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労働条件通知書(一般・短時間・派遣・建設・林業労働者用、多言語版含む)
労働条件通知書は、使用者が労働契約の締結に際して、賃金・労働時間その他の労働条件を労働者に明示するための書類です。明示すべき事項は労働基準法15条1項と同法施行規則5条が定めており、そのうち一定の事項は書面の交付による明示が必要です。厚生労働省は一般労働者用・短時間労働者用・派遣労働者用・建設労働者用・林業労働者用のモデル様式を公開しています。行政庁に提出する届出様式ではなく、労働者本人に交付する書類です。
誰が・どんなときに必要?
明示を行うのは使用者で、タイミングは「労働契約の締結に際し」です(労働基準法15条1項)。厚生労働省のQ&Aによれば、新しい明示ルールは令和6年4月1日以降に締結される労働契約に適用され、すでに雇用されている労働者に改めて明示する必要はありません。有期労働契約は更新が新たな契約の締結にあたるため、同日以降の更新の際にも新ルールに沿った明示が必要とされています。
手続きの流れ
- 1
使う様式の区分を選ぶ
厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーには、一般労働者用・短時間労働者用・派遣労働者用・建設労働者用・林業労働者用の労働条件通知書があります。一般・派遣・建設・林業には「常用、有期雇用型」と「日雇型」の2種類がありますが、短時間労働者用は「常用、有期雇用型」のみです。無期転換後の労働条件用の様式(施行規則5条5項・6項に対応)は別に用意されています。
- 2
新様式・旧様式のどちらを使うか確認する
同ページでは、従来の様式は令和8年9月30日まで使用でき、令和8年10月1日以降は新しい様式を使用するよう案内されています(日雇型は同日以降も引き続き従前のものを使用できます)。新様式には、令和8年10月1日施行のパート・有期法施行規則改正に対応して、通常の労働者との待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる窓口の欄が加わっています。
- 3
明示する労働条件を洗い出す
施行規則5条1項は、契約期間、就業の場所及び従事すべき業務(変更の範囲を含む)、始業・終業の時刻や休憩・休日、賃金の決定・計算・支払の方法や昇給、退職(解雇の事由を含む)などを列挙しています。有期契約で更新の可能性があるものは更新の基準(更新上限の定めがあればその上限)も対象です。退職手当、臨時の賃金・賞与・最低賃金額、食費や作業用品の負担、安全衛生、職業訓練、災害補償、表彰・制裁、休職(4号の2から11号まで)は、定めをしない場合は対象外です。
- 4
書面で明示する事項と明示の方法を確認する
施行規則5条3項は、書面等で明示すべき事項を1項1号から4号までに掲げる事項(昇給に関する事項を除く)と定めています。同条4項は明示の方法を「書面の交付」とし、労働者がファクシミリによる送信、または電子メール等の送信(労働者がその記録を出力して書面を作成できるものに限る)を希望した場合は、その方法によることができるとしています。
- 5
労働者本人に交付する
作成した通知書は、労働基準監督署などに提出するのではなく労働者本人に交付します。施行規則5条2項は、明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならないと定めています。無期転換申込権が発生する有期労働契約の締結・更新の際には、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件の明示も必要になります。
主な必要書類
- 厚生労働省のモデル労働条件通知書(該当区分の様式)(一般・短時間・派遣・建設・林業の5区分。短時間労働者用に日雇型はありません。令和8年10月1日以降は同ページの新様式を使用します。)
- 自社の就業規則(モデル様式には就業規則を確認できる場所や方法を記入する欄があります。厚生労働省のQ&Aは、この欄は施行規則の改正ではなく施行通達に対応した追加だと説明しています。)
- 有期労働契約の更新の取扱いに関する自社の定め(更新する場合の基準、更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件を整理しておきます。)
- パート・有期雇用労働者の場合の特定事項(昇給・退職手当・賞与の有無、雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口。厚生労働省のQ&Aは、これらは労働基準法施行規則5条ではなくパートタイム・有期雇用労働法に基づく書面明示事項だと注記しています。さらに同省リーフレット(令和8年10月1日施行)は、同日施行の同法施行規則改正により、これら4項目に加えて「待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる」旨の明示が必要になるとしています(違反した者は10万円以下の過料)。)
- 無期転換後の労働条件用の様式(該当する場合)(労働基準法施行規則5条5項・6項に対応する別様式が公開されており、こちらも令和8年10月1日を境に新旧が分かれます。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
