LEGAL AFFAIRS BUREAU
株式会社清算結了登記申請書
株式会社の清算事務が終わり、清算が結了したことを登記するための申請書です。法務局の「商業・法人登記の申請書様式」に「1-17 株式会社清算結了登記申請書」として記載例(PDF)と申請書様式(Word/PDF)が公開されています。記載例では、登記の事由を「清算結了」、登記すべき事項を「『登記記録に関する事項』令和○年○月○日清算結了」と記載し、その日付は株主総会において決算報告書を承認した日と注記されています。この登記をすると、その登記記録は閉鎖されます(商業登記規則80条1項4号・2項)。
誰が・どんなときに必要?
申請するのは清算株式会社で、法務局の記載例では代表清算人が申請人欄に記名し、登記所に提出した印鑑を押す形になっています。期限は、清算人が作成した決算報告を株主総会が承認した日(会社法507条3項)から2週間以内に、本店の所在地においてです(会社法929条1号)。なお会社法499条1項の債権申出期間は「二箇月を下ることができない」ため、法務局の記載例も清算人の就任後2か月以内に清算が終了することはないと注意しています。
手続きの流れ
- 1
解散と清算人の登記を済ませる
定款で定めた存続期間の満了、定款所定の解散事由の発生、株主総会の決議によって解散したときは、2週間以内に本店の所在地で解散の登記をします(会社法926条、471条1号から3号まで)。解散を命ずる裁判による解散や休眠会社のみなし解散は、登記が嘱託又は職権でされるため、この申請義務の対象ではありません。取締役が法定清算人となる場合は、解散の日から2週間以内に、清算人の氏名、代表清算人の氏名及び住所などを登記します(会社法928条1項)。
- 2
債権者への公告と催告を行い、2か月以上の申出期間を置く
清算株式会社は、清算の開始原因に該当した後遅滞なく、一定の期間内に債権を申し出るべき旨を官報に公告し、知れている債権者には各別に催告します。その期間は2か月を下ることができません(会社法499条1項)。この期間内は債務の弁済をすることができません(同法500条1項)。ただし、少額の債権や担保権によって担保される債権その他これを弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権は、裁判所の許可を得て弁済できます(同条2項。清算人が2人以上あるときは全員の同意により申し立てます)。
- 3
現務を結了し、債権の取立て・債務の弁済・残余財産の分配を行う
清算人の職務は、現務の結了、債権の取立て及び債務の弁済、残余財産の分配です(会社法481条)。残余財産は、債務を弁済した後でなければ株主に分配できません(同法502条)。清算株式会社の財産が債務を完済するのに足りないことが明らかになったときは、清算人は直ちに破産手続開始の申立てをしなければなりません(同法484条1項)。
- 4
決算報告を作成し、株主総会の承認を受ける
清算事務が終了したときは遅滞なく決算報告を作成し(会社法507条1項)、これを株主総会に提出して承認を受けます(同条3項)。決算報告の内容は、収入の額、費用の額、残余財産の額(支払税額がある場合はその税額と控除後の財産の額)、一株当たりの分配額の4項目で、一株当たりの分配額には残余財産の分配を完了した日などの注記が必要です(会社法施行規則150条)。この承認の日が、登記すべき「清算結了」の日になります。
- 5
申請書を作成し、本店所在地を管轄する登記所に提出する
承認の日から2週間以内に、本店の所在地を管轄する登記所へ申請します(会社法929条1号、商業登記法1条の3)。申請書には、商号・本店、代表清算人の氏名及び住所、登記の事由、登記すべき事項、登録免許税の額、年月日、登記所の表示を記載します(商業登記法17条2項)。会社法人等番号は記載例で「分かる場合に記載してください」とされる任意記載(添付書面の特例は商業登記規則36条の3)、連絡先の電話番号は補正の連絡のために法務局が記載を求めているものです。
- 6
登記後の届出と帳簿資料の保存を行う
