LEGAL AFFAIRS BUREAU
一般社団法人/一般財団法人 主たる事務所移転登記申請書(管轄内/管轄外)
一般社団法人・一般財団法人が主たる事務所を移したときに、法務局(登記所)へ提出する登記申請書です。同じ登記所の管轄区域内で移る「管轄登記所内移転」と、別の登記所の管轄区域へ移る「管轄登記所外移転」とで、様式・登記すべき事項の書き方・登録免許税の合計額・提出の仕方が変わります。法務局は一般社団法人用(管轄内5-6・管轄外5-7)と一般財団法人用(5-14・5-15)の申請書様式・記載例を公開しています。登記の期間は、いずれも二週間以内と定められています(一般社団法人及び一般財団法人に関する法律303条・304条)。
誰が・どんなときに必要?
申請人は法人自身で、代表理事が法人を代表して申請します。代理人に委任する場合は委任状を添付します。報酬を得て登記申請の代理を業として行えるのは、司法書士(司法書士法3条1項1号・73条1項)と弁護士に限られます。期限は、一般法人法303条(管轄内移転)・304条(管轄外移転)により、いずれも二週間以内です。同法342条1号は登記を怠った理事・監事・評議員等を100万円以下の過料に処すると定め、法務局も、期間経過後の申請がそのことだけをもって却下されることはないが、代表者に裁判所から過料に処される可能性がある、と案内しています。
手続きの流れ
- 1
管轄内移転か管轄外移転かを確認し、使う様式を選ぶ
移転前と移転後の所在場所が同じ登記所の管轄区域内かどうかを確認します。管轄区域は法務局サイトの「管轄のご案内」で調べられます。法務局の「商業・法人登記の申請書様式」の「第5 一般社団法人・一般財団法人」には、管轄登記所内移転が一般社団法人5-6・一般財団法人5-14、管轄登記所外移転が5-7・5-15として様式と記載例が掲載されています。管轄外の場合は、旧所在地を管轄する登記所宛てと、新所在地を管轄する登記所宛ての2通の申請書を作ることになります。
- 2
定款を確認し、必要な決議を行う
記載例は定款に主たる事務所の所在地として最小行政区画までを定めており、その区画内で移転するときは、社員総会(一般財団法人は評議員会)の決議は必要なく、理事会の決議により移転するので理事会議事録のみを添付する、と注記しています。当てはまらない場合は定款変更が必要で、一般社団法人は社員総会の決議(146条・総社員の半数以上かつ議決権の3分の2以上/49条2項)、一般財団法人は評議員会の決議(200条1項本文・議決に加わることができる評議員の3分の2以上/189条2項)によります。
- 3
申請書に「登記すべき事項」を書く
管轄内移転の記載例では、「主たる事務所」に移転後の所在場所を、「原因年月日」に「令和○年○月○日移転」と書きます。管轄外移転は「登記記録に関する事項」の欄を使い、旧所在地を管轄する登記所宛ての申請書には移転後の住所を「○○に主たる事務所移転」と、新所在地を管轄する登記所宛ての申請書には移転前の住所を「○○から主たる事務所移転」と書きます。宛先の登記所と書き入れる住所が入れ替わる形になるのでご注意ください。日付は議事録に記載された移転の時期(実際に移転した日)です。
- 4
登録免許税を納付する
登録免許税法別表第一第24号(一)ヲにより、主たる事務所の移転の登記は「一箇所につき三万円」です。記載例では、管轄内移転が金3万円、管轄外移転は旧所在地宛て・新所在地宛てのそれぞれに「1件につき3万円です。」と示されており、合計は6万円になります。納付は収入印紙又は領収証書で行い、収入印紙は貼付台紙に、割印をしないで右側に寄せて貼るよう案内されています。
- 5
押印・契印して登記所へ提出する
申請人本人が申請する場合は申請書に、代理人による場合は委任状に、申請人が登記所に提出した印鑑を押します(代理人申請では申請書に代理人自身の印鑑を押します)。申請書が収入印紙貼付台紙を含めて複数ページになる場合は、各ページのつづり目に同じ印鑑で契印します。管轄内移転は主たる事務所の所在地を管轄する登記所へ、管轄外移転は2通を同時に、変更前の主たる事務所所在地の登記所へ提出します。なお管轄外の新所在地宛て申請書の印鑑は記載例でも注記が分かれるため、提出先の登記所にご確認ください。
主な必要書類
- 社員総会議事録(一般社団法人)(定款変更の決議をした場合。管轄登記所外への移転は最小行政区画が変わるため定款変更が必要で、記載例①でも1通とされています。)
- 評議員会議事録(一般財団法人)(定款変更の決議をした場合。管轄登記所外への移転は最小行政区画が変わるため定款変更が必要で、記載例①でも1通とされています。)
- 理事会議事録(移転先と移転の時期を決議したもの。記載例では1通。)
- 理事の過半数の一致があったことを証する書面(理事会を置かない一般社団法人の場合(一般法人法317条1項)。)
- 委任状(代理人に申請を委任した場合にのみ必要です。)
- 収入印紙貼付台紙(収入印紙で納付する場合に申請書に添えます。)
