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労働者代表(過半数代表者)選任書
「労働者代表選任書」は、事業場で労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)を選んだ事実を書面に残すための社内文書です。36協定をはじめとする労働基準法上の労使協定は、労働者の過半数で組織する労働組合がない事業場では、この過半数代表者と締結します(労働基準法36条1項ほか)。要件は労働基準法施行規則6条の2に定められていますが、厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」に選任書そのものの様式の掲載はありません。
誰が・どんなときに必要?
作成の場面は、労働者の過半数で組織する労働組合がない事業場です。労働基準法施行規則6条の2第1項は、貯蓄金管理(法18条2項)、賃金の一部控除(法24条1項ただし書)、一斉休憩の例外(法34条2項ただし書)、36協定(法36条1項)、就業規則の意見聴取(法90条1項)などを列挙しています。厚生労働省のリーフレットは、36協定は締結の際にその都度、事業場のすべての労働者(パートやアルバイト等を含む)の過半数で組織する労働組合がある場合はその労働組合と、ない場合は過半数代表者と協定しなければならないとしています。
手続きの流れ
- 1
何の協定のために選ぶのかを決める
労働基準法施行規則6条の2第1項2号は、「法に規定する協定等をする者を選出することを明らかにして実施される」投票、挙手等の方法による手続で選出されることを要件としています。そのため、36協定なのか、賃金控除の協定なのかなど、目的をはっきり示したうえで手続きを始めます。36協定については、締結の際にその都度、協定の相手方を確認する必要があります。
- 2
事業場のすべての労働者を確認する
厚生労働省は、正社員だけでなくパートタイム労働者やアルバイトなど事業場のすべての労働者の過半数を代表している必要がある、と説明しています。選出手続についても、これらの労働者が参加できるようにする必要があるとしています。労使協定は事業場ごとに締結するものなので、対象となる事業場の範囲と人数を先に確認しておきます。
- 3
候補者が要件を満たすか確認する
労働基準法施行規則6条の2第1項1号は、労働基準法41条2号の監督又は管理の地位にある者(管理監督者)でないことを要件としています。同条2項は、1号に該当する者がいない事業場について、法18条2項・法24条1項ただし書・法39条4項、6項及び9項ただし書・法90条1項に限って1号の要件を外していますが、法36条(36協定)はこの列挙に含まれていません。
- 4
投票・挙手などの民主的な手続で選ぶ
厚生労働省は、投票や挙手のほか、労働者による話し合いや持ち回り決議でもよいものの、労働者の過半数がその人の選出を支持していることが明確になる民主的な手続が必要としています。会社が特定の労働者を指名した場合や、社員親睦会の幹事などを自動的に選任した場合は、その協定は無効になるとされています。誰を、何のために、どのような方法で選んだのかが後から分かる形で進めます。
- 5
選任書に記録を残し、様式の欄とチェックボックスにつなげる
36協定届には「協定の当事者(労働者の過半数を代表する者の場合)の選出方法」の記入欄があるため、選出方法が分かる記録が役に立ちます。同じ様式には、①その者が事業場の全ての労働者の過半数を代表する者であること、②労働基準法41条2号の管理監督者でなく、協定等をする者を選出することを明らかにした投票・挙手等の手続で選出され、使用者の意向に基づかないこと、を確認する2つのチェックボックスがあり、いずれも「要チェック」とされています。
- 6
届出と労働者への周知を行う
36協定の届出先は所轄労働基準監督署長です。限度時間以内で時間外・休日労働を行わせる場合(一般条項)は様式第9号、限度時間を超えて行わせる場合(特別条項)は様式第9号の2、新技術・新商品等の研究開発業務は様式第9号の3によります(労働基準法施行規則16条1項・2項)。36協定は労働基準法106条1項により、各作業場の見やすい場所への掲示や備付け、書面の交付その他の方法で労働者に周知させる必要があります。
主な必要書類
- 選出手続の記録(投票結果、挙手の集計、回覧・持ち回り決議の記録など)(36協定届の「選出方法」欄に記入する内容の根拠になります。)
- 時間外労働・休日労働に関する協定届(一般条項は様式第9号、特別条項は様式第9号の2)(労働基準法施行規則16条1項の法定様式。厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーで入手します。)
- 就業規則の意見書(就業規則を作成・変更して届け出る場合)(労働基準法90条により、過半数代表者等の意見を記した書面を添付します。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
