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持分会社の組織変更登記申請書(→株式会社)/種類変更登記申請書
この様式は、持分会社(合名会社・合資会社・合同会社)が別の種類の会社になったときに使う登記申請書です。混同されやすいのですが、種類変更は合名・合資・合同の三種類の間で移る手続で、会社法638条の定款変更によって行います。組織変更は持分会社が株式会社になる(または株式会社が持分会社になる)手続で、会社法743条の組織変更計画に基づきます。組織変更計画の記載事項は、持分会社から株式会社になる場合は同法746条、株式会社から持分会社になる場合は同法744条に定められています。
誰が・どんなときに必要?
申請人は、種類変更・組織変更により設立した会社の代表者です(法務局の記載例)。期限は、種類変更なら会社法638条の定款変更の効力が生じた日から2週間以内(会社法919条)、組織変更ならその効力が生じた日から2週間以内(会社法920条)です。合名会社・合資会社が合同会社となる種類変更では、出資の払込み及び給付が完了した日に効力が生じることがあります(会社法640条1項)。期限内に登記をしないと、代表者に対して裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法976条1号)。
手続きの流れ
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どちらの制度に当たるかを確定する
合名・合資・合同の間で移るのであれば種類変更(会社法638条)、株式会社との間で移るのであれば組織変更(会社法743条。組織変更計画の記載事項は、持分会社から株式会社なら同法746条、株式会社から持分会社なら同法744条です)です。なお、合資会社の有限責任社員全員の退社では合名会社、無限責任社員全員の退社では合同会社となる種類変更とみなされます(会社法639条、商業登記法113条)。根拠条文も添付書類も登録免許税の区分も異なりますので、まずこの切り分けを済ませてください。
- 2
社員の意思決定と定款の作成をする
種類変更は定款の変更そのものですので、総社員の同意書と変更後の定款を用意します(持分会社の定款変更は、定款に別段の定めがある場合を除き、総社員の同意によります。会社法637条)。組織変更の場合は組織変更計画を作成し、効力発生日の前日までに、持分会社は総社員の同意(会社法781条1項。定款に別段の定めを除く)、株式会社は総株主の同意を得ます(同法776条1項。記載例では株主リストも添付)。法務局の記載例によれば、添付する定款に公証人の認証は必要ありません。
- 3
組織変更のときは債権者保護手続を行う
持分会社の組織変更には会社法781条2項が779条(2項2号を除く)を準用します。組織変更をする旨と異議を述べられる旨を官報に公告し、知れている債権者に各別に催告します(異議期間は1か月以上)。催告を省略できるのは、官報のほか定款所定の日刊新聞紙か電子公告でも公告した合同会社だけです(読み替え後の779条3項)。株式会社が持分会社となる場合は779条が直接適用され、計算書類に関する事項(2項2号)も公告し、催告省略に種類の制限はありません。種類変更にこの規定はありません。
- 4
効力発生日を確認する
組織変更をする持分会社は効力発生日に株式会社となります(会社法747条1項)が、債権者保護の手続が終了していない場合や組織変更を中止した場合には効力は生じません(同条5項)。合名会社・合資会社が合同会社となる種類変更は、社員が出資の払込み・給付を履行していないときは、その払込み及び給付が完了した日に効力が生じます(会社法640条1項)。この日が2週間の登記期限の起算日になります。
- 5
設立と解散の2件を同時に申請する
変更後の会社の設立の登記と、変更前の会社の解散の登記は、同時に申請しなければなりません(種類変更は商業登記法106条1項。合資会社は同法113条3項、合同会社は122条3項が準用します。組織変更は同法78条1項を、合名会社は107条2項、合資会社は114条、合同会社は123条が準用します)。同時に申請された2件のうちどちらか一方に却下事由があるときは、登記官は両方の申請を共に却下します(同法106条3項、78条3項)。
- 6
登録免許税を納付する
設立の登記と解散の登記は、それぞれ1件として登録免許税を計算します。設立の登記が資本金の額を課税標準とする区分(登録免許税法別表第一24号(一)ホ)に当たるときは、「課税標準金額」欄に資本金の額を記載し、基準額を超えるときは「ただし、内金○円は財務省令に定める額を超過する部分である」(種類変更)、「ただし、内金○円は登録免許税法施行規則に規定する額を超過する部分である」(組織変更)と付記します。納付は収入印紙または領収証書により、申請書ごとに収入印紙貼付台紙へ貼って行います。
