出書」を提出します(いずれも様式第5号・規則8条1項)。厚生労働省の業務取扱要領では、氏名若しくは名称、住所(所在地)、事業所の名称、事業所の所在地の変更が書換え(許可証1枚につき3,000円)を要する類型とされ、代表者・役員・派遣元責任者の氏名等の変更は届出書のみの扱いです。要領は改正されうるため、要否は提出先の労働局で確認してください。

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    変更内容に応じた添付書類をそろえる

    事業所の新設に係る変更の届出では、法11条1項後段により、新設する事業所に係る事業計画書(様式第3号・第3号の2。第3号の3は雇用保険等の未加入者がいる場合のみ)を添付しなければなりません。個人情報適正管理規程、派遣元責任者の住民票の写し等、キャリア形成の支援等に関する規程なども添付します(規則8条2項)。業務取扱要領はこれに加えて決算書類・納税関係書類等も求めています。それ以外の変更では規則1条の2第2項の書類のうち該当するものを、事業所の廃止では当該事業所の許可証を添付します(規則8条3項)。

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    事業報告書・収支決算書を事業所ごとに作成する

    派遣元事業主は、毎事業年度に係る事業所ごとの事業報告書及び収支決算書を作成して提出します(規則17条1項)。ただし、当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書を提出したときは、収支決算書を提出することを要しません(同項ただし書)。法30条の4第1項の協定を締結している場合は、事業報告書に当該協定を添付します(規則17条3項)。事業報告書については、厚生労働省が電子申請(e-Gov)の操作方法をまとめたマニュアルを公表しています。

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    2つの提出期限を分けて管理する

    事業報告書(様式第11号)の期限は「毎事業年度における事業年度の終了の日の属する月の翌月以後の最初の六月三十日」、収支決算書(様式第12号)の期限は「毎事業年度経過後三月が経過する日」です(規則17条4項1号・2号)。決算月によって両者は別の日になります。関係派遣先派遣割合報告書(様式第12号の2)はこれらとは別の書類で、毎事業年度経過後3月が経過する日までに提出します(法23条3項・規則17条の2)。

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    都道府県労働局を経由して提出する

    法第2章又は規則第1章の規定により厚生労働大臣に提出する書類は、派遣元事業主の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出します(規則19条本文)。ただし、法11条1項・4項により提出する書類のうち、法5条2項1号及び2号に規定する事項以外の事項に係るものについては、当該事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出することができます(同条ただし書)。

主な必要書類

  • 労働者派遣事業変更届出書(様式第5号)届出事項が許可証の記載事項に該当するときは、同じ様式第5号の「労働者派遣事業変更届出書及び許可証書換申請書」を用います(規則8条1項)。
  • 労働者派遣事業計画書(様式第3号・第3号の2・第3号の3)事業所の新設に係る変更の届出に、新設する事業所ごとに添付します(法11条1項後段)。様式第3号の3は、派遣労働者のうち雇用保険又は健康保険・厚生年金保険の未加入者がいる場合にのみ提出を要します。
  • 個人情報適正管理規程、キャリア形成の支援・解雇・休業手当に関する規程等(事業所の新設の場合)新設する事業所に係るものを添付します。規則8条2項の括弧書では「労働者派遣事業に関する資産の内容を証する書類」が除かれていますが、業務取扱要領は新設の届出に、最近の事業年度の貸借対照表・損益計算書等、納税関係書類(法人税確定申告書の写し・納税証明書)、事業所の使用権を証する書類の提出も求めています。実際の必要書類は提出先の労働局で確認してください。
  • 派遣元責任者の住民票の写し・履歴書・受講証明書等他の事業所の派遣元責任者を引き続き選任したときなど、履歴書・受講証明書の添付を要しない場合があります(規則8条2項ただし書・4項)。
  • 変更事項に係る書類(登記事項証明書など、規則1条の2第2項の書類のうち該当するもの)事業所の新設以外の変更の届出で必要です。登記事項証明書を実際に添付する場合は、届出期限が30日以内になります(規則8条1項・3項)。
  • 廃止した事業所に係る許可証事業所の廃止に係る変更の届出の場合に添付します(規則8条3項括弧書)。
  • 収入印紙(許可証の書換えを受ける場合)許可証1枚につき3,000円分を申請書にはって納付します(法54条4号・令9条4号・規則54条1項)。納付後は返還されません(同条2項)。
  • 労働者派遣事業報告書(様式第11号)事業所ごとに作成します(規則17条1項)。法30条の4第1項の協定を締結している場合は、当該協定を添付します(同条3項)。
  • 労働者派遣事業収支決算書(様式第12号)当該事業年度に係る貸借対照表及び損益計算書を提出したときは、提出を要しません(規則17条1項ただし書)。

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

変更の届出そのものに手数料の定めはありません。ただし、届出事項が許可証の記載事項に該当し、法11条4項の許可証の書換えを受けようとする場合は、書換えを受けようとする許可証1枚につき3,000円の手数料を、申請書に相当額の収入印紙をはって納付します(法54条4号・令9条4号・規則54条1項)。納付後は返還されません(同条2項)。氏名・名称又は住所の変更に伴う書換えでは、労働者派遣事業を行う事業所の数に応じた許可証が新たに作成されるため、手数料も枚数分となります(業務取扱要領第3・3(3)ハ)。なお、単に市町村合併や住居番号の変更等による書換申請では手数料を徴収しない取扱いとされています(同第3・3(1)ニ)。事業報告書・収支決算書には手数料の定めはありません。登録免許税法別表第一第81号(二)で1件9万円とされているのは法5条1項の労働者派遣事業の許可(更新の許可を除く)であり、変更届出・事業報告書には項がなく課されません。

