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供託書(裁判上の保証供託:仮差押・仮処分・執行停止)
裁判所から、仮差押え・仮処分の発令や強制執行の停止に際して担保を立てるよう命じられたときに、その担保を供託所に納めるための書類が供託書です。裁判上の保証供託では、金銭で供託するときは第二号様式、有価証券や振替国債で供託するときは第五号様式を使います(供託規則13条)。用紙はOCR用の専用用紙で、最寄りの供託所に備え付けられています。金銭又は振替国債の供託は、法務大臣が定める条件に適合すれば、登記・供託オンライン申請システムで申請することもできます(供託規則38条1項1号)。
誰が・どんなときに必要?
供託するのは、裁判所から担保を立てることを命じられた当事者です。法務省の記載例では、仮差押え・仮処分は債権者が供託者・債務者が被供託者、強制執行停止は申請人が供託者・被申請人が被供託者となっています。時期は裁判所が定めた期間内です。民事保全法14条1項は、保全命令は「担保を立てさせて、若しくは相当と認める一定の期間内に担保を立てることを保全執行の実施の条件として、又は担保を立てさせないで発することができる」と定めています。担保の額は裁判所が事案ごとに決めるため、一般的な相場はありません。
手続きの流れ
- 1
担保額と供託すべき供託所を決定で確認する
供託先は根拠となる法律で決まります。仮差押え・仮処分は民事保全法4条1項により、担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所です。この担保に限り、遅滞なく供託することが困難な事由があるときは、裁判所の許可を得て別の供託所に供託できます(同法14条2項)。民事訴訟法403条による強制執行の停止の担保は、同法405条1項により、命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内の供託所です。
- 2
供託所で専用のOCR用紙を受け取る
供託書は専用用紙です。法務局の案内は「申請書には,専用の用紙を使用する必要があります。申請書用紙は,最寄りの供託所に備えてあります。」としています。金銭は第二号様式、有価証券・振替国債は第五号様式です。記載前に、法務省「供託書等の記載例」の裁判上の保証供託の記載例5件(強制執行停止・仮差押え・仮処分のほか、供託者又は被供託者につき秘匿決定があった場合)から、ご自身の事案に対応するものを確認しておくと迷いにくくなります。
- 3
太枠の中を黒か青のボールペンで記載する
注意事項は「供託者は、供託書の太枠で囲まれた部分について記載してください。」「黒色又は青色のボールペンを使用してください。鉛筆で記載すると受理されません。」としています。数量はアラビア数字を用います(供託規則6条2項。縦書きをするときは「壱、弐、参、拾」の文字を用います)。法務省の注意事項は年月日等もアラビア数字で書くよう案内しています。欄に書ききれないときは、備考欄に書くか、供託所から継続用紙の交付を受けて記載します。
- 4
法令条項・事件の表示・供託の原因たる事実を書く
記載例では、法令条項欄は仮差押え・仮処分が「民事保全法第14条第1項」、強制執行停止が「民事訴訟法第403条第1項第3号」となっています。裁判所名と事件番号・件名(例:令和2年(ヨ)第10号 不動産仮差押命令申立事件)を書き、当事者欄で債権者・債務者などに〇を付け、「供託の原因たる事実」欄で仮差押の保証・仮処分の保証・強制執行停止の保証のいずれかに〇を付けます。
- 5
供託所に提出し、供託金を納入する
供託書と提示・添付の書類を供託所に出します。供託金の受入れを取り扱う供託所では、供託書とともに供託金を提出します(供託規則20条1項)。それ以外の場合は、供託官から供託書正本と保管金払込書の交付を受け、記載された納入期日までに日本銀行へ納入します。期日までに納入しないと受理の決定は効力を失います(同18条2項)。供託後に裁判所へ出す書類の有無は、担保を命じた裁判所にご確認ください。
主な必要書類
- 供託書(金銭は第二号様式、有価証券・振替国債は第五号様式)(OCR用の専用用紙。最寄りの供託所に備え付けられています。)
- 代表者の資格を証する登記事項証明書(登記された法人の場合に供託官へ提示(供託規則14条1項前段)。登記官の確認を受けた供託書の提出で提示に代えることもできます(同項後段)。提示する場合は作成後3か月以内のもの(同規則9条)。)
- 関係官庁の作成した代表者の資格を証する書面(登記された法人以外の法人の場合に供託書へ添付。官公署作成の資格証明書は作成後3か月以内のもの(供託規則9条)。)
- 定款又は寄附行為及び代表者・管理人の資格を証する書面(法人でない社団・財団で代表者等の定めがある場合に添付。官公署作成の資格を証する書面は作成後3か月以内のもの。)
- 代理人の権限を証する書面(委任状、戸籍謄本など)(代理人によって供託するときに供託官へ提示(供託規則14条4項)。官公署作成の書面は作成後3か月以内のもの。)
- 継続用紙(第八号〜第十二号様式)(該当欄に書ききれないときに供託所で交付を受けます。)
