LEGAL AFFAIRS BUREAU
株式会社変更登記申請書(吸収合併)/合併による設立登記申請書(新設合併)
株式会社の合併には、一方が存続して他方が消滅する吸収合併と、当事会社のすべてが消滅して新しい会社を設立する新設合併があります。登記は、吸収合併なら存続会社の変更登記、新設合併なら設立会社の設立登記を行い、いずれの場合も消滅会社の解散登記を同時に申請します。法務局は「商業・法人登記の申請書様式」で、株式会社変更登記申請書(吸収合併・1-22)、合併による株式会社設立登記申請書(新設合併・1-23)、株式会社合併による解散登記申請書(1-24)の記載例を公開しています。このページは、その記載例と根拠条文を読み解くための手引きです。
誰が・どんなときに必要?
申請するのは、吸収合併では存続会社、新設合併では設立会社です。消滅会社の解散登記も、存続会社又は設立会社を代表すべき者が消滅会社を代表して申請します(商業登記法82条1項)。期間は、吸収合併が効力の生じた日から2週間以内(会社法921条)、新設合併は同法922条1項各号に定める日から2週間以内で、いずれも本店の所在地においてします。登記期間を過ぎてから申請する場合であっても、そのことだけをもって申請が却下されることはありませんが、会社の代表者に対して裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります。
手続きの流れ
- 1
合併の類型を決め、合併契約を締結して承認決議を受ける
合併をする会社は、合併契約を締結しなければなりません(会社法748条)。吸収合併では、消滅会社も存続会社も効力発生日の前日までに株主総会の決議によって合併契約の承認を受けます(783条1項・795条1項)。新設合併では、消滅会社が株主総会の決議によって新設合併契約の承認を受け(804条1項)、設立会社が持分会社のときは総株主の同意(同条2項)、譲渡制限株式等を交付するときは種類株主総会の決議(同条3項)も必要です。新設合併に略式合併・簡易合併の制度はありません。
- 2
存続会社側で略式合併・簡易合併の例外に当たるか確かめる
存続会社では、消滅会社が存続会社の特別支配会社のとき(略式合併・会社法796条1項)や、対価の額の存続会社の純資産額に対する割合が5分の1(定款でこれを下回る割合を定めたときはその割合)を超えないとき(簡易合併・同条2項)は承認を要しないことがあります。ただし、差損が生じるなど795条2項各号の場合、存続会社が公開会社でなく対価に譲渡制限株式が含まれる場合(796条1項ただし書)、法務省令で定める数の株式を有する株主が797条3項の通知又は同条4項の公告の日から2週間以内に反対を通知したとき(796条3項)は承認が必要です。
- 3
債権者保護手続(官報公告と各別の催告)を行う
合併では、合併をする旨などを官報に公告し、かつ知れている債権者には各別にこれを催告しなければなりません。債権者が異議を述べることができる期間は1箇月を下ることができません(会社法789条2項・799条2項・810条2項の各ただし書)。定款の定めに従い官報のほか日刊新聞紙又は電子公告によっても公告したときは、各別の催告は要しないとされています(同各条3項)。
- 4
申請書と添付書類をそろえる
吸収合併による変更の登記には、吸収合併契約書、債権者保護手続を証する書面、資本金の額が会社法445条5項の規定に従って計上されたことを証する書面、消滅会社の登記事項証明書などを添付します(商業登記法80条)。新設合併による設立の登記では、新設合併契約書と定款のほか就任承諾書等が加わります(同法81条)。消滅会社が株券を発行しているときなどは、株券提供公告をしたことを証する書面も必要です(同法80条9号・81条9号)。
- 5
登録免許税を計算し、収入印紙を貼る
吸収合併による資本金の増加は増加した資本金の額の1000分の1.5、新設合併による設立は資本金の額の1000分の1.5です。いずれも、消滅会社の合併直前の資本金の額として財務省令で定めるものを超える部分は1000分の7となり、計算した税額が3万円に満たないときは申請件数1件につき3万円です(登録免許税法別表第一24号(一)ホ・ヘ)。消滅会社の解散の登記は1件につき3万円です(同レ)。
