LEGAL AFFAIRS BUREAU
特例有限会社 役員変更・商号目的変更・本店移転・解散清算 各登記申請書
特例有限会社は、会社法の施行後も商号中に「有限会社」の文字を用いたまま存続している株式会社です(整備法2条・3条)。手続の骨組みは株式会社と同じですが、登記される事項の一部が読み替えられており(同43条)、株式会社の記載例をそのまま流用すると誤りが生じます。法務局は、役員変更、商号及び目的の変更、本店移転、解散及び清算人選任、清算結了について、特例有限会社専用の記載例と申請書様式を公開しています。
誰が・どんなときに必要?
申請人は会社で、会社を代表する取締役が会社を代表して申請し、解散後は会社を代表する清算人が申請します。代理人に委任することもできますが、登記の申請手続について報酬を得て代理することを業として行えるのは、司法書士及び弁護士に限られます(司法書士法3条1項1号・73条1項)。期間は登記事項の変更と解散がいずれも2週間以内(会社法915条1項・926条)、清算人は解散の日又は選任から2週間以内(同928条1項・3項)、清算結了は決算報告の承認の日から2週間以内です(同929条1号)。
手続きの流れ
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使う様式を選ぶ
法務局の申請書様式ページの「第2 特例有限会社」に、2-1役員変更(辞任等)、2-2役員変更(重任)、2-4商号及び目的変更、2-5本店移転(管轄内)、2-6本店移転(管轄外)、2-7解散及び清算人選任、2-8清算結了の記載例とWord・PDF様式が並んでいます。まず記載例を開き、自社の事情に一番近いものを選びます。
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登記すべき事項を読替えどおりに書く
特例有限会社では、取締役は氏名及び住所、監査役も氏名及び住所が登記事項です。代表取締役は氏名だけで、しかも特例有限会社を代表しない取締役がある場合に限って登記されます(整備法43条1項)。清算人も氏名及び住所が登記事項で、代表清算人は氏名のみ、しかも特例有限会社を代表しない清算人がある場合に限って登記されます(同43条2項)。株式会社の様式の感覚で住所を省いたり足したりしないでください。
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決議書面と株主リストをそろえる
株主総会の決議を要する登記では議事録を添付します(商業登記法46条2項)。あわせて株主リストが必要です(商業登記規則61条2項・3項)。本店移転では、移転先の所在場所と移転の時期を取締役の過半数で決めるため、取締役の過半数の一致を証する書面(取締役決定書)も添付します(記載例2-5・2-6)。定款で最小行政区画まで定めている場合のその区画内での移転であれば、株主総会の決議自体が不要で、議事録の添付も要りません(記載例2-5の注記)。役員が就任したときは就任承諾書を添えます。
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登録免許税を区分ごとに合算する
役員に関する事項の変更は1件3万円(資本金の額が1億円以下の会社は1万円)、商号や目的など他の登記事項の変更は1件3万円、本店移転は1箇所につき3万円、解散は1件3万円、清算人の登記は1件9千円、清算結了は1件2千円です。記載例2-7は解散と清算人選任を同時に申請して合計3万9千円としています。収入印紙又は領収証書で納付し、収入印紙による場合は貼付台紙に貼ります。
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管轄の登記所へ提出する
本店の所在地を管轄する法務局に提出します。管轄区域外へ本店を移転する場合は、新所在地宛ての申請書も旧所在地の登記所を経由して同時に提出し(商業登記法51条1項・2項)、新所在地宛ての申請書には委任状以外の添付書面を要しません(同条3項)。申請書が複数ページになるときは各ページのつづり目に契印します。
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完了と補正の連絡を待つ
申請書には日中つながる連絡先電話番号を記載します。添付書面の不足や記載の誤りがあると登記所から連絡があり、補正を求められたり却下されたりすることがあります。完了までの間は、原則としてその会社の登記事項証明書・印鑑証明書は発行されません。完了の目安は登記完了予定日ですが、法務局は「補正がある場合や管轄の法務局を変更する本店移転の場合などは除く」と注記しています。
主な必要書類
- 株主総会議事録(株主総会の決議を要する登記の場合(商業登記法46条2項))
- 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)(商業登記規則61条2項・3項)
- 取締役の過半数の一致を証する書面(取締役決定書)(移転先の所在場所と移転の時期を取締役の過半数で決めるため、記載例2-5・2-6のいずれも添付書類に挙げています。定款所定の最小行政区画内での移転であれば、株主総会の決議は不要でこの書面のみで足ります(記載例2-5の注記))
- 就任承諾書(取締役・監査役の就任(商業登記法54条1項)。清算人は定款又は株主総会の決議で定められた者の場合に必要で(同73条2項)、取締役がそのまま清算人となるときは定款のみで足ります)
