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雇用保険適用事業所設置届/被保険者資格取得届・喪失届

従業員を雇う事業主が、雇用保険についてハローワーク(公共職業安定所)へ出す3つの届出です。「雇用保険適用事業所設置届」は、事業所として初めて雇用保険の対象者を雇ったときに提出します(雇用保険法施行規則141条1項・6条1項・7条1項)。「被保険者資格取得届」は労働者を雇い入れたそのつど、「被保険者資格喪失届」は被保険者でなくなったそのつど提出します。3つは根拠条文も期限の数え方も別々です。

雇用保険適用事業所設置届/被保険者資格取得届・喪失届の要点。
届出者労働者を雇う事業主
期限設置届=翌日から10日以内/取得届=翌月10日まで/喪失届=翌日から10日以内
費用手数料の記載なし(雇用保険料は労働保険料として納付)
提出先事業所所在地を管轄するハローワークの長
様式3届(電子申請・年金事務所経由あり)
全国統一様式発行:厚生労働省(ハローワーク)最終確認:2026-09-19

誰が・どんなときに必要?

厚生労働省は、労働者を雇用する事業は業種・規模等を問わず、農林水産業の一部を除きすべて適用事業になると案内しています。適用事業に雇用される労働者は、原則として被保険者です。1週間の所定労働時間が20時間未満の方や、継続して31日以上雇用される見込みがない方は適用除外です(雇用保険法6条1号・2号)。期限は、設置届が設置の日の翌日から起算して10日以内、資格取得届が事実のあった日の属する月の翌月10日まで、資格喪失届が事実の翌日から起算して10日以内です。

手続きの流れ

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    対象者を判定する

    雇用保険法6条は、1週間の所定労働時間が20時間未満の者、同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用される見込みがない者などを適用除外としています。ただし、65歳以上で2以上の事業主に雇用され本人の申出により高年齢被保険者となる方や、日雇労働被保険者に該当することとなる方は、この適用除外から除かれています。前者は、1つの事業所では週20時間未満でも合計が週20時間以上であること等が要件です。

  2. 2

    成立届を先に出す

    厚生労働省は、初めて雇用保険の対象者を雇い入れる場合、保険関係成立に関する手続を済ませた後に設置届と資格取得届を提出すると案内しています。労働保険徴収法は成立した日から10日以内の届出を定め、提出先は所轄労働基準監督署長または所轄公共職業安定所長です。概算保険料は、保険関係が成立した日から50日以内に納付します。自社がどの窓口の区分に当たるかは、届出前に確認する事項です。

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    設置届を出す

    規則は、事業所を設置したときは、設置の日の翌日から起算して10日以内に届書を提出することを求めています。届書には事業所の名称・所在地、事業の種類、被保険者数、設置の理由と年月日を記載します。登記事項証明書・賃金台帳・労働者名簿その他これらを証明できる書類を添えます。ハローワークインターネットサービスも、営業許可証、登記事項証明書その他記載内容を確認することができる書類を持参するよう案内しています。

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    取得届を出す

    規則は、労働者が被保険者となった事実のあった日の属する月の翌月10日までに資格取得届を提出することを定めています。厚生労働省の手続き一覧表では、確認書類として賃金台帳、労働者名簿、出勤簿(タイムカード)、雇用契約書等が挙げられています。交付される雇用保険被保険者証について、厚生労働省は事業主から本人に渡すよう案内し、規則も、交付は事業主を通じて行うことができると定めています。

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    喪失届を出す

    規則は、被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、資格喪失届を提出することを定めています。労働契約に係る契約書・労働者名簿・賃金台帳・登記事項証明書等を添えます。原因が離職のときは、雇用保険被保険者離職証明書(様式第五号)と離職前の賃金額を証明できる書類も添えます。厚生労働省は、離職理由の主張が事業主と離職者で異なる場合、ハローワークが事実関係を調査のうえ判定すると案内しています。

  6. 6

    変更と保管を見る

    事業主の氏名・住所や事業所の名称・所在地、事業の種類に変更があったときは、変更の日の翌日から起算して10日以内に「雇用保険事業主事業所各種変更届」を出します。転勤届、適用事業所廃止届も翌日から10日以内です。規則は、雇用保険に関する書類を完結の日から2年間(被保険者に関する書類は4年間)保管すべきことを定めています。

主な必要書類

  • 雇用保険適用事業所設置届(届書に登記事項証明書、賃金台帳、労働者名簿その他記載事項を証明できる書類を添付します。)
  • 雇用保険被保険者資格取得届(初めて提出する場合・期限を超えて提出する場合等は、労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳等が必要です。事業主の同居の親族(事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含む)その他特に確認を要する者の届出では、これらに加え登記事項証明書等が必要です。職業安定局長の定めにより省略できる場合があります。)
  • 雇用保険被保険者資格喪失届(労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳、登記事項証明書等を添付します。職業安定局長が定めるところにより省略できる場合があります。)
  • 雇用保険被保険者離職証明書(様式第五号)(離職が原因のときに添えます。離職票の交付を希望しないときは添えないことができますが、離職の日において59歳以上の被保険者は省略できません。)
  • 労働保険 保険関係成立届(設置届の前段の手続です。成立した日から10日以内に、所轄労働基準監督署長または所轄公共職業安定所長へ出します。)
  • 賃金台帳・労働者名簿・出勤簿(タイムカード)等(厚生労働省の手続き一覧表が挙げる確認書類です。ハローワークから持参を求められる場合があります。)
  • 法人番号(設置届1欄の記入事項)(添付書類ではなく届書の記入事項です。規則が添付を求めるのは登記事項証明書・賃金台帳・労働者名簿等です。)

