LEGAL AFFAIRS BUREAU
印鑑(改印)届書
印鑑(改印)届書は、会社・法人の代表者などが登記所に提出する印鑑(いわゆる法人実印)を届け出るための書式です。初めて提出するときも、すでに提出した印鑑を別の印鑑に変えるとき(改印)も、同じ様式を使います。法務局は、株式会社・特例有限会社・持分会社のほか、一般社団法人、一般財団法人、NPO法人、事業協同組合、医療法人、有限責任事業組合など、法人の種類ごとの記載例を公開しています。
誰が・どんなときに必要?
代表者が交代したとき、商号や名称を変えて印影の社名が合わなくなったとき、印鑑を作り替えたときなどに、印鑑を提出する本人が届け出ます。書面(紙)で登記を申請する場合は、申請書や委任状に登記所へ提出済みの印鑑を押すことになるため、あらかじめ提出しておく必要があります。法務省は、令和3年2月15日から、オンラインで登記を申請する場合は印鑑の提出が任意になった一方、書面申請の場合は従来どおり書面による印鑑の提出が必要だと案内しています。
手続きの流れ
- 1
届け出る印鑑を用意する
登記所に提出する印鑑は、辺の長さが1cmを超え3cm以内の正方形に収まる大きさで、かつ照合に適するものでなければなりません(商業登記規則9条3項・4項)。法務省は、様式には必ず物体による印章を用いて押印することとし、物体による印章ではない電子印鑑・電子ハンコは届け出ることができない、と案内しています。
- 2
届書の太枠に記入し、届出印を押す
太枠の中に、商号・名称、本店・主たる事務所、資格、氏名、生年月日を書き、届け出る印鑑を鮮明に押します。会社法人等番号は分かっている場合に記載します(新設の登記と同時のときは記載不要と記載例に注記)。番号を書くと、代表者の資格を証する書面の添付が不要になる場合があります(商業登記規則9条5項ただし書)。資格欄は「代表取締役・取締役・代表理事・理事」から選び、合同会社の代表社員などは括弧内に書きます。様式は拡大・縮小せずにA4で印刷します。
- 3
印鑑カードを引き継ぐかどうかを決める
前任者が資格を失ったり印鑑を廃止したりした場合、替わって印鑑を提出する人は、提出と同時に申し出ることで前任者の印鑑カードを引き継げます(商業登記規則9条の4第3項)。引き継ぐときは該当する□にレ印をつけ、カード番号と前任者の氏名を書きます。カードをまだ持っていない場合は、別途「印鑑カード交付申請書」で交付を受けます。なお、同じ人が印鑑だけを変える改印では前任者がいないため、引継ぎの申出をする場面ではありません。
- 4
届出人欄に記入し、個人の実印を押す
本人が届け出るときは、届出人欄に本人の住所・氏名を書き、市区町村に登録済みの印鑑(個人の実印)を押します。代理人によって届け出ることもでき(商業登記規則9条の6)、その場合は代理人の住所・氏名を書き(押印は不要)、届書下部の委任状に本人が記入して市区町村登録済みの印鑑を押します。なお、登記の申請手続について報酬を得て代理することを業として行えるのは、司法書士及び弁護士に限られます(司法書士法3条1項1号・73条1項)。
- 5
印鑑証明書を添えて管轄の登記所に提出する
届書には、届出人本人の印鑑証明書で作成後3か月以内のものを添付します(商業登記規則9条5項1号)。登記の申請と同時に印鑑を届け出る場合に限り、登記申請書に添付した印鑑証明書を援用でき、その場合は届書の□にレ印をつけます。提出先は、その会社・法人が登記されている登記所です。
主な必要書類
- 印鑑(改印)届書(法務局の様式)(A4で拡大・縮小せずに印刷し、コピーは使わない)
- 届出人本人の印鑑証明書(市区町村長作成・作成後3か月以内)(登記の申請と同時に届け出る場合に限り援用可)
- 委任状(代理人が届け出る場合。届書下部の欄を使う)
- 保証書(持分会社等で職務執行者が当該法人の代表者以外の場合。法務局に様式あり)
- 代表者の資格を証する書面(登記所作成・作成後3か月以内)(代表者が法人の場合など。会社法人等番号の記載等で不要となることがあります)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
印鑑(改印)の届出そのものについて手数料を定めた規定は、登記手数料令には見当たりません。届け出た後に会社・法人の印鑑証明書の交付を受けるときは、書面請求で1件500円、オンラインで請求する場合は1件420円(送付を求めるときは450円)の手数料がかかります(登記手数料令10条1項・2項)。送付を書留などの特殊取扱で求めるときは、その取扱いに要する料金が加算されます(同条3項が準用する同令3条7項)。印鑑カードの交付についても手数料の定めは見当たりませんが、送付を求めるときは送付に要する費用の納付が必要です(商業登記規則9条の4第4項)。
