LEGAL AFFAIRS BUREAU
合同会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
合同会社が本店を移したときに、法務局(登記所)へ提出する登記の申請書です。移転先が同じ登記所の管轄区域内か、他の登記所の管轄区域内かによって、申請書の通数・書き方・登録免許税が変わります。法務局は「商業・法人登記の申請書様式」のページで、管轄内移転(様式3-5)と管轄外移転(様式3-6)の2種類の様式と記載例を公開しています。
誰が・どんなときに必要?
申請人は本店を移転した合同会社で、代表社員が記名し、登記所に提出している印鑑を押します。同じ登記所の管轄区域内での移転は、2週間以内に、本店の所在地において変更の登記をします(会社法915条1項)。他の登記所の管轄区域内へ移した場合は、2週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては会社法914条各号の事項を登記します(同法916条4号)。2週間は実際に移転した日の翌日から起算します(民法140条)。
手続きの流れ
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定款を確認し、決定の方法を選ぶ
本店の所在地は持分会社の定款の絶対的記載事項です(会社法576条1項3号)。定款に記載した最小行政区画を超えて移すときは定款変更が必要で、別段の定めがある場合を除き総社員の同意によります(同法637条)。最小行政区画内で移すときは定款変更は不要で、業務執行社員の過半数の一致によります。過半数の根拠は、業務執行社員を定款で定めていて二人以上あるときは同法591条1項、定めていないときは社員の過半数(同法590条1項・2項)です。業務執行社員が一人のときはその社員が決めます。
- 2
決定を証する書面を作り、申請書の通数を決める
決定の内容は書面にまとめます(商業登記法93条、同法118条により合同会社に準用)。定款変更を要するときは総社員の同意書と、移転先・移転時期を決めた業務執行社員の過半数の一致を証する書面(決定書)の両方が必要で、記載例も両方を添付書類に掲げています。定款変更が不要なら決定書だけで足ります。移転先が同じ登記所の管轄区域内なら申請書は1通(様式3-5)、他の登記所の管轄区域に移るなら旧所在地宛て(①)と新所在地宛て(②)の2通(様式3-6)です。管轄が変わるかの判断と、定款変更が要るかの判断は別の問題です。
- 3
「本店」欄とあて先を書き分ける
申請書冒頭の「1.本店」欄は、管轄内移転と管轄外移転の①(変更前の本店所在地を管轄する登記所宛て)では変更前の本店を、管轄外移転の②(変更後の本店所在地を管轄する登記所宛て)では変更後の本店を記載します。あて先の登記所名も、①は変更前、②は変更後の本店を管轄する登記所名です(提出先は①②とも変更前の本店所在地の登記所)。申請人として書く会社の住所は、①②いずれも移転後の本店です。
- 4
登記の事由と登記すべき事項を書く
登記の事由はいずれも「本店移転」です。管轄内移転では「本店」に移転後の所在場所を、「原因年月日」に「令和○年○月○日移転」と書きます。管轄外移転では、①の「登記記録に関する事項」に「令和○年○月○日〔新本店の所在場所〕に本店移転」、②には「令和○年○月○日〔旧本店の所在場所〕から本店移転」と書きます(①と②で記載する所在場所が入れ替わる点に注意してください)。日付は同意書・決定書に記載した移転の時期(実際に移転した日)で、本店移転の日より前に登記の申請をすることはできません。
- 5
登録免許税を納付し、押印と契印をする
登録免許税は収入印紙または領収証書で納付し、収入印紙貼付台紙に貼ります。申請書には代表社員が登記所に提出している印鑑を押しますが、代理人に委任した場合は代理人の認印で足り、代表社員の押印は不要です。申請書が台紙を含めて2枚以上になるときは各用紙のつづり目に契印をします(商業登記規則35条3項)。契印には、申請書に押したものと同一の印鑑(代表社員が登記所に提出した印鑑、または代理人の印鑑)を使います。
- 6
期限内に提出する
管轄内移転は、本店の所在地を管轄する登記所へ2週間以内に申請します(会社法915条1項)。管轄外移転は2週間以内に、①と②を同時に、変更前の本店所在地を管轄する登記所へ提出します(会社法916条、商業登記法51条1項・2項)。その後、旧所在地を管轄する登記所から新所在地を管轄する登記所へ申請書と添付書面が送付されます(商業登記法52条2項)。
主な必要書類
- 総社員の同意書(定款変更をする場合に必要です(1通)。定款に最小行政区画までを定め、その中で移転するときは不要です。)
- 業務執行社員の過半数の一致があったことを証する書面(決定書)(移転先と移転の時期を決定したことを証する書面です(1通)。法務局の記載例に文例があります。)
- 定款(定款変更を要する場合に、総社員の同意書に代えて業務執行社員の過半数の一致を証する書面を添付するとき、定款に別段の定めがあることを示すために必要です(1通)。)
- 委任状(代理人に登記申請を委任した場合のみ必要です(1通)。管轄外移転では①②それぞれに用意し、①②と同時に旧本店所在地の登記所へ提出します。)
- 収入印紙貼付台紙(登録免許税分の収入印紙または領収証書を貼る台紙です。申請書と合わせて契印をします。)