- (管轄外)新所在地の登記所宛て申請書の添付書類(記載例では委任状のみで、それ以外は不要とされています。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税は、管轄登記所内移転が3万円です。管轄登記所外移転は、旧所在地宛て・新所在地宛ての申請それぞれに3万円で、合計6万円になります(登録免許税法別表第一第24号(一)ヲ「一箇所につき三万円」、および法務局の記載例)。納付は収入印紙又は領収証書によります。なお、公益社団法人・公益財団法人は、同号の冒頭の括弧書きで同号の「一般社団法人」「一般財団法人」から除かれており、別表第一に他に該当する区分もないため、登録免許税は課されません(同法2条は「登録免許税は、別表第一に掲げる登記…について課する」と定めています)。ただし公益法人は、主たる事務所の所在場所を変更するとき、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律11条1項1号により行政庁の変更の認定が必要です(内閣府令で定める軽微な変更は同法13条1項3号の届出)。
提出先・提出方法
管轄登記所内移転は、主たる事務所の所在地を管轄する登記所(法務局・地方法務局・支局・出張所)へ提出します。管轄登記所外移転は、①変更前の主たる事務所所在地を管轄する登記所宛ての申請書と、②変更後の主たる事務所所在地を管轄する登記所宛ての申請書を、①②同時に、変更前の主たる事務所所在地の登記所へ提出します(②は旧所在地の登記所を経由する扱いです。一般法人法330条で準用される商業登記法51条1項・2項)。管轄は法務局サイトの「管轄のご案内」で確認できます。
つまずきやすいポイント
- 「登記すべき事項」の書き方が管轄内と管轄外で違います。管轄外では、旧所在地の登記所宛ての申請書に移転後の住所を「…に主たる事務所移転」、新所在地の登記所宛ての申請書に移転前の住所を「…から主たる事務所移転」と書き、宛先と住所が入れ替わります。
- 管轄外移転の2通は、同時に、変更前の主たる事務所所在地の登記所へ提出します。一般法人法330条で準用される商業登記法52条1項は、いずれかに却下事由があるときはこれらの申請を共に却下しなければならない、と定めています。
- 社員総会(一般財団法人は評議員会)の決議を省けるのは、定款が最小行政区画までしか定めておらず、その区画内で移転する場合に限る、と記載例は説明しています。定款に番地まで書いてある場合は、この前提を満たしません。
- 登記の事由が発生する前に申請することはできません。法務局は、将来の日付を登記原因とする本店移転登記の申請を例に挙げ、そうした申請はできないと案内しています。移転日より前に申請書を提出しないようご注意ください。
- 最後の登記から5年を経過している一般社団法人・一般財団法人(公益社団法人・公益財団法人を含む。)は、みなし解散の登記の対象になると法務局は案内しています(一般法人法149条・203条)。移転登記の前に現在の登記事項を確認しておくと安心です。
よくある質問
管轄外へ移転する場合、登録免許税は合計いくらになりますか。
法務局の記載例では、旧所在地を管轄する登記所宛ての申請書と、新所在地を管轄する登記所宛ての申請書のそれぞれについて「登録免許税 金3万円」「(注)1件につき3万円です。」と示されています。したがって合計は6万円になります。根拠は登録免許税法別表第一第24号(一)ヲで、本店若しくは主たる事務所又は支店若しくは従たる事務所の移転の登記は「一箇所につき三万円」とされています。管轄内移転であれば3万円です。
理事会を置いていない一般社団法人は、どのように移転を決めればよいですか。
一般社団法人及び一般財団法人に関する法律76条2項は「理事が二人以上ある場合には、一般社団法人の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、理事の過半数をもって決定する」と定めています。また同法317条1項は、登記すべき事項につき理事の一致を要するときは、申請書にその一致があったことを証する書面を添付しなければならない、としています。法務局の記載例は理事会を置く法人を前提にした書きぶりなので、書面の作り方は管轄の登記所にご確認ください。
一般財団法人でも、主たる事務所の所在地は評議員会の決議で変更できますか。
同法200条1項は「一般財団法人は、その成立後、評議員会の決議によって、定款を変更することができる。ただし、第百五十三条第一項第一号及び第八号に掲げる事項に係る定款の定めについては、この限りでない。」と定めています。主たる事務所の所在地は同法153条1項3号の事項で、ただし書が挙げる1号・8号には含まれていません。なお同法189条2項3号により、200条の評議員会の決議は、議決に加わることができる評議員の3分の2以上(これを上回る割合を定款で定めた場合はその割合)の多数を要します。
登記が終わるまでどのくらいかかりますか。
法務局は、手続が完了する日の目安として「登記完了予定日」を各法務局のホームページで案内していますが、「補正がある場合や管轄の法務局を変更する本店移転の場合などは除く。」と注記しています。また管轄外移転では、旧所在地を管轄する登記所から新所在地を管轄する登記所へ申請書と添付書面を送付する手続が入ります。具体的にどのくらいかかるかは、管轄の登記所にご確認ください。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。