行政庁に申請・届出をする書類ではないため、法定の手数料はかかりません。厚生労働省のモデル様式はWord形式・PDF形式で無料でダウンロードできます。
提出先・提出方法
労働者本人に交付します。行政庁への申請・届出の様式ではなく、厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーでも「必要に応じて事業場で使用してください」の表に掲載されています。
つまずきやすいポイント
- 令和8年10月1日施行のパート・有期法施行規則改正で、短時間・有期雇用労働者への雇い入れ時の明示事項に「待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる」旨が加わります。従来の4項目のままにしないでください(違反した者は10万円以下の過料とされています)。
- 「変更の範囲」が指す期間を正確に押さえること。厚生労働省のQ&Aは、これは当該労働契約の期間中における変更の範囲を意味し、更新後の契約期間中に命じる可能性がある場所・業務まで改正省令が明示を求めるものではないとしつつ、キャリアパスを明らかにする等の観点から積極的に明示することも考えられるとしています。
- 適用の始まりを取り違えないこと。新ルールは令和6年4月1日以降に締結される労働契約に適用され、すでに雇用されている労働者に改めて明示する必要はないとされています。一方、有期契約は更新が新たな契約の締結にあたるため、同日以降の更新時には新ルールでの明示が必要です。
- 令和8年10月1日の様式切替を見落とさないこと。従来の様式は令和8年9月30日まで使用でき、同年10月1日以降は新様式を使用するよう案内されています(日雇型の様式は同日以降も引き続き従前のものを使用できます)。
- 更新上限がない場合の扱いを誤解しないこと。厚生労働省のQ&Aは、改正省令では更新上限を定めている場合にその内容の明示が求められ、上限がない場合にその旨まで明示することは要しないとしています(モデル様式は上限がない場合も明示する様式です)。
よくある質問
労働基準監督署に届け出る必要はありますか。
労働条件通知書は、労働者本人に労働条件を明示・交付するための書類です。厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーでも、「労働基準監督署に申請または届出する場合に使う様式」の表とは別の、「必要に応じて事業場で使用してください」の表に掲載されています。
書面ではなく電子メールで明示してもよいですか。
労働基準法施行規則5条4項は、明示の方法を「書面の交付」と定めています。ただし労働者がファクシミリを利用してする送信の方法、または電子メール等の送信の方法(労働者がその記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る)を希望した場合には、その方法によることができるとされています。
明示した労働条件が事実と違っていた場合はどうなりますか。
労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除することができると定めています。同条3項は、その場合に就業のために住居を変更した労働者が契約解除の日から14日以内に帰郷するときは、使用者が必要な旅費を負担しなければならないとしています。また同法120条1号は、15条1項・3項などの規定に違反した者を30万円以下の罰金に処すると定めています。
控えはどのくらい保存する必要がありますか。
労働基準法109条は、労働者名簿・賃金台帳のほか「雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類」を5年間保存しなければならないと定めています。ただし同法附則により、当分の間はこの「五年間」を「三年間」と読み替えることとされています。労働条件通知書の控えを名指しした条文はないため、扱いは所轄の労働基準監督署で確認してください。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(厚労省・労働局)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-30)。
厚労省・労働局の他の書式
- 労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)+事業計画書(様式第3号)+更新申請書
- 労働者派遣事業関係変更届出書(様式第8号系列)/収支決算書・事業報告書
- 派遣元・派遣先管理台帳(様式例)/責任者選任に関する様式
- 有料・無料職業紹介事業許可申請書+事業計画書(様式第1号・第2号)
- 職業紹介事業 変更届出書・廃止届出書・事業報告書(様式第6〜8号)
- 雇用契約書(労働条件通知書兼用モデル様式)
- モデル就業規則(最新版・外国語版・やさしい日本語版)
- 就業規則(作成・変更)届+意見書
- 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定:一般条項=様式第9号/特別条項=様式第9号の2)
- 1年単位/1か月単位の変形労働時間制に関する協定届
- 労働者代表(過半数代表者)選任書
- 労働者名簿/賃金台帳/出勤簿(法定三帳簿)
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は厚労省・労働局が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。