提出先・提出方法
その会社・法人が登記されている登記所です。法務局は「印鑑に関する届出は、会社・法人が登記されている登記所に提出してください。」と案内しています。会社については営業所(本店)の所在地を管轄する法務局・地方法務局又はその支局・出張所が登記の事務をつかさどり(商業登記法1条の3)、会社以外の法人にも同条が準用されて主たる事務所の所在地が基準になります(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律330条、組合等登記令25条など)。なお、オンラインで届け出られるのは、オンラインによる登記の申請と同時に行う場合に限られます。
つまずきやすいポイント
- 改印だけの場合でも、届出人本人の印鑑証明書(作成後3か月以内)の添付が求められています。登記申請書に添付した印鑑証明書を援用できるのは、登記の申請と同時に印鑑を届け出た場合に限る、と様式に注記されています。
- 届出人本人の住所・氏名が登記簿上の代表者と一致しないときは、代表者の住所又は氏名の変更の登記が必要と様式に注記されています。会社の場合、登記を怠ると取締役などが100万円以下の過料に処されることがあります(会社法976条柱書・1号。ただし、その行為について刑を科すべきときを除きます)。会社以外の法人は、根拠となる法律も過料の額も法人の種類ごとに異なるため、それぞれの根拠法を確認してください。
- 印鑑カードの引継ぎは、印鑑の提出と同時に申し出ることが条文上の要件とされています(商業登記規則9条の4第3項)。後から引き継ぎたいと申し出ても、そのままでは認められないことがあります。
- 様式は拡大・縮小せずに印刷し、印刷したものを再度コピーして使わないよう案内されています。届け出る印鑑は照合に適するものでなければなりません(商業登記規則9条4項)。届出後の登記申請書等に押した印鑑が登記所の印鑑と照合するのに適さないときは、登記官から改印その他相当の措置を求められることがあります(同規則9条の3)。
- 印鑑の廃止は改印とは別の届出で、様式も別に用意されています(商業登記規則9条7項)。廃止の届出をするときは印鑑カードを返納することとされていますが、後任者がカードを引き継ぐ場合は返納を要しないとされています(同規則9条の5第5項)。
よくある質問
代表者が変わっていなくても、印鑑だけを変えられますか。
この様式は「印鑑(改印)届書」という名称のとおり、初めての提出にも改印にも使えます。すでに提出した印鑑を別の印鑑に変えるときも、この届書に新しい印鑑を押して提出します。改印の届出があったときは、登記官が印鑑記録にその旨を記録することとされています(商業登記規則9条の2)。この場合も、届出人本人の印鑑証明書で作成後3か月以内のものを添付することが求められています。
オンラインで改印の届出だけを済ませられますか。
法務省は、印鑑の提出又は廃止の届出のみを単独でオンラインにより行うことはできない、と案内しています。オンラインでできるのは、オンラインによる登記の申請と同時に行う場合に限られます。また、書面申請(QRコード付き書面申請を含む)の場合や、代理人による申請で委任状を書面により持参・送付する場合は、従来どおり書面(紙)による印鑑の提出が必要とされています。
電子印鑑を届け出ることはできますか。
法務省は、様式には必ず物体による印章を用いて押印することとし、物体による印章ではない「電子印鑑」や「電子ハンコ」は届け出ることができない、と案内しています。オンラインで届け出る場合も、紙の様式に実際の印章を押したものを原寸大でスキャンし(解像度の目安は600dpi程度)、PDFにして送信する手順が示されています。なお、解像度が低く不鮮明な印影等と登記官が判断したときは、原本を提出してもらうことがあると案内されています。
株式会社以外の法人でも同じ書式ですか。
法務局は、この「印鑑(改印)届書」の記載例を、株式会社・特例有限会社・持分会社のほか、NPO法人、一般社団法人、一般財団法人、事業協同組合、社会福祉法人、医療法人、学校法人、管理組合法人、有限責任事業組合、投資事業有限責任組合、商号使用者、会社支配人について公開しています。資格欄には、合同会社なら「代表社員」、有限責任事業組合なら「組合員」のように括弧内に書く例が示されています。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-08-05)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社清算結了登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。