- 6
本店所在地の登記所に、解散登記と同時に申請する
消滅会社の解散の登記の申請と、吸収合併の変更の登記又は新設合併の設立の登記の申請とは、同時にしなければなりません(商業登記法82条3項)。解散の登記は消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所にする登記ですが、その登記所の管轄区域内に存続会社又は設立会社の本店がないときは、存続会社又は設立会社の本店の所在地を管轄する登記所を経由して申請します(同条2項)。新設合併の記載例では、設立の登記申請書及び印鑑届書並びに解散の登記申請書を同時に提出するものとされています。
主な必要書類
- 合併契約書(吸収合併契約書又は新設合併契約書(商業登記法80条1号・81条1号))
- 合併の承認に関する株主総会議事録及び株主リスト(承認決議をした各社について(商業登記規則61条3項)。略式・簡易合併では存続会社分が取締役会議事録等となり、別に要件を満たすことを証する書面(略式は株主名簿、簡易は存続会社の代表者の証明書)を添付します(商業登記法80条2号))
- 公告及び催告をしたことを証する書面(異議を述べた債権者に弁済等をしたこと又は害するおそれがないことを証する書面を含みます。異議を述べた債権者がないときはその旨を記載します)
- 資本金の額の計上に関する証明書(吸収合併では資本金の額が増加する場合に添付します(商業登記法80条4号)。新設合併による設立の登記では増加の有無にかかわらず必要です(同法81条4号・商業登記規則61条9項)。いずれも会社法445条5項に従った計上を証します)
- 登録免許税法施行規則第12条の規定に関する証明書(吸収合併は同条5項、新設合併は同条3項)
- 株券提供公告・新株予約権証券提供公告をしたことを証する書面(消滅会社が株券発行会社であるとき/新株予約権を発行しているとき。全部について証券を発行していないときはそれを証する書面(商業登記法80条9号・10号、81条9号・10号))
- 消滅会社の登記事項証明書(同一の登記所に消滅会社の登記があるときは添付を要しません(商業登記法80条5号ただし書・81条5号ただし書)。登記がない場合でも、申請書に消滅会社の会社法人等番号を記載すれば省略できます(同法19条の3・商業登記規則36条の3))
- 定款・就任承諾書・本人確認証明書(新設合併による設立の登記で必要。定款は商業登記法81条2号、就任承諾書等は同条3号、本人確認証明書は商業登記規則61条7項によります)
- 委任状(代理人に申請を委任した場合)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税は、吸収合併による資本金の増加が増加した資本金の額の1000分の1.5、新設合併による設立が資本金の額の1000分の1.5です。いずれも、消滅会社の合併直前の資本金の額として財務省令で定めるものを超える資本金の額に対応する部分は1000分の7となり、これによって計算した税額が3万円に満たないときは申請件数1件につき3万円です(登録免許税法別表第一24号(一)ホ・ヘ)。消滅会社の合併による解散の登記は、申請件数1件につき3万円です(同レ)。一つの申請書で二以上の区分に当たる登記を受けるときは、区分ごとに計算した税額の合計額によります(同法18条)。
提出先・提出方法
存続会社又は設立会社の本店の所在地を管轄する法務局・地方法務局又はその支局・出張所です。消滅会社の合併による解散の登記は、本来は消滅会社の本店の所在地を管轄する登記所にする登記ですが、その登記所の管轄区域内に存続会社又は設立会社の本店がないときは、存続会社又は設立会社の本店の所在地を管轄する登記所を経由して申請します(商業登記法82条2項)。したがって、消滅会社と存続会社(設立会社)の管轄が異なる場合でも、申請書は存続会社(設立会社)の本店を管轄する登記所へまとめて提出し、変更(又は設立)の登記の申請と同時にします(同条3項)。管轄は法務局ホームページで確認できます。
つまずきやすいポイント