提出先・提出方法

派遣元事業主の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して、厚生労働大臣あてに提出します(規則19条本文)。ただし、法11条1項・4項により提出する書類のうち法5条2項1号・2号に規定する事項以外の事項に係るものは、当該事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出することができます(同条ただし書)。窓口は各都道府県労働局の需給調整事業関係業務担当課室です。

つまずきやすいポイント

  • 労働者派遣事業は法5条1項の許可制で、届出制ではありません。許可を受けないで労働者派遣事業を行った者は1年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金の対象です(法59条2号)。ここでいう変更届出は、許可を受けた後に許可申請書の記載事項が変わったときの届出(法11条1項)を指します。
  • 変更届出の期限は一律ではありません。派遣元責任者の氏名・住所は事実のあつた日の翌日から起算して30日以内、それ以外は同10日以内が原則で、登記事項証明書を実際に添付する場合に限り30日以内になります(規則8条1項)。法人の名称・住所・代表者の氏名・代表者以外の役員の氏名の変更などが該当し、代表者以外の役員の住所や、登記に変更が及ばない事業所の名称の変更は10日以内です。どちらに当たるかは提出先の労働局で確認してください。
  • 事業所の新設に係る変更の届出では、法11条1項後段により新設する事業所に係る事業計画書(様式第3号等)を添付しなければなりません。規程類だけをそろえても形式上の要件を満たさず、受理されないことがあります。事業所の廃止では、廃止した事業所に係る許可証を添付します(規則8条3項)。
  • 事業報告書と収支決算書の期限を同じだと考えると誤ります。規則17条4項は号ごとに別の期限を定めており、事業報告書は事業年度の終了の日の属する月の翌月以後の最初の6月30日、収支決算書は事業年度経過後3月が経過する日です。決算月によっては数か月ずれます。
  • 法23条1項の事業報告書・収支決算書の不提出それ自体は、法61条各号に列挙がなく直接の罰金規定は置かれていません。ただし、法14条1項2号による許可の取消し、同条2項による事業停止命令、法49条1項による改善命令の対象となることがあります。なお法11条1項の届出をせず、又は虚偽の届出をした者は30万円以下の罰金の対象です(法61条2号・法62条)。

よくある質問

事業報告書と収支決算書は、いつまでに提出すればよいですか。

規則17条4項1号により、労働者派遣事業報告書(様式第11号)の期限は「毎事業年度における事業年度の終了の日の属する月の翌月以後の最初の六月三十日」です。労働者派遣事業収支決算書(様式第12号)は同項2号で「毎事業年度経過後三月が経過する日」とされており、両者は別の期限です。たとえば12月末決算の場合、事業報告書は事業年度終了の日の属する月(12月)の翌月以後の最初の6月30日=翌年6月30日、収支決算書は事業年度経過後3月が経過する日となり、約3か月ずれます。自社の決算月にあてはめた実際の期日は、提出先の都道府県労働局にご確認ください。

事業所を新設したときは、何を届け出ますか。

事業所の名称及び所在地は法5条2項3号の記載事項なので、事業所の新設は法11条1項の変更届出の対象です。同項後段により、新設する事業所に係る事業計画書(様式第3号・第3号の2。雇用保険又は健康保険・厚生年金保険の未加入者がいる場合は様式第3号の3も)を添付しなければなりません。あわせて、新設する事業所に係る個人情報適正管理規程、派遣元責任者の住民票の写し等を添付します(規則8条2項)。厚生労働省の業務取扱要領では、決算書類・納税関係書類・事業所の使用権を証する書類も求められるとされています。届出があったときは、新設に係る事業所の数に応じた許可証が交付されます(法11条3項)。

変更届出に手数料はかかりますか。

変更の届出そのものに手数料の定めはありませんが、届出事項が許可証の記載事項に該当し、法11条4項の許可証の書換えを受けようとする場合は手数料を納付しなければなりません(法54条4号)。額は令9条4号で「書換えを受けようとする許可証一枚につき三千円」と定められています。名称・住所の変更では事業所の数に応じた許可証が書き換えられるため、手数料も枚数分になります(業務取扱要領第3・3(3)ハ)。納付は申請書に相当額の収入印紙をはって行い、納付後は返還されません(規則54条)。

関係派遣先派遣割合報告書も同じ書類ですか。

関係派遣先派遣割合報告書(様式第12号の2)は法23条3項に基づく別の報告で、規則17条の2により毎事業年度経過後3月が経過する日までに提出します。収支決算書と期限は同じですが、根拠条文も様式も別です。なお法14条1項2号と法49条1項はいずれも法23条3項を除いて定めています。ただし、法48条3項の指示を受けたにもかかわらずなお法23条3項に違反したときは、法14条1項4号により許可の取消しの対象となることがあります。

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