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

厚生労働省およびハローワークインターネットサービスの案内に、これらの届出についての手数料の記載はありません。雇用保険の保険料は届出の手数料ではなく、労働保険料として労働保険の徴収手続で申告・納付するものです。概算保険料は、保険関係が成立した日から50日以内に納付します。ハローワークインターネットサービスで作成した申請書は、印刷して窓口へ持参する必要があり、システム上で届出が完了するわけではないと案内されています。

提出先・提出方法

いずれも、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)の長に提出します。3つの届書はいずれも年金事務所を経由して提出できます。設置届は、健康保険・厚生年金保険の新規適用の届書と併せて提出する場合に、所轄労働基準監督署長または年金事務所を経由できます。労働保険の保険関係成立届(有期事業、労働保険事務組合に委託している事業等を除く)と併せて提出する場合も同様です。資格取得届も、健康保険・厚生年金保険の届書に準ずる様式によるものに限り、同じ経由ができます。電子申請による届出も可能です。資格取得届と資格喪失届については、資本金・出資金等の合計額が1億円を超える法人、相互会社、投資法人、特定目的会社(特定法人)は、原則として電子申請で提出します。適用事業所設置届には、この特定法人の電子申請義務の定めはありません。

つまずきやすいポイント

  • 3つの届出は期限の数え方が違います。設置届と資格喪失届は「翌日から起算して10日以内」ですが、資格取得届だけは「事実のあった日の属する月の翌月10日まで」です。同じ「10日」でも起算点が異なるため、まとめて出すときほど取り違えやすい箇所です。
  • 厚生労働省の案内は、労働保険の保険関係成立に関する手続を済ませた後に設置届と資格取得届を提出する順序を示しています。手続の順序や自社の窓口の区分の確認先は、管轄のハローワークまたは労働基準監督署です。
  • 資格取得届の「取得区分」は誤りやすい欄です。ハローワークの案内では、過去に被保険者になったことがない場合が「1(新規)」です。最後に被保険者でなくなった日から7年以上経過している場合も「1(新規)」で、それ以外は「2(再取得)」です。再取得のときは、被保険者証に記載された被保険者番号を記入します。
  • 離職票の交付を希望しないときは離職証明書を添えないことができますが、離職の日において59歳以上である被保険者はこの例外の対象外です。ハローワークの案内でも、59歳以上の方については離職票交付希望欄を「1.有」にチェックするよう求められています。
  • 様式はOCRで読み取るため印刷条件が指定されています。ハローワークの案内では、A4の白色用紙に等倍(倍率100%)で印刷することが条件です。等倍以外の設定では窓口で受理できず、基準マーク(3点の■)に欠損やかすれがないことも条件です。記載事項のない欄は空欄とし、「ヰ」「ヱ」は「イ」「エ」を使います。

よくある質問

パートやアルバイトでも届出が必要ですか。

呼び名ではなく所定労働時間と雇用見込みで判断されます。1週間の所定労働時間が20時間未満の方や、同一の事業主に継続して31日以上雇用される見込みがない方は適用除外です。ただし、65歳以上で2以上の事業主に雇用され本人の申出によって高年齢被保険者となる方は、この適用除外から除かれています。日雇労働被保険者に該当することとなる方も同様です。判断に迷う場合の確認先は、管轄のハローワークです。

支店を出したときも事業所ごとに設置届が必要ですか。

規則は「事業所を設置したとき」に届け出ることを求めています。ただし厚生労働省の手続き一覧表には、独立した一の事業所と認められないときの手続として「事業所非該当承認申請書」が掲げられています。その施設が独立した事業所に当たるかどうかの相談先は、管轄のハローワークです。

届出の期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか。

雇用保険法83条1号は、事業主が7条の規定に違反して届出をせず、または偽りの届出をしたときの罰則を定めています。資格取得届・資格喪失届はいずれも7条により提出するもので、違反すると裁判所から6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処される可能性があります。一方、適用事業所設置届は規則141条による届出で、83条1号の対象には含まれていません。労働保険の保険関係成立届も徴収法の罰則に掲げられていません。期限を超えて資格取得届を出すときは、契約書・労働者名簿・賃金台帳等を添えます。

届出に使った書類はいつまで保管すればよいですか。

規則は、事業主および労働保険事務組合は、雇用保険に関する書類を完結の日から2年間、被保険者に関する書類については4年間保管しなければならないと定めています。雇用安定事業等に関する書類と労働保険徴収法関係の書類は除かれます。添付にも使う労働者名簿・賃金台帳その他労働関係に関する重要書類は、労働基準法により5年間(附則により当分の間3年間)の保存が別途必要です。

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