主な必要書類
- 定款(変更後)(公証人の認証は要しません(法務局の記載例)。)
- 総社員の同意書(定款に別段の定めがあればその定めによります(会社法637条)。組織変更は効力発生日の前日までに得ます(持分会社は同法781条1項、株式会社は総株主の同意書と株主リストで同法776条1項)。)
- 組織変更計画書(組織変更の場合のみ(持分会社から株式会社は商業登記法107条1項1号、株式会社から持分会社は同法77条1号)。)
- 出資の払込み・給付が完了したことを証する書面(合同会社となる種類変更で必要(商業登記法105条2項2号、113条2項2号)。合資会社となる場合は有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面(合名会社からは同法105条1項2号、合同会社からは122条2項2号)、社員を加入させたときはその加入を証する書面(同法105条1項3号、122条2項3号)。)
- 資本金の額の計上に関する書面・登録免許税法施行規則第12条第4項の証明書(資本金の額の計上に関する書面は、合名会社・合資会社の組織変更と合同会社となる種類変更で添付します(合同会社の組織変更は直前の資本金の額が登記事項から明らかなため不要。法務局の記載例)。登録免許税法施行規則第12条第4項の証明書は、組織変更で株式会社・合同会社を設立する場合に添付し(同項)、合同会社の組織変更でも必要です。種類変更では添付しません。)
- 公告及び催告をしたことを証する書面(組織変更の場合のみ(商業登記法107条1項6号)。異議を述べた債権者がいるときは弁済等を証する書面も添付します。)
- 代表社員・取締役等の選定に関する書面、就任承諾書、本人確認証明書(互選で定めるときは効力発生日以降に行います。本人確認証明書は組織変更後の株式会社の取締役・監査役に必要です(法務局の記載例)。)
- 印鑑届書(書面申請で代表者が申請書または委任状に押印する場合に、設立の登記申請書と同時に提出します。代理人申請では委任状も同時に提出します。)
- 解散の登記申請書(設立の登記申請書と同時に提出します。添付書類は不要です(商業登記法106条2項、78条2項)。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税は、設立の登記と解散の登記をそれぞれ別の申請件数として計算し、合計額を納めます(登録免許税法 別表第一 第24号(一))。 ・変更前の会社についてする解散の登記:レ「会社又は相互会社若しくは一般社団法人等の解散の登記」により、申請件数1件につき3万円です。法務局の記載例も種類変更・組織変更とも「登録免許税 金3万円」としています。 ・変更後の会社が合名会社または合資会社となる場合の設立の登記:ロ「合名会社若しくは合資会社又は一般社団法人等の設立の登記」により、申請件数1件につき6万円です。種類変更(たとえば合名会社から合資会社)でも、株式会社から持分会社への組織変更でも同じです。次のホは「株式会社又は合同会社の設立の登記」だけを対象としているため、合名会社・合資会社となる場合には適用されません。 ・変更後の会社が株式会社または合同会社となる場合の設立の登記:ホ「新設合併又は組織変更若しくは種類の変更による株式会社又は合同会社の設立の登記」により、課税標準は資本金の額、税率は1000分の1.5です。ただし、組織変更・種類の変更の直前における資本金の額として財務省令で定めるものを超える資本金の額に対応する部分は1000分の7となり、計算した税額が3万円に満たないときは申請件数1件につき3万円です。 ・この「財務省令で定めるもの」は登録免許税法施行規則12条1項に定められており、区分によって計算方法が異なります。種類の変更により合同会社を設立する場合は、種類変更をする会社が合名会社・合資会社であれば900万円です(同項3号)。組織変更により株式会社・合同会社を設立する場合は、組織変更の直前の資本金の額(組織変更をする会社が合名会社・合資会社であれば900万円)に、直前の純資産額から社員・株主に交付する財産(株式・持分を除きます)の価額を控除した額が純資産額に占める割合を乗じた額です(同項2号イ・ロ)。したがって合名会社・合資会社が合同会社となる種類変更では、資本金の額のうち900万円までの部分が1000分の1.5、900万円を超える部分が1000分の7で計算されますが、組織変更では社員・株主に交付する財産があると基準額は900万円より小さくなります。法務局の記載例も、種類変更の記載例が「財務省令で定める金額(900万円)」と明記する一方、組織変更の記載例は「登録免許税法施行規則に規定する額」とのみ記し、その額は同規則12条4項の証明書で明らかにさせています。 ・合計額の例:持分会社から株式会社への組織変更は、設立の登記分(最低3万円)と解散の登記分3万円で、合計最低6万円です。合名会社が合資会社となる種類変更は、設立の登記分6万円と解散の登記分3万円で合計9万円です。 納付は収入印紙または領収証書により行い、申請書ごとに収入印紙貼付台紙へ貼り付けます。この登記は法務局(国)が扱う手続ですので、都道府県・市町村の条例で定める手数料はかかりません。
