LEGAL AFFAIRS BUREAU
実質的支配者となるべき者の申告書(株式会社用/一般社団・財団用)
株式会社・一般社団法人・一般財団法人を設立するとき、定款の認証を受ける公証人(公証役場)に提出する申告書です。法人成立時に実質的支配者となるべき者の氏名・住居・生年月日などと、その者が暴力団員等に該当するか否かを申告します(公証人法施行規則46条。かつては13条の4に置かれていた規定です)。2018年11月30日に始まった制度で、法人の透明性を高め、マネーロンダリング等への法人の不正使用を抑止することが目的です。
誰が・どんなときに必要?
株式会社・一般社団法人・一般財団法人の定款認証を受ける方(嘱託人)が対象で、電子定款・紙の定款のどちらの認証でも必要です。提出は定款認証の嘱託までに行う必要がありますが、定款案の点検を公証人に依頼する際に併せて提出することが推奨されています。
手続きの流れ
- 1
実質的支配者となるべき者を特定する
株式会社では、①株式(議決権)の50%を超えて保有する個人→いなければ②25%を超えて保有する個人→いなければ③事業活動に支配的な影響力を持つ個人→いなければ④代表取締役、の順で判定します(日本公証人連合会の説明。定義は犯罪収益移転防止法施行規則11条2項)。一般社団法人・一般財団法人では、事業活動に支配的な影響力を持つ人、いなければ代表理事が該当します。
- 2
申告書の様式を入手する
日本公証人連合会ホームページからダウンロードするか、公証役場に備え付けの印刷物を使います。株式会社用と一般社団・一般財団用は別様式です。2023年6月1日からは新様式(大量破壊兵器関連計画等関係者を申告対象に追加)を用いる必要があるため、古いひな形の使い回しは避けます。
- 3
該当事由と本人特定事項を記入する
該当する事由(①〜④)にチェックを入れ、住居・氏名(フリガナ)・生年月日・国籍等・性別を記入します。①②に該当する場合は議決権割合も記入します。①の場合は該当者1名、②〜④の場合は該当者全員を記載します。記載欄に収まらない場合の書き方は、認証を受ける公証役場に確認しましょう。
- 4
暴力団員等該当性欄を記入する(または表明保証書を添付する)
実質的支配者となるべき者が暴力団員・国際テロリスト・大量破壊兵器関連計画等関係者のいずれにも該当しない場合は「非該当」を○で囲みます。この欄の記入に代えて、実質的支配者本人が作成した表明保証書を添付する方法も認められています(2021年7月から)。
- 5
定款案とともに公証役場へ提出する
記入した申告書は、メール・ファックス・郵送・持参などの方法で、定款認証を受ける公証役場に提出します。定款案の事前チェックと併せて公証人の確認を受け、問題がなければ定款認証に進みます。申告がない場合、公証人は定款を認証できません。
主な必要書類
- 実質的支配者となるべき者の本人特定事項が分かる資料(自然人は運転免許証・旅券・マイナンバーカード・在留カード等の写しなど。法人の場合は全部事項証明書・印鑑証明書の原本または写し)
- 実質的支配者該当性の根拠資料(定款以外の資料で該当性を判断した場合、その原本または写しを添付します)
- 表明保証書(暴力団員等該当性欄の記入に代える場合のみ。実質的支配者本人の署名が必要です(押印は不要))
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
申告書の提出自体についての手数料は、日本公証人連合会の案内には記載されていません。定款認証そのものには手数料がかかります(令和7年10月1日改正後の手数料表では、株式会社は資本金の額等に応じて1万5,000円・3万円・4万円・5万円の4区分、一般社団・一般財団法人は5万円)。紙の定款の場合、株式会社は別途収入印紙4万円が必要です(電子定款は不要)。
提出先・提出方法
定款認証を受ける公証役場の認証担当公証人です。公証人が職務を行える区域は所属する法務局・地方法務局の管轄区域と定められており、管轄区域外の公証役場では定款認証を受けられないため、本店(主たる事務所)所在地の公証役場で認証を受けます。設立登記の書類とは異なり、法務局に提出するものではありません。
つまずきやすいポイント
- 提出先は法務局ではなく公証役場(定款認証を担当する公証人)です。設立登記の書類とまとめて準備していると、出し先を取り違えやすいので注意します。
- 該当者の判定は犯罪収益移転防止法施行規則の定義に沿って行います。間接保有がある場合や株主が複数いる場合の当てはめは複雑になりやすいため、定款案の点検と併せて公証役場に相談すると確実です。
- ②〜④の事由に該当する場合は該当者全員の記載が必要です(①の場合は1名)。代表者1名だけ書いて済ませると記載漏れになることがあります。
- 様式は2023年6月1日施行の改訂版を使う必要があります。古い書式では、その後追加された申告事項(大量破壊兵器関連計画等関係者)に対応できません。
- 申告書の提出がないと公証人は定款を認証できません。定款案の点検を依頼するタイミングで一緒に送っておくと、認証当日に慌てずに済みます。
よくある質問
実質的支配者とは、具体的に誰のことですか?
法人の事業経営を実質的に支配することが可能な関係にある個人のことです。株式会社では、株式(議決権)の50%を超えて保有する個人→25%を超えて保有する個人→事業活動に支配的な影響力を持つ個人→代表取締役、の順で判定します(日本公証人連合会の説明)。
申告書に押印は必要ですか?
電子定款に関する実質的支配者の申告書は、押印も電子署名も不要とされています。ただし、表明保証書を提出する場合は、実質的支配者本人の署名が必要です(押印は不要)。紙の定款の場合の取扱いは、認証を受ける公証役場にご確認ください。
実質的支配者が暴力団員等に該当する場合はどうなりますか?
該当する、または該当するおそれがあると認められる場合には、嘱託人や実質的支配者となるべき者が公証人に必要な説明を行うことになります。説明があっても、法人の設立行為に違法性があると認められる場合には、公証人は定款を認証できません。
一般社団法人・一般財団法人の設立でも必要ですか?
必要です。制度の対象は株式会社・一般社団法人・一般財団法人で、一般社団・一般財団用の専用様式が用意されています。この場合の実質的支配者は、事業活動に支配的な影響力を持つ人、いなければ代表理事が該当します。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-30)。
- 日本公証人連合会「9-4 定款認証」(実質的支配者となるべき者の申告制度Q&A・申告書ダウンロード)↗
- 日本公証人連合会「定款認証に係る実質的支配者申告書の様式の変更について」(2023年5月29日)↗
- 日本公証人連合会「定款認証に必要な『実質的支配者となるべき者の申告書』の記載方法等の変更について」(2021年7月26日)↗
- 日本公証人連合会「嘱託人作成文書(一部)について押印廃止」↗
- 日本公証人連合会「公証人手数料令の改正について」(2025年9月5日・令和7年10月1日施行の手数料表)↗
- 日本公証人連合会「公証人手数料令の一部を改正する政令の公布について」(2024年11月22日)↗
- 日本公証人連合会「公証人手数料」(令和7年10月1日から)↗
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。