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株式会社の組織変更登記申請書(→持分会社)
株式会社が組織を変更して合名会社・合資会社・合同会社(持分会社)になったときの登記です。組織変更をする株式会社は、効力発生日に持分会社となります(会社法745条1項)。効力が生じた日から2週間以内に、本店の所在地で、組織変更前の株式会社については解散の登記を、組織変更後の持分会社については設立の登記をします(会社法920条)。申請書は2通で、同時に申請しなければなりません(商業登記法78条1項)。法務局の様式一覧では「1-21」に記載例と様式が掲載されています。
誰が・どんなときに必要?
申請人は、組織変更により設立した持分会社の代表者です(記載例)。期限は効力が生じた日から2週間以内で、本店の所在地の登記所に申請します(会社法920条)。前提として、効力発生日の前日までに組織変更計画について総株主の同意を得ておく必要があります(同776条1項)。代理人に委任することもできますが、登記の申請手続について報酬を得て代理することを業として行えるのは、司法書士及び弁護士に限られます(司法書士法3条1項1号・73条1項)。
手続きの流れ
- 1
組織変更計画を作り、総株主の同意を得る
会社は組織変更計画を作成します(会社法743条)。計画には、組織変更後の持分会社の種類、目的・商号・本店の所在地、社員の氏名又は名称及び住所、出資の価額、効力発生日などを定めます(同744条1項)。責任区分は種類ごとに決まっており、合名会社は全社員を無限責任社員、合資会社は一部を無限責任社員としその他を有限責任社員、合同会社は全社員を有限責任社員と定めなければなりません(同条2項〜4項)。そのうえで、効力発生日の前日までに総株主の同意を得ます(同776条1項)。
- 2
債権者の異議手続をとり、質権者に通知する
組織変更をする旨などを官報に公告し、かつ、知れている債権者には各別に催告します。異議期間は1か月を下ることができません(会社法779条2項)。官報のほか、定款の定めに従って日刊新聞紙又は電子公告によっても公告したときは、各別の催告は要しません(同条3項)。登録株式質権者等と、新株予約権を発行しているときは新株予約権者にも、効力発生日の20日前までに組織変更をする旨を通知します(同776条2項・777条3項)。通知は公告に代えることもできます(同776条3項・777条4項)。
- 3
効力発生日を迎え、代表社員などを定める
効力発生日に持分会社となり、組織変更計画の定めに従って定款の変更をしたものとみなされ、株主は社員となります(会社法745条1項〜3項)。新株予約権は効力発生日に消滅します(同条5項)。定款の定めに基づく社員の互選で代表社員を定めるときは、記載例によれば効力発生日以降に定めることを要します。社員全員が各自会社を代表する場合や、定款に代表社員の氏名を定めている場合は、選定に関する書面は不要とされています。
- 4
2通の申請書と添付書類をそろえる
組織変更による設立の登記申請書には、組織変更計画書、定款、公告及び催告をしたことを証する書面などを添付します(商業登記法77条)。定款には公証人の認証は不要で、申請書に「定款は組織変更計画書の記載を援用する」と記載して添付に代えることもできるとされています(記載例)。一方、解散の登記の申請については、申請書の添付書面に関する規定は適用されません(同法78条2項)。
- 5
本店所在地の登記所へ同時に申請する
組織変更による設立の登記申請書、印鑑届書、解散の登記申請書は、同時に本店所在地の登記所へ提出することとされています(記載例)。設立と解散の申請は同時にしなければなりません(商業登記法78条1項)。登録免許税は申請書ごとに納め、収入印紙貼付台紙を含めて申請書が複数ページになるときは、各ページのつづり目に契印します(記載例)。
主な必要書類
- 組織変更計画書(商業登記法77条1号。会社種別・社員・出資の価額・効力発生日などを記載します。)
- 定款(同条2号。公証人の認証は不要。申請書に「定款は組織変更計画書の記載を援用する」と記載して添付に代えることもできます(記載例)。)
- 組織変更に関する総株主の同意書(会社法776条1項の同意があったことを証する書面(商業登記法46条1項)。)
- 株主の氏名又は名称、住所及び議決権数等を証する書面(株主リスト)(商業登記規則61条2項1号により株主全員の氏名又は名称・住所、株式数及び議決権数を記載します。株主総会決議の場合の上位10名等の基準(同条3項)とは記載範囲が異なります。総株主の同意による場合は議決権数の割合の欄の記載は不要です(記載例)。)
- 公告及び催告をしたことを証する書面(商業登記法77条3号。異議を述べた債権者がいないときはその旨を申請書に記載し、いるときは弁済等をしたこと又は害するおそれがないことを証する書面を添付します(同号、記載例)。)
- 株券・新株予約権証券に関する公告等をしたことを証する書面(株券発行会社のとき、新株予約権を発行しているときに必要(同条4号・5号)。発行していないことを証する書面でも可(記載例)。)
- 代表社員の選定に関する書面・就任承諾書(各自代表の場合及び定款に代表社員の氏名の定めがある場合、選定に関する書面は不要です。就任承諾書は、定款の定めに基づく社員の互選で代表社員を定め、その互選をした社員に当該代表社員が含まれていないときに必要です(記載例)。)
- 法人が社員・代表社員となる場合の書面(代表社員となるときは、その法人の登記事項証明書・職務執行者の選任に関する書面・就任承諾書(商業登記法77条6号)。代表社員以外の社員(合同会社では業務を執行する社員に限る)となるときは登記事項証明書のみで足ります(同条7号、記載例)。代表社員を定めず各自代表とした場合は3点とも添付します(記載例)。なお登記事項証明書は、申請する登記所の管轄内に当該法人の本店等があるときは不要で、管轄外でも申請書に会社法人等番号を記載すれば省略できます(同条6号イただし書、7号ただし書、記載例)。)
