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税額控除対象法人証明申請/みなし譲渡所得税非課税承認証明申請
税額控除対象法人の証明申請と、みなし譲渡所得税非課税承認に係る証明申請は、公益社団法人・公益財団法人が公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律3条の行政庁(内閣総理大臣・都道府県知事)から証明を受ける申請です。前者は個人の寄附に所得税の税額控除を使うためのもの、後者は現物資産の寄附に「承認特例」「特定買換資産の特例」を使うための基金の証明です。非課税には基金の証明によらない「一般特例」(寄附の日から2年を経過する日までに公益目的事業の用に直接供され、又は供される見込みであること等)もあります。承認は国税庁長官が行う別の手続です。
誰が・どんなときに必要?
申請できるのは公益社団法人・公益財団法人です。税額控除の証明は、直前に終了した事業年度終了の日以前5年内に終了した各事業年度(実績判定期間)の寄附の実績が要件を満たしたときに申請します。内閣府の手引きは、証明の有効期間は証明を受けた日から5年間で、その間は新たな書類の提出は求められず、引き続き証明を受けたい場合は期間の経過前に余裕をもって申請するよう案内しています。基金の証明は、承認特例なら寄附を受ける前に、特定買換資産の特例なら対象資産を譲渡する前に受けておきます。要件2で申請する場合は、直近に終了した事業年度の計算書類について機関決定を受け、認定法に基づき行政庁へ提出した後に申請するよう手引きが案内しています。
手続きの流れ
- 1
どちらの証明が必要かを決める
個人からの寄附金について所得税の税額控除を選べるようにしたい場合は「税額控除対象法人の証明」、土地・建物・株式などの現物資産の寄附についてみなし譲渡所得税の承認特例を使えるようにしたい場合は「基金の証明」です。目的も根拠条文も別で、内閣府の手引きも2種類に分かれています。両方必要なときはそれぞれ申請します。なお、公益社団・財団法人の承認特例には、基金の証明を受けて基金内で管理する経路のほか、寄附を受けた財産を不可欠特定財産としてその維持及び処分の制限を定款で定める経路もあり(措置法施行令25条の17第7項2号ロ)、後者は行政庁の証明を前提としません(内閣府の手引きは基金経路を対象としています)。窓口はいずれも認定法3条の行政庁です。
- 2
税額控除の証明——2つの基準のいずれかを満たすか確かめる
措置法施行令26条の28の2第1項1号イは、(1)実績判定期間の経常収入金額に占める寄附金収入金額の割合が5分の1以上、(2)各事業年度の判定基準寄附者の数の合計に12を乗じ実績判定期間の月数で除した数が100以上で、かつ判定基準寄附金額を同様に換算した額が30万円以上、のいずれかを満たすことを求めています。(2)には括弧書きがあり、公益目的事業費用等の額の合計額が1億円に満たない事業年度(零の年度を除く)は、その年度の判定基準寄附者の数に1億を乗じ当該合計額(1千万円未満のときは1千万)で除して得た数に置き換えて数えます。内閣府の手引きは(2)の絶対値基準を「要件1」、(1)の相対値基準を「要件2」と呼び、条文の枝番とは順序が逆です。
- 3
税額控除の証明——判定基準寄附者を正しく数える
判定基準寄附者とは、実績判定期間内の日を含む各事業年度における同一の者からの寄附金の額が3,000円以上である場合のその者をいい、その法人の役員である者と役員と生計を一にする者は除かれます。ここでいう寄附金は、寄附者の氏名又は名称その他の財務省令で定める事項が明らかなものに限られ、学校の入学に関するもの等は除かれます。同一の者が個人であるときは、その者と生計を一にする者からの寄附金の額を加算して3,000円以上かを判定します。また、個人である判定基準寄附者と生計を一にする他の判定基準寄附者がいるときは、これらを1人とみなして数えます(措置法施行令26条の28の2第1項1号イ(2)・第6項5号)。
- 4
税額控除の証明——要件に応じた書類を提出する
手引きは、要件1(絶対値要件)で申請する場合は申請書(かがみ文書)・寄附金受入明細書・絶対値要件チェック表を、要件2(相対値要件)で申請する場合は申請書と相対値要件チェック表を、公益法人informationの電子申請でアップロードして提出すると案内しています。要件2でも一者当たりの基準限度超過額があるときは該当箇所の寄附金受入明細書を添付し、絶対値要件チェック表は実績判定期間に公益目的事業費用の額の合計額が1億円未満の事業年度を含む場合に作成します。