- 印鑑証明書(市区町村長作成)(新たに就任する取締役の就任承諾書の押印について(商業登記規則61条4項))
- 本人確認証明書(住民票の写し等)(新たに就任する監査役について必要です(商業登記規則61条7項)。取締役は同条4項の印鑑証明書を添付するため不要です(同条7項ただし書))
- 辞任届・死亡届又は法定相続情報一覧図の写し(退任事由に応じて。辞任届の押印には商業登記規則61条8項の定めがあります)
- 定款(清算人の登記には、清算人の定まり方にかかわらず添付します(商業登記法73条1項)。ほかに、取締役の互選で代表取締役を定めた場合など、定款の定めがなければ登記すべき事項に無効又は取消しの原因が存することとなる申請にも添付します(商業登記規則61条1項))
- 決算報告の承認があったことを証する書面(清算結了(商業登記法75条)。記載例2-8では株主総会議事録)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
役員に関する事項の変更は1件3万円(資本金の額が1億円以下の会社は1万円)、商号・目的など他の登記事項の変更は1件3万円、本店移転は1箇所につき3万円、解散は1件3万円、清算人の登記は1件9千円、清算結了は1件2千円です(登録免許税法別表第一24号(一)カ・ツ・ヲ・レ、同(三)イ・ハ)。区分が複数あるときは区分ごとに計算して合算し(同法18条)、管轄区域外への本店移転は旧所在地宛てと新所在地宛ての申請ごとに納めます。収入印紙又は領収証書で納付します。
提出先・提出方法
本店の所在地を管轄する法務局(登記所)です。管轄は法務局ホームページの管轄一覧から確認します。本店を他の登記所の管轄区域内へ移転する場合は、新所在地宛ての申請書も旧所在地を管轄する登記所を経由し、旧所在地宛ての申請書と同時に提出します(商業登記法51条1項・2項)。代理人に委任した場合の委任状は、新所在地宛ての申請書にも添付します(同条3項)。
つまずきやすいポイント
- 取締役の住所を落とす誤りが起きやすい箇所です。特例有限会社では取締役は氏名及び住所が登記事項で、代表取締役は氏名のみ、しかも代表しない取締役がある場合に限り登記されます(整備法43条1項)。株式会社の記載例を流用しないでください。
- 様式2-4の商号変更で商号中の「有限会社」を外すことはできません(整備法3条1項)。株式会社になること自体は、同項にかかわらず定款を変更して商号中に株式会社の文字を用いる方法で可能ですが(同45条1項)、その登記は解散の登記と商号変更後の株式会社の設立の登記を決議から2週間以内に同時にする別の手続で、定款変更の効力もこの登記により生じます(同45条2項・46条、様式2-9・2-10)。
- 期間内に登記を怠り、その後に登記申請をする場合であっても、そのことだけをもって申請が却下されることはありませんが、会社の代表者に対して裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法976条1号)。
- 管轄区域外への本店移転は新旧の登記所それぞれへの申請が必要で、移転の日より前に申請することはできません(記載例2-6)。新所在地の登記所へ印鑑届書を出し直す必要はなく、旧所在地の登記所が印鑑記録を移送し、提出があったものとみなされます(商業登記規則9条12項・13項)。
- 清算結了を急ぎすぎる例があります。債権申出の公告期間は2か月を下ることができないため(会社法499条1項)、清算人の就任後2か月以内に清算が終了することはない旨が記載例2-8に明記されています。
よくある質問
特例有限会社の役員に任期はありますか。
会社法332条(取締役の任期)、336条(監査役の任期)及び343条の規定は、特例有限会社には適用されません(整備法18条)。もっとも、定款で任期を定めている会社もあり、その場合は任期満了に伴う退任・重任の登記が生じることがあります。法務局も重任の場合の記載例(2-2)を公開しています。まず自社の定款の定めをご確認ください。
最後の登記から12年たつと、みなし解散になりますか。
休眠会社のみなし解散を定める会社法472条の規定は、特例有限会社には適用されません(整備法32条)。ただし、みなし解散の対象外であることと、登記を怠った場合の過料(会社法976条1号)とは別の話です。登記事項に変更が生じたときは、期間内に申請してください。
解散するとき、清算人の添付書類は何になりますか。
清算人の登記の申請書には、清算人の定まり方にかかわらず定款を添付します(商業登記法73条1項)。そのうえで記載例2-7は、取締役がそのまま清算人になった場合は定款のみで足り、就任承諾書は要しないとしています。定款で定められた者は定款と就任承諾書、株主総会の決議で定められた者は定款・株主総会議事録・就任承諾書(就任承諾書につき同73条2項)、裁判所によって定められた者は定款と選任決定書正本(又は認証ある謄本)です(同73条3項)。会社を代表する清算人が申請書に押印するときは、印鑑届書の提出が必要です。
新しく就任する役員の本人確認書類は何が必要ですか。
新たに就任する取締役は、就任承諾書に押した印鑑について市区町村長作成の印鑑証明書を添付します(商業登記規則61条4項)。新たに就任する監査役は本人確認証明書(住民票の写し等)が必要です(同条7項)。特例有限会社は取締役会を置けないため(整備法17条1項)、同条5項の読替えは適用されません。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。