- 連絡先電話番号の記載(任意)(法務省が任意での提供を案内しています。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
供託の申請そのものについては、法令上の手数料の定めは見当たらず、法務局の案内でも「手数料は不要です。」とされています。担保として供託する金銭(担保額)は裁判所が事案ごとに定めるもので、手数料とは別です。供託書には登録免許税を納める欄もありません。
提出先・提出方法
供託所(法務局・地方法務局・これらの支局又は法務大臣の指定する一部の出張所)に提出します。どの供託所に出すかは根拠法で決まり、仮差押え・仮処分は民事保全法4条1項(担保を立てるべきことを命じた裁判所又は保全執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内)、民事訴訟法403条による強制執行の停止は民事訴訟法405条1項(担保を立てるべきことを命じた裁判所又は執行裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内)が基準です。受付時間や取扱いは供託所ごとに異なるため、提出先となる供託所にお問い合わせください。
つまずきやすいポイント
- 供託金額と有価証券の枚数・総額面は訂正できません(供託規則6条6項)。記載例にも「供託金額の冒頭に¥記号を記入してください。なお、供託金額の訂正はできません。」と注記されています。書き損じたときは新しい用紙に書き直すことになります。
- 被供託者の住所氏名は「住民票又は登記簿に記載されたとおり正確に記載してください(そうしないと、供託が無効となることがあります。)」とされています。法人のときは主たる事務所(本店)の所在地と名称(商号)を書き、代表者の記載は不要です。
- 供託すべき供託所の基準は根拠法ごとに違います。仮差押え・仮処分は民事保全法4条1項(命じた裁判所又は保全執行裁判所の基準)、強制執行の停止は民事訴訟法405条1項(命じた裁判所又は執行裁判所の基準)です。裁判所の許可を得て別の供託所に供託できる規定(民事保全法14条2項)は保全命令の担保についてのものであり、強制執行停止の担保には適用されません。
- 供託書正本と保管金払込書の交付を受けた場合、納入期日までに供託物を納入しないと「受理の決定は効力を失う」とされています(供託規則18条2項)。用紙はOCR用のため折り曲げないでください。
- 供託の手続は代理人に委任することもできますが、供託に関する手続について報酬を得て代理することを業として行えるのは、司法書士及び弁護士に限られます(司法書士法3条1項1号・73条1項)。同項には「他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」とのただし書があります。ご本人が供託する場合には、この制限はかかりません。
よくある質問
手数料はいくらかかりますか。
供託の申請について、登記手数料令のような法令上の手数料の定めは置かれておらず、法務局の「供託書等の記載例」でも「手数料は不要です。」と案内されています。これは手続にかかる手数料の話で、担保として供託する金銭そのものは別に納める必要があります。供託書には登録免許税を納める欄もありません。担保の額は裁判所が事案ごとに定めるため、一般的な相場はありません。
金銭以外で担保を立てられますか。
民事保全法4条1項は、金銭又は担保を立てるべきことを命じた裁判所が相当と認める有価証券(振替債を含む)を供託する方法その他最高裁判所規則で定める方法によることとし、当事者が特別の契約をしたときはその契約によるとしています。強制執行の停止の担保も、民事訴訟法405条2項が準用する同法76条により同様です。有価証券や振替国債で供託するときの用紙は第五号様式です。どの方法によるかは、担保を命じた裁判所にご確認ください。
供託した担保はいつ返ってくるのですか。
民事保全法4条2項は民事訴訟法79条(担保の取消し)を準用しています(強制執行停止の担保では同法405条2項が準用します)。同条は、担保を立てた者が担保の事由が消滅したことを証明したとき、又は担保の取消しについて担保権利者の同意を得たことを証明したときは、裁判所は申立てにより担保の取消しの決定をしなければならない、と定めています。訴訟の完結後に裁判所書記官が権利行使を催告する手続もあります。実際の払渡しは供託所への払渡請求(供託規則22条)で行うため、手順は裁判所と供託所にご確認ください。
書き間違えたときはどうすればよいですか。
供託金額と有価証券の枚数・総額面は訂正できません。これ以外について訂正する場合は「その文字を二線を引いて消し、その近接箇所に正しい文字を書き、その字数を所定欄に、例えば「1字加入2字削除」のように記載しなければなりません。」とされ、「訂正又は削除をした文字は、なお読むことができるようにしておかなければなりません。」とされています。訂正できない欄を書き損じたときは、新しい用紙に書き直します。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-08-05)。
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。