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資本金の額の計上に関する証明書(現物出資・M&A等の例1〜9)

資本金の額の計上に関する証明書は、登記する資本金額の計算を会社の代表者が証明する添付書面です。設立登記と、資本金の額の増加または減少による変更登記の申請書に添付します(商業登記規則61条9項)。法務局は、設立・募集株式発行・新株予約権の行使・組織再編など9類型の記載例を公開しています。

資本金の額の計上に関する証明書(現物出資・M&A等の例1〜9)の要点。
申請者登記を申請する会社の代表者
期限設立・資本金変更は原則2週間以内
費用証明書は無料。登記は登録免許税
提出先本店所在地を管轄する法務局
様式法務局の9類型の記載例
全国統一様式発行:法務局最終確認:2026-09-19

誰が・どんなときに必要?

作成するのは、登記を申請する会社の代表者です。証明の文言のあとに、日付・本店・商号・代表取締役名を置きます。設立登記は設立手続終了の日などから2週間以内、資本金の額の変更登記も原則2週間以内です(会社法911条・915条)。募集株式の発行で払込期間を定めた場合はその末日から、新株予約権の行使による変更は毎月末日から2週間以内で足ります。

手続きの流れ

  1. 1

    類型を選ぶ

    法務局の項番1-29には、設立・募集株式発行・新株予約権の行使・吸収合併・吸収分割・株式交換・新設合併・新設分割・株式移転の9類型があります。登記の種類に合う記載例を使います。

  2. 2

    自己株式を分ける

    募集株式発行と新株予約権の行使は、自己株式の処分を伴う場合と伴わない場合で様式が分かれます。伴う場合は、株式発行割合と自己株式処分差損の欄も使います。

  3. 3

    組織再編を選ぶ

    吸収合併・吸収分割は、相手方の株主資本を引き継ぐ場合とそれ以外で様式が分かれます。新設合併と新設分割も、支配取得・共通支配下・単独か共同かで記載例が分かれます。

  4. 4

    金額を積む

    設立の記載例は、払込みを受けた金銭の額、金銭以外の財産の価額、その合計を順に書きます。出資者側の帳簿価額を計上すべき場合は、その帳簿価額を書きます。

  5. 5

    準備金を追記する

    払込みまたは給付に係る額の一部を資本金にしない場合は、その旨を証明書に書きます。定款や募集事項に定めがないときは、額を決定したことを証する書面も添付します。

  6. 6

    添付欄に書く

    証明書は、登記申請書の添付書類欄に名称と通数を書きます。添付書面の不足や記載の誤りがあるときは、登記所から申請人または代理人へ補正の連絡がされると案内されています。

主な必要書類

  • 払込みがあったことを証する書面(募集株式発行の記載例で、この証明書と並んで挙げられています。)
  • 募集株式の引受けの申込みを証する書面(株式申込証)(銀行等の株式申込取扱証明書を用いることもできます。)
  • 株主総会議事録(議事録の要否と様式は、法務局の別表と様式A〜Cに載ります。)
  • 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)(合併では、存続会社と消滅会社それぞれについて添付します。)
  • 取締役会議事録又は取締役決定書(資本金に計上しない額を決めた場合の決定書面にもなります。)
  • 発起人の同意書(設立で資本金と資本準備金の額が定款にないときに使います。)
  • 合併契約書(吸収合併・新設合併の申請書の添付書類です。)
  • 登録免許税法施行規則第12条第5項(新設合併は第3項)の規定に関する証明書(吸収合併の増資と新設合併の設立で使う書面です。新設合併の記載例1-23は第3項と表記しています。)
  • 委任状(代理人が登記申請をする場合に添付します。)

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

証明書そのものに手数料はかかりません。かかるのは登記の登録免許税です。株式会社設立は資本金額の1000分の7、最低15万円です。合同会社設立は1000分の7、最低6万円です。資本金増加は増加額の1000分の7、最低3万円です。新設合併による設立と吸収合併による増資は、1000分の1.5と1000分の7を使い分け、最低3万円です。新設分割による設立と吸収分割による増資は1000分の7、最低3万円です。株式移転による設立は、株式会社設立の区分です。合併では、消滅会社1社につき解散登記の3万円もかかります。資本金の額の減少による変更登記は、申請1件につき3万円です。区分記号は、設立がイ・ハ、増資がニ、合併がホ・ヘ、分割がト・チ、解散がレ、減資がツです(登録免許税法別表第一第24号(一)イ・ハ・ニ・ホ・ヘ・ト・チ・レ・ツ)。課税標準金額は1000円未満、税額は100円未満の端数を切り捨て、収入印紙または領収証書で納付します。

提出先・提出方法

提出先は、本店の所在地を管轄する法務局です。この証明書は単独で出さず、登記申請書の添付書面として提出します。

つまずきやすいポイント

  • 類型ごとに引用する条文が違います。設立、募集株式発行、新株予約権の行使、吸収合併で、記載例の文面を流用すると条文番号が合わなくなります。
  • 準備金や剰余金を資本に組み入れる増資では、法務局の項番1-30「準備金・剰余金の額に関する証明書の例」を使います。項番1-29の9様式とは別物です。
  • 吸収合併で資本金の額が増加する場合は、この証明書のほか、登録免許税法施行規則第12条第5項の証明書も添付書類として挙げられています。
  • 吸収合併で株主資本を引き継ぐ場合、証明書の額は登記されている消滅会社の資本金額と一致する必要があるとされています。
  • 減資は商業登記規則上は対象ですが、項番1-29に減資の記載例はなく、資本金の額の減少の申請書記載例にもこの証明書は挙げられていません。減資での要否は管轄の登記所が案内しています。
  • 商業・法人登記の申請の代理を他人の依頼を受けて業として行えるのは、司法書士・司法書士法人と弁護士・弁護士法人に限られます。

よくある質問

金銭出資だけの株式会社設立でも必要ですか。

法務局の記載例1-29の例1は、出資財産が金銭のみなら添付不要としています。現物出資があるときは添付します。

合同会社でも同じ書面が必要ですか。

合同会社にも準用があります。法務局の項番3-1には、代表社員の証明書の例が載っています。

資本準備金にする分はどう書きますか。

資本金として計上しない額がある旨を書きます。定款や募集事項に定めがないときは、決定を証する書面も添付します。

期限を過ぎても申請できますか。

期限後でも申請自体は却下されないと法務局は案内しています。ただし、代表者は裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法976条1号)。

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