- (管轄外移転)新本店所在地宛て申請書の添付書面(代理人の権限を証する書面(委任状)を除き、他の書面の添付を要しません(商業登記法51条3項、同法118条により合同会社に準用)。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税法 別表第一 第24号(一)ヲ「本店若しくは主たる事務所又は支店若しくは従たる事務所の移転の登記」は、1箇所につき3万円と定められています。管轄内移転は3万円で、法務局の記載例にも「金3万円」「1件につき3万円です。」と示されています。管轄外移転は、旧所在地宛て(①)と新所在地宛て(②)の申請書それぞれに3万円が必要で、合計6万円になります。本店移転と同時に他の区分に当たる登記も申請するときは、区分ごとの額を合算します。たとえば業務を執行する社員・代表社員に関する事項の変更は同号(一)カで1件につき3万円(資本金の額が1億円以下の会社は1万円)です。これは国の登記手続なので、都道府県・市町村の条例で定める手数料は関係しません。
提出先・提出方法
管轄内移転は、本店の所在地を管轄する法務局(登記所)へ提出します。管轄外移転では、新所在地における登記の申請は旧所在地を管轄する登記所を経由してしなければならず、旧所在地における登記の申請と同時にしなければなりません(商業登記法51条1項・2項、同法118条により合同会社に準用)。つまり①②の2通とも変更前の本店所在地を管轄する登記所へ同時に提出し、そこから新所在地の登記所へ送付されます(同法52条2項)。オンラインで申請する場合、新本店の管轄登記所宛ての申請書情報では、申請先登記所欄に旧本店の管轄登記所を設定し、経由の有無欄で「有」を選択の上、管轄登記所欄に新本店の管轄登記所を入力します。ただし、法務局がこの設定方法を公開しているのは「株式会社の本店移転の登記をしたい方(オンライン申請)」のページで、合同会社の本店移転についての専用ページは公開されていません(合同会社向けのオンライン申請案内は設立登記のページのみで、代表社員ご本人のマイナンバーカードを使用する旨が案内されています)。実際の操作は申請用総合ソフトの操作手引書と提出先の登記所で確認してください。
つまずきやすいポイント
- 「定款変更が要るか」と「管轄が変わるか」は別の判断です。定款に最小行政区画までしか定めていなければ、同じ市区町村内の移転に定款変更は不要です。逆に、同じ登記所の管轄内であっても定款記載の最小行政区画を超えれば定款変更が必要で、定款に別段の定めがある場合を除き総社員の同意が要ります(会社法637条)。
- 管轄外移転の2通は「同時に」「旧所在地の登記所へ」出します。経由すべき登記所を経由しないこと、同時にすべき他の登記の申請を同時にしないことは、いずれも却下事由です(商業登記法24条10号・11号)。旧所在地の登記所は、いずれかに却下事由があるときは両方の申請を共に却下しなければならず、新所在地で却下されたときは旧所在地の申請も却下されたものとみなされます(同法52条1項・5項)。
- 登録免許税を納付しないことも却下事由です(商業登記法24条15号)。管轄外移転を3万円と誤って理解し、①だけに収入印紙を貼って出すと不足します。①②それぞれに3万円分(合計6万円)が必要です。管轄内移転は3万円です。なお同条本文ただし書により、補正することができる不備を登記官が定めた相当の期間内に補正したときは却下されません。
- 2週間の登記期限を過ぎたことは、商業登記法24条が列挙する却下事由には挙げられていません。もっとも、登記をすることを怠ったときは、持分会社の業務を執行する社員などが裁判所から100万円以下の過料に処せられることがあります(会社法976条1号)。期間は移転日の翌日から起算します(民法140条)。
- 管轄外に本店を移しても、印鑑届書を新所在地の登記所へ改めて提出する必要はありません。旧所在地を管轄する登記所は、申請を却下する場合を除き、申請人に関する印鑑記録を新所在地を管轄する登記所へ移送しなければならず、移送を受けた新所在地の登記所では、その印鑑の提出があったものとみなされます(商業登記規則9条12項・13項)。
よくある質問
管轄外に本店を移すと、登録免許税はいくらになりますか。
登録免許税法 別表第一 第24号(一)ヲは本店の移転の登記を1箇所につき3万円と定めています。法務局の管轄外移転の記載例では、旧所在地宛ての申請書と新所在地宛ての申請書のそれぞれに「金3万円」と記載されているため、合計6万円になります。管轄内移転であれば3万円です。同時に他の区分の登記も申請するときは、区分ごとの額を合算します。
新所在地宛ての申請書にも、定款や同意書を付ける必要がありますか。
必要ありません。商業登記法51条3項は、新所在地における登記の申請書には代理人の権限を証する書面(同法18条の書面)を除き、他の書面の添付を要しないと定めており、同法118条によりこの規定は合同会社の登記に準用されます。法務局の記載例でも、新所在地宛ての申請書の添付書類は「委任状 1通」(代理人に委任した場合のみ)だけです。
本店を移すときは必ず定款変更が必要ですか。
必ずしも必要ではありません。定款に本店の所在地として最小行政区画までを規定している場合で、その最小行政区画内において本店を移転するときは、定款変更は不要で、業務執行社員の過半数の一致により移転することになります(法務局の記載例の注記)。最小行政区画を超えて移す場合は定款変更が必要で、定款に別段の定めがある場合を除き総社員の同意によります(会社法637条)。
新所在地の登記簿には、どのような事項が載りますか。
新所在地における登記においては、会社成立の年月日並びに本店を移転した旨及びその年月日をも登記しなければならないとされています(商業登記法53条、同法118条により合同会社に準用)。そのほか、新所在地では会社法914条各号に掲げる事項(目的、商号、本店及び支店の所在場所、資本金の額、業務を執行する社員の氏名または名称、代表社員の氏名または名称及び住所など)が登記されます(同法916条4号)。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。