- 5
基金の証明——告示の要件を満たす基金を設けて申請する
手引きによると、基金は、①他の経理と区分して整理②公益目的事業に充てられることが確実③運用益を基金に組み入れ④管理・運用の重要事項を審議する合議制の機関を設置⑤監事の監査を受けた基金明細書を毎事業年度終了後3か月以内に行政庁へ提出し写しを5年間保存、の各要件を満たす必要があります。提出書類は証明申請書・基金規程・基金明細書の様式などです。この証明に有効期限はないとされますが、基金の名称を変更するときは変更日までに証明を取り直す必要があるとされています。
- 6
証明を受けた後の継続義務を果たす
税額控除の証明を受けた法人は、従業員給与支給規程などを主たる事務所に備え置き、閲覧の請求に応じます。基金の証明を受けた法人は、寄附を受けた日の属する事業年度については、事業年度終了後3か月以内に基金明細書を行政庁に提出するとともにその写しを寄附者に交付します。その後の年度も毎事業年度終了後3か月以内に行政庁へ提出し、写しは5年間保存します。交付が遅れると寄附者が期限内に税務署へ提出できず、非課税承認が取り消されることがあります。
主な必要書類
- 税額控除に係る証明申請書(かがみ文書)(内閣府の手引きが挙げる書類です。要件1・要件2のいずれか一つを選んで記載します。)
- 絶対値要件(要件1)チェック表(3,000円以上の寄附者が平均して年100人以上という要件1で申請し、実績判定期間に公益目的事業費用の額の合計額が1億円未満の事業年度がある場合に作成します(その年度は寄附者数を置き換えて数えるためです。steps参照)。チェック表はエクセルファイルのまま(PDFにせず)提出するよう手引きが案内しています。)
- 相対値要件(要件2)チェック表(寄附金等収入の割合が5分の1以上という要件2で申請する場合に作成します。手引きはエクセルファイルのまま提出するよう案内しています。)
- 寄附金受入明細書(要件1で申請する場合のほか、要件2で一者当たりの基準限度超過額があるときに該当箇所を添付します。法人の役員か、他の寄附者と生計を一にする者かも明示します。)
- 付表(会費を算入する場合)(会費の額が合理的と認められる基準により定められ、社員の議決権が平等で、社員(役員および役員の親族等を除く)の数が20人以上である公益社団法人が、要件2で会費収入の一部を算入するときに作成します(措置法施行規則19条の10の5第1項)。)
- 正味財産増減計算書内訳表(公益目的事業費用の額の合計額が1億円未満の事業年度がある場合に、その年度分を添付します。)
- 基金に係る証明申請書(みなし譲渡所得税非課税承認の承認特例・特定買換資産の特例に用いる基金の証明を受けるための申請書です。)
- 基金規程(基金明細書の様式を含む)(告示に定める要件を規定した内容とします。既存の基金は規程を改正して申請することができるとされています。)
- 合議制の機関の名簿(合議制の機関を理事会以外にする場合に限り提出します。理事会を合議制の機関とすることも可能とされています。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
認定法・租税特別措置法とそれぞれの施行令・施行規則、および内閣府の2つの手引きのいずれにも、この証明申請の手数料に関する定めは確認できませんでした。金額を書けませんので、提出先の行政庁にご確認ください。なお、寄附者が行う租税特別措置法40条の承認申請については、国税庁の手続案内が「【手数料】不要です。」としています(行政庁への証明申請とは別の手続です)。
提出先・提出方法
公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律3条の行政庁です。2以上の都道府県の区域内に事務所を設置するものなど同条1号イ〜ハに当たる法人は内閣総理大臣、それ以外の公益法人は事務所が所在する都道府県の知事が行政庁になります。内閣府の「税額控除に係る証明申請の手引き」は、申請を公益法人informationの電子申請で提出すると案内しています。ただしこの手引きは冒頭に「この手引きは、平成28年6月3日現在のものです。」と記載された版で、手引き自身も使用に際して最新版の有無を確認するよう求めていますので、申請前に内閣府のサイトで最新版をご確認ください(基金の証明について参照した「みなし譲渡所得税非課税承認~証明申請等の手引き~」は令和8年6月15日現在の版です)。基金の証明も同じ行政庁に申請します。みなし譲渡所得税の非課税承認の申請先はこれとは別で、寄附者の納税地の所轄税務署長を経由した国税庁長官です。