- 消滅会社の解散の登記の申請は、吸収合併の変更の登記又は新設合併の設立の登記の申請と同時にしなければなりません(商業登記法82条3項)。別々に提出すると、補正を求められたり却下されたりすることがあります。解散分の登録免許税3万円も別に納めます。
- 合併の税率は1000分の1.5で、募集株式の発行等による資本金の増加の1000分の7とは異なります。ただし、消滅会社の合併直前の資本金の額として財務省令で定めるものを超える部分は1000分の7となり、計算した税額が3万円に満たないときは1件につき3万円です(登録免許税法別表第一24号(一)ホ・ヘ)。
- 商号変更等の定款の変更や取締役・監査役の就任による変更の登記は、合併による変更の登記の申請書と同一の申請書をもって申請された場合であっても、合併による変更の登記とは別に、それぞれに対応した登録免許税を納付する必要があると記載例に明記されています。
- 各別の催告を省略できるのは、定款の定めに従い官報のほか日刊新聞紙又は電子公告によっても公告したときに限られます(会社法789条3項・799条3項・810条3項)。公告方法が官報だけの会社は各別の催告が必要で、異議を述べることができる期間は1箇月を下ることができません。
- 新設合併による設立の登記には、設立時取締役の印鑑証明書を求める商業登記規則61条4項が適用されません(同項は「合併及び組織変更による設立を除く」)。記載例では本人確認証明書を添付するものとされています。印鑑を提出するときは、印鑑届書に、その印鑑につき市町村長が作成した証明書で作成後3月以内のものを添付します(同規則9条5項1号)。
よくある質問
吸収合併と新設合併で、使う申請書はどう違いますか。
存続する会社があるときは吸収合併で、存続会社について「株式会社変更登記申請書(吸収合併)」(記載例の項番1-22)を使います。当事会社がすべて消滅して新しい会社をつくるときは新設合併で、「合併による株式会社設立登記申請書(新設合併)」(1-23)を使います。どちらの場合も、消滅会社については「株式会社合併による解散登記申請書」(1-24)を同時に提出します。
消滅会社の解散の登記には何を添付しますか。
記載例では「添付書類は必要ありません。」とされています。商業登記法82条4項が、申請書の添付書面に関する規定は合併による解散の登記の申請には適用しないと定めているためです。申請にあたっては、存続会社又は設立会社を代表すべき者が消滅会社を代表します(同条1項)。登録免許税は申請件数1件につき3万円です。
合併の効力はいつ発生しますか。
吸収合併では、存続会社は効力発生日に消滅会社の権利義務を承継します(会社法750条1項)。ただし、消滅会社の吸収合併による解散は、吸収合併の登記の後でなければ、これをもって第三者に対抗することができません(同条2項)。新設合併では、設立会社はその成立の日に承継します(同法754条1項)。記載例でも、新設合併の場合の解散の年月日は設立登記申請日であることから、申請の際は記載不要とされています。
代理人に申請を委任できますか。
記載例では、委任状は「代理人に申請を委任した場合にのみ必要です。」とされており、代理人に委任することもできます。もっとも、登記の申請手続について報酬を得て代理することを業として行えるのは、司法書士及び弁護士に限られます(司法書士法3条1項1号・73条1項)。司法書士会に入会している司法書士又は司法書士法人でない者は、これらの業務を行ってはならないとされています(同法73条1項。ただし、他の法律に別段の定めがある場合は、この限りではありません)。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
書類作成でお困りですか?
様式を集めても、書くのは大変。
フォーム入力だけで、必要書類を自動作成できます。
このページの様式は各官公庁の公式ページから入手できます。作成そのものでつまずいたら、 ソロイ がフォームの案内に沿って登記書類・契約書を自動で作成します。
※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。