提出先・提出方法
過半数代表者の選任書そのものについては、厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」に届出様式の掲載がありません。選任した結果は、36協定を届け出る際に、様式第9号(特別条項の場合は様式第9号の2)の「協定の当事者(労働者の過半数を代表する者の場合)の選出方法」欄と2つのチェックボックスというかたちで、所轄労働基準監督署長に示すことになります(労働基準法施行規則16条1項)。実際の取扱いや提出書類の詳細は、所轄の労働基準監督署にご確認ください。
つまずきやすいポイント
- 会社が特定の労働者を指名して代表にする、社員親睦会の幹事などを自動的に代表にする、といった選び方はできません。厚生労働省は、これらの場合その36協定は無効であると説明しています。
- 以前に別の目的で選ばれた人を、そのまま36協定の当事者にすることはできません。労働基準法施行規則6条の2第1項2号は「協定等をする者を選出することを明らかにして実施される」手続を要件としており、厚生労働省も、その目的で選出されたわけではない人による36協定は無効であるとしています。
- 過半数の母数を正社員だけで数えるのは誤りです。厚生労働省は、パートタイム労働者やアルバイトなどを含む事業場のすべての労働者を基準としており、また代表者は労働基準法41条2号の管理監督者でないことが必要です(労働基準法施行規則6条の2第1項)。
- メールで通知して返信のない人を信任とみなす方法には注意が必要です。厚生労働省は、労働者派遣の労使協定方式に関するリーフレットで、この方法は過半数の支持が必ずしも明確にならないとし、電話や訪問等で直接意見を確認するよう案内しています(労働基準法上の代表者について同旨を示した資料は確認できていません)。
- 36協定届のチェックボックスは記入漏れが起きやすい箇所です。同様式の記載心得は、要件を満たしていてもチェックがなければ届出の形式上の要件に適合しないこと、時間外労働と休日労働を合算した時間数が1か月100時間未満・2〜6か月平均80時間以内であることに関するチェックがない場合は有効な協定とならないことに留意するよう求めています。
よくある質問
労働者代表選任書には、決まった様式がありますか。
厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー(労働基準法等関係主要様式)」には、選任書そのものの様式は掲載されていません。一方で、36協定届には選出方法を記入する欄と、選出手続等を確認するチェックボックスが設けられています。なお、労働基準法109条は労働関係に関する重要な書類の保存期間を5年間(同法附則により当分の間3年間)と定めており、選任の記録をどこまで含めるかは所轄の労働基準監督署にご確認ください。
「労働者の過半数」の母数には、誰が含まれますか。
厚生労働省は、正社員だけでなくパートタイム労働者やアルバイトなど、事業場のすべての労働者の過半数を代表している必要があると説明しています。選出手続についても、これらの労働者が参加できるようにする必要があるとしています。36協定届にも、その者が事業場の全ての労働者の過半数を代表する者であることを確認するチェックボックスがあります。
管理監督者は過半数代表者になれますか。
労働基準法施行規則6条の2第1項1号は、労働基準法41条2号の監督又は管理の地位にある者でないことを要件としています。同条2項は、1号に該当する者がいない事業場について法18条2項・法24条1項ただし書・法39条4項、6項及び9項ただし書・法90条1項に限り1号の要件を外していますが、法36条はこの列挙に含まれていません。
36協定は、締結すれば時間外労働をさせられますか。
労働基準法36条1項は「書面による協定をし、厚生労働省令で定めるところによりこれを行政官庁に届け出た場合においては」時間外労働・休日労働をさせることができると定めており、締結に加えて届出が必要です。届出先は所轄労働基準監督署長で、限度時間以内の場合(一般条項)は様式第9号、限度時間を超える場合(特別条項)は様式第9号の2によります(労働基準法施行規則16条1項)。なお、賃金の一部控除(法24条1項ただし書)や一斉休憩の例外(法34条2項ただし書)の協定は、条文上「協定がある場合」と規定されています。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(厚労省・労働局)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-30)。
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は厚労省・労働局が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。