つまずきやすいポイント
- 「証明」と「承認」は別物です。行政庁が出すのは基金などの証明で、みなし譲渡所得税の非課税承認は国税庁長官が行います。承認申請は寄附者が贈与または遺贈のあった日から4か月以内に納税地の所轄税務署長を経由して提出しますが、その4か月の経過日前にその年分の所得税の確定申告書の提出期限が来るときは、その提出期限までに短くなります(国税庁の案内では寄附が11月16日から12月31日までの場合)。なお措置法施行令25条の17第1項後段は、この期間内に申請書の提出や書類の添付がなかったことにつき国税庁長官がやむを得ないと認める事情があり、かつ更正又は決定を受ける日の前日までに提出があったときは、期間内に提出があったものとするとしています。
- 承認特例の1か月・3か月は「みなし承認」の期間で、行政庁の証明にかかる期間ではありません。措置法施行令25条の17第8項は、申請書の提出があった日から1か月以内(一定の株式等は3か月以内)に承認も不承認の決定もなかったときに承認があったものとみなすと定めています。
- 税額控除の証明書は使える期間が限られます。措置法施行規則19条の10の5第14項1号ロは、寄附者が確定申告に添える証明書の写しを「当該寄附金を支出する日以前五年内に発行されたもの」に限っています。切れる前に余裕をもって申請してください。
- 基金明細書の写しの交付が遅れると寄附者に不利益が及びます。手引きは、寄附者が事業年度終了後3か月以内に所轄税務署へ写しを提出しなかった場合、非課税承認が取り消され寄附者に課税されると説明しています。
- 率や金額は改正の対象です。条文上は控除額が「(税額控除対象寄附金の額の合計額−2,000円)×100分の40」で所得税額の100分の25が限度ですが、申告の時点の法令を国税庁・所轄税務署でご確認ください。
よくある質問
税額控除対象法人の証明と、みなし譲渡所得税に関する証明は同じ申請ですか。
別の申請です。税額控除対象法人の証明は、個人が支出した寄附金について所得税の税額控除(租税特別措置法41条の18の3)を選べるようにするもので、要件は措置法施行令26条の28の2にあります。みなし譲渡所得税に関する証明は、現物資産の寄附について承認特例(措置法施行令25条の17第7項)を使うために、公益法人が設ける基金が要件を満たすことを行政庁が確認するものです。窓口はどちらも認定法3条の行政庁ですが、要件も書類も別です。
証明を受ければ、寄附者は自動的にみなし譲渡所得税が非課税になりますか。
いいえ。行政庁の基金の証明は承認特例の要件の一つにすぎません。寄附者は贈与または遺贈のあった日から4か月以内(その期間の経過する日前にその年分の所得税の確定申告書の提出期限が来るときはその期限まで)に、納税地の所轄税務署長を経由して国税庁長官へ承認申請書を提出する必要があります。承認するかどうかは国税庁長官が判断しますので、結果をお約束することはできません。
税額控除の要件は、どちらか一方を満たせばよいのですか。
措置法施行令26条の28の2第1項1号イは、相対値基準と絶対値基準の「いずれかを満たすこと」と定めており、内閣府の手引きも両方を満たす必要はないと説明しています。なお手引きは絶対値基準を「要件1」、相対値基準を「要件2」と呼びます。これとは別に、財産目録等や役員報酬・従業員給与の支給に関する規程などを閲覧の請求に応じて閲覧させること、寄附者名簿を作成して保存することも要件とされています。
証明を受けた後は、何もしなくてよいのですか。
いいえ。手引きによると、税額控除の証明を受けた法人は、従業員給与支給規程、役員等からの一事業年度の受入寄附金の合計額が20万円以上である場合のその明細、他の法人へ支出した寄附金の明細を主たる事務所に備え置き、閲覧の請求に応じる必要があります。基金の証明を受けた法人は、監事の監査を受けた基金明細書を毎事業年度終了後3か月以内に行政庁へ提出し、その写しを5年間保存するとともに、寄附者にもその写しを交付します。交付が遅れると寄附者が期限内に税務署へ提出できず、非課税承認が取り消されることがあります。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-08-07)。
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