国税庁の「C1-8 異動事項に関する届出」は法人の解散・清算結了をした場合の手続とされ、提出時期は「異動等後速やかに」、提出先は異動前の納税地の所轄税務署長です。清算中の法人に残余財産が確定した場合の確定申告は、残余財産の確定の日の翌日から1月以内(その1月以内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合はその前日まで)です(法人税法74条2項)。清算人は、本店の所在地における清算結了の登記の時から10年間、帳簿資料を保存します(会社法508条1項)。
主な必要書類
- 株主総会議事録(決算報告書を含む。)(法務局の記載例では1通。会社法507条3項の決算報告の承認があったことを証する書面の添付が商業登記法75条で求められています。記載事項は会社法施行規則150条をご確認ください。)
- 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)(法務局の記載例では1通。商業登記規則61条3項に基づき、議決権割合の上位から、10名または議決権割合を加算して3分の2に達するまでの人数のいずれか少ない人数の株主について記載します。)
- 委任状(法務局の記載例では1通で、「代理人に申請を委任した場合にのみ必要です」と注記されています。代理人が申請する場合、申請書には代理人の印鑑を押します。)
- 収入印紙貼付台紙(これは添付書類ではなく、登録免許税を収入印紙で納付する場合に申請書に添えて印紙を貼り付ける台紙です(記載例が添付書類として挙げているのは上の3点のみです)。申請書(台紙を含む)が2枚以上になるときは、申請書に押印した人が各ページのつづり目に契印します。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登録免許税は、登録免許税法 別表第一 第24号(三)ハ「清算の結了の登記」により、申請件数1件につき2,000円です。法務局の記載例(1-17)も「1.登録免許税 金2千円」「1件につき2千円です。収入印紙又は領収証書で納付します」と記載しています。税額が3万円以下の場合は印紙で納付することができ(登録免許税法22条)、清算結了の登記は2,000円ですのでこれに当たります。なお同条の「その他政令で定める場合」を定める登録免許税法施行令29条により、3万円を超える税額を印紙で納付できるのは、3万円未満の端数の部分(同条2号)、登記所の近傍に収納機関がない旨が公示された場合(同条1号)、特別の事情があると登記機関が認めた場合(同条3号)に限られます。もっとも、登録免許税が3万9千円となる解散及び清算人選任の記載例(1-15)にも収入印紙貼付台紙が用意されています。実際の納付方法は提出先の登記所の案内に従ってください。また、同一の申請書で2以上の登記を受ける場合の登録免許税は各登記の税率を適用した金額の合計額になり(同法18条)、解散(別表第一第24号(一)レ・1件につき3万円)と清算人・代表清算人の選任(同(三)イ・1件につき9,000円)を1通で申請する記載例では「金3万9千円」とされています。
提出先・提出方法
本店の所在地を管轄する登記所(法務局・地方法務局またはその支局・出張所)です。商業登記法1条の3は「登記の事務は、当事者の営業所の所在地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所……がつかさどる」と定めています。管轄の登記所は法務局ホームページで確認できます。
つまずきやすいポイント
- 債権申出期間が満了する前に清算結了の登記はできません。会社法499条1項は期間を「二箇月を下ることができない」と定めており、法務局の記載例も「清算人の就任後2か月以内に清算が終了することはありません(会社法第499条第1項)」と明記しています。
- 清算結了の日を取り違えると、補正を求められたり申請が却下されたりすることがあります。会社法929条1号が定める起算日は「第五百七条第三項の承認の日」=株主総会が決算報告を承認した日で、法務局も「登記の事由が発生する前に、登記の申請をすることはできません」と注意しています。
- 決算報告の記載事項が欠けていると添付書面として足りません。会社法施行規則150条1項は、収入の額、費用の額、残余財産の額(支払税額がある場合はその税額と控除後の財産の額)、一株当たりの分配額の4項目を求め、同条2項は残余財産の分配を完了した日などの注記を求めています。