- 合資会社・合同会社になる場合の書面(合資会社は有限責任社員が既に履行した出資の価額を証する書面(同条8号)。合同会社は登録免許税法施行規則12条4項の証明書。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
登記が2件になるため、登録免許税もそれぞれの申請書ごとにかかります。組織変更による設立の登記は、組織変更後が合名会社・合資会社であれば申請件数1件につき6万円(登録免許税法別表第一24号(一)ロ)、合同会社であれば資本金の額の1000分の1.5(組織変更直前の資本金の額として財務省令で定めるものを超える部分に対応する部分は1000分の7。計算した税額が3万円に満たないときは1件につき3万円)です(同ホ)。組織変更による解散の登記は1件につき3万円です(同レ)。申請書の「課税標準金額」の欄は、組織変更後が合同会社の場合にのみ資本金の額と同額を記載します。ただし、その額が組織変更をする会社の組織変更直前の資本金の額として登録免許税法施行規則に規定する額を超過する場合には、「ただし、内金○円は登録免許税法施行規則に規定する額を超過する部分である。」と追記します(記載例)。納付は、収入印紙を申請書(収入印紙貼付台紙)に貼付する方法によるのが通例です(記載例)。このほか、登録免許税法21条により、金融機関等で納付して領収証書を申請書に貼り付ける方法もあります。
提出先・提出方法
本店の所在地を管轄する登記所(法務局・支局・出張所)です。組織変更による設立の登記申請書、印鑑届書、組織変更による解散の登記申請書を、同時に本店所在地の登記所へ提出します(記載例、商業登記法78条1項)。
つまずきやすいポイント
- 設立と解散は2件同時に申請しなければなりません(商業登記法78条1項)。登記官は、いずれかの申請に同法24条各号の事由があるときは、これらの申請を共に却下しなければならないとされています(同法78条3項)。ただし、不備が補正することができるもので、登記官が定めた相当の期間内に補正したときは、この限りではありません(同法24条ただし書)。
- 登記の期間を過ぎてから申請する場合であっても、そのことだけをもって申請が却下されることはありませんが、法務局の案内によれば、会社・法人の代表者に対して裁判所から100万円以下の過料に処される可能性があります(会社法976条1号)。
- 債権者の異議手続が終わっていないときは、組織変更の効力は生じません(会社法745条6項)。異議期間は1か月を下ることができず(同779条2項)、登録株式質権者等及び新株予約権者への通知は効力発生日の20日前まで(同776条2項・777条3項)、新株予約権者の買取請求期間は効力発生日の20日前の日から前日まで(同777条5項)のため、効力発生日から逆算した日程が必要です。
- 登録免許税は、合名会社・合資会社への組織変更が1件6万円(別表第一24号(一)ロ)、合同会社が資本金の額を課税標準とする計算(同ホ)と区分が異なります。ホは「株式会社又は合同会社の設立」の登記に限られるため、合名会社・合資会社には使えません。
- 法人が社員となるときは、代表社員となる場合(登記事項証明書・職務執行者の選任に関する書面・就任承諾書)と、代表社員以外の社員となる場合(登記事項証明書のみ)とで必要な書面が異なります(商業登記法77条6号・7号)。
よくある質問
組織変更後の持分会社の定款に、公証人の認証は必要ですか。
記載例では、添付する定款について「公証人の認証は必要ありません」と注記されています。さらに、組織変更計画に定められた定款の内容は総株主の同意を得た後、効力発生日に定款の変更をしたものとみなされることから、申請書に「定款は組織変更計画書の記載を援用する」と記載することにより、定款の添付に代えることができるとされています。
知れている債権者への各別の催告は省略できますか。
会社法779条2項は、組織変更をする旨などを官報に公告し、かつ、知れている債権者には各別にこれを催告しなければならないと定めています。ただし同条3項により、官報のほか、定款の定めに従って日刊新聞紙に掲載する方法又は電子公告によって公告をするときは、各別の催告はすることを要しないとされています。官報への公告そのものを省略できるという規定ではありません。
組織変更後の持分会社の登記には、何が登記されますか。
商業登記法76条は、株式会社が組織変更をした場合の組織変更後の持分会社についてする登記においては、会社成立の年月日、株式会社の商号並びに組織変更をした旨及びその年月日をも登記しなければならないと定めています。記載例の別紙でも、「登記記録に関する事項」として「令和○年○月○日○○商事株式会社を組織変更し設立」と記載する例が示されています。
解散の登記の申請書にも添付書類は必要ですか。
商業登記法78条2項は、申請書の添付書面に関する規定は、株式会社についての同条1項の登記の申請については適用しないと定めています。記載例でも、組織変更による解散登記申請書の添付書類欄に「添付書類は必要ありません(商業登記法第78条第2項)」と注記されています。なお記載例の委任状は、設立と解散の両方の登記を申請する権限をまとめて委任する内容で、設立の登記申請書と同時に提出することとされています。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(法務局・公証役場)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-31)。
法務局・公証役場の他の書式
- 株式会社設立登記申請書(発起設立・取締役会設置あり/なし)
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- 株式会社変更登記申請書(商号の変更)
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は法務局・公証役場が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。