提出先・提出方法
変更後の会社の本店の所在地を管轄する法務局(登記所)です。会社法919条・920条はいずれも「その本店の所在地において」登記をすると定めており、支店の所在地における登記を定めていた会社法930条から932条までは削除されています。設立の登記申請書、解散の登記申請書、(書面申請で押印する場合の)印鑑届書は、同じ登記所に同時に提出します。
つまずきやすいポイント
- 「組織変更」と「種類変更」の取り違えが最大の落とし穴です。合名・合資・合同の間の移動は種類変更(会社法638条)、株式会社との間の移動は組織変更(同法743条)で、必要な手続も添付書類も登録免許税の区分も異なります。
- 債権者保護手続は組織変更にだけ求められています(会社法781条2項が779条を準用)。各別の催告を省略できるのは、官報のほかに定款所定の日刊新聞紙または電子公告でも公告した合同会社に限られ、法務局の記載例も「合名会社及び合資会社は、各別の催告を省略することができません」としています。
- 登録免許税の区分の取り違えです。設立の登記は、合名会社・合資会社になる場合が別表第一24号(一)ロで6万円、株式会社・合同会社になる場合が同号ホで資本金の額の1000分の1.5(最低3万円)と、金額の決まり方がまったく異なります。
- 設立と解散は同時に申請しなければならず(商業登記法106条1項、78条1項)、片方だけを先に出すことはできません。同時に申請された2件のどちらか一方に却下事由があるときは、登記官は両方の申請を共に却下します(同法106条3項、78条3項)。
- 合名会社・合資会社が合同会社になる種類変更では、出資の払込み及び給付が完了した日に効力が生じることがあります(会社法640条1項)。定款変更をした日を起算日と思い込むと、2週間の登記期限を誤ります。逆に、社員全員の退社によるみなし種類変更(会社法639条)では効力はみなされた日に生じ、払込み・給付はその日から1か月以内ですので(同法640条2項)、払込完了日を起算日としないでください。
よくある質問
組織変更と種類変更は何が違うのですか。
種類変更は、合名会社・合資会社・合同会社という持分会社の三種類の間で移る手続で、会社法638条の定款変更によって行います。組織変更は、持分会社が株式会社になる(または株式会社が持分会社になる)手続で、同法743条の組織変更計画に基づきます(計画の記載事項は、持分会社から株式会社なら746条、株式会社から持分会社なら744条)。登記はどちらも「変更前の会社は解散の登記、変更後の会社は設立の登記」という形になりますが(会社法919条・920条)、債権者保護手続の要否も登録免許税の区分も異なります。
登記の期限はいつまでですか。
種類変更は、会社法638条に規定する定款の変更の効力が生じた日から2週間以内です(会社法919条)。組織変更は、その効力が生じた日から2週間以内です(同法920条)。いずれも本店の所在地においてする登記の期限で、期限内に登記をしないと、代表者に対して裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(同法976条1号)。
登録免許税はいくらかかりますか。
設立の登記と解散の登記のそれぞれについて計算し、合計額を納めます。解散の登記は1件につき3万円です(登録免許税法別表第一24号(一)レ)。設立の登記は、合名会社・合資会社となる場合が1件につき6万円(同号ロ)、株式会社・合同会社となる場合が資本金の額の1000分の1.5で最低3万円(同号ホ)です。ホでは、直前の資本金の額として財務省令で定めるものを超える部分の税率が1000分の7になります。基準額は、種類変更で合同会社を設立する場合は900万円(登録免許税法施行規則12条1項3号)、組織変更では直前の資本金の額(合名・合資は900万円)に純資産額に対する一定の割合を乗じた額です(同項2号)。
定款に公証人の認証は必要ですか。
法務局の記載例では、種類変更・組織変更のいずれについても添付する定款に「公証人の認証は要しません」と注記されています。株式会社を新たに設立する場合とは扱いが異なる点にご注意ください。個別の書面の要否は、提出先の登記所にご確認ください。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。