- 登記期間を過ぎると過料の対象になり得ます。会社法976条は、清算人を含む列挙された者が「この法律の規定による登記をすることを怠ったとき」などに該当する場合、100万円以下の過料に処すると定めており、裁判所から過料に処される可能性があります(その行為について刑を科すべきときを除く)。
- 清算結了の登記をすると登記記録が閉鎖されます。商業登記規則80条1項4号・2項により清算結了の登記をしたときは登記記録を閉鎖しなければならず、以後その内容は「閉鎖した登記記録に記録されている事項」を記載する閉鎖事項証明書で確認します(同規則30条1項3号)。閉鎖した登記記録の保存期間は閉鎖した日から20年間です(同規則34条4項2号)。
よくある質問
清算結了の登記に印鑑証明書は必要ですか。
法務局の記載例(1-17 株式会社清算結了登記申請書)が添付書類として挙げているのは、株主総会議事録(決算報告書を含む。)、株主リスト、委任状(代理人に申請を委任した場合のみ)の3点で、印鑑証明書は挙げられていません。申請書には代表清算人が登記所に提出した印鑑を押し、代理人が申請する場合は委任状に登記所提出印を押したうえで申請書には代理人の印鑑を押す、と法務局は案内しています。必要書類は事案によって異なることがあるため、提出先の登記所でご確認ください。
税務署への手続も別に必要ですか。
国税庁の「C1-8 異動事項に関する届出」の概要には対象として「法人の解散(信託の終了を含みます。)・清算結了」が挙げられており、提出時期は「異動等後速やかに」、提出先は「異動前の納税地の所轄税務署長」とされています。また、清算中の内国法人に残余財産が確定した場合の確定申告は、残余財産の確定の日の属する事業年度について、その翌日から1月以内(その1月以内に残余財産の最後の分配又は引渡しが行われる場合はその行われる日の前日まで)に提出するとされています(法人税法74条2項)。地方税の手続の要否や期限は、所管の都道府県税事務所・市区町村にご確認ください。
登記が終わった後、会社の帳簿や書類はどうすればよいですか。
清算人(清算人会設置会社では会社法489条7項各号に掲げる清算人)は、本店の所在地における清算結了の登記の時から10年間、清算株式会社の帳簿並びにその事業及び清算に関する重要な資料(帳簿資料)を保存しなければなりません(会社法508条1項)。裁判所は利害関係人の申立てにより、清算人に代わって帳簿資料を保存する者を選任することができ、その場合は選任された者が同じく登記の時から10年間保存します(同条2項・3項)。選任の手続に関する費用は清算株式会社の負担です(同条4項)。
特例有限会社や合同会社でも同じ様式を使えますか。
いいえ、法務局の書式一覧では会社の種類ごとに様式が分かれており、特例有限会社は「第2 特例有限会社」の「解散、清算結了」、合同会社などの持分会社は「第3 持分会社」の「解散、清算結了」にそれぞれ別の様式が掲載されています。登録免許税については、別表第一第24号(三)が「会社又は相互会社若しくは一般社団法人等の清算に係る登記(外国会社又は外国相互会社の清算に係る登記を含む。)」を対象としており、同(三)ハの清算の結了の登記は申請件数1件につき2,000円です。使用する様式と添付書類は、法務局の該当様式の記載例でご確認ください。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
- 株式会社設立登記申請書(募集設立)
- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
- 株式会社変更登記申請書(目的の変更)
- 株式会社本店移転登記申請書(管轄内/管轄外)
- 株式会社役員変更登記申請書(就任・辞任・重任・住所氏名変更 各様式)
- 株式会社変更登記申請書(募集株式発行=増資)
- 株式会社変更登記申請書(資本金の額の減少=減資)
- 株式会社変更登記申請書(公告方法の変更)
- 株式会社解散及び清算人選任登記申請書
- 株式会社会社継続登記申請書(みなし解散対応含む)
- 株式会社の組織変更登記申請書(→持分会社)
※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。