MHLW

労働条件通知書(一般・短時間・派遣・建設・林業労働者用、多言語版含む)

労働条件通知書は、使用者が労働契約の締結に際して、賃金・労働時間その他の労働条件を労働者に明示するための書類です。明示すべき事項は、労働基準法15条1項と労働基準法施行規則5条が定めています。そのうち契約期間、更新の基準(有期で更新があり得る場合)、就業の場所と業務は、書面の交付による明示が必要です。労働時間関係、賃金(昇給を除く)、退職に関する事項も同じです。厚生労働省は、一般労働者用・短時間労働者用・派遣労働者用・建設労働者用・林業労働者用のモデル様式を公開しています。行政庁に提出する届出様式ではなく、労働者本人に交付する書類です。

労働条件通知書(一般・短時間・派遣・建設・林業労働者用、多言語版含む)の要点。
明示者使用者
時期労働契約の締結に際して(有期契約の更新時も)
費用法定の手数料なし
交付先労働者本人(行政庁への届出ではない)
様式厚生労働省のモデル様式(5区分)
全国統一様式発行:厚生労働省労働基準局最終確認:2026-09-19

誰が・どんなときに必要?

明示を行うのは使用者で、時期は労働契約の締結に際してです。厚生労働省のQ&Aによれば、現行の明示ルールは令和6年4月1日以降に締結される労働契約に適用され、すでに雇用されている労働者に改めて明示する必要はありません。有期労働契約は更新が新たな契約の締結にあたるため、更新の際にも現行ルールに沿った明示が必要です。

手続きの流れ

  1. 1

    様式区分を選ぶ

    厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーには、一般労働者用・短時間労働者用・派遣労働者用・建設労働者用・林業労働者用の労働条件通知書があります。一般・派遣・建設・林業には「常用、有期雇用型」と「日雇型」の2種類がありますが、短時間労働者用は「常用、有期雇用型」のみです。無期転換後の労働条件用の様式は別に用意されています。

  2. 2

    新旧様式を確かめる

    同ページでは、従来の様式の使用期限と、新様式への切替が案内されています。日雇型は切替後も引き続き従前のものを使用できます。新様式には、パート・有期法施行規則の改正に対応して、通常の労働者との待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる窓口の欄が加わっています。

  3. 3

    条件を洗い出す

    施行規則は、契約期間、就業の場所及び従事すべき業務(変更の範囲を含む)、始業・終業の時刻や休憩・休日を列挙しています。賃金の決定・計算・支払の方法や昇給、退職(解雇の事由を含む)なども明示事項です。有期契約で更新の可能性があるものは、更新の基準(更新上限の定めがあればその上限)も対象です。退職手当、臨時の賃金・賞与・最低賃金額、食費や作業用品の負担、安全衛生、職業訓練、災害補償、表彰・制裁、休職は、定めをしない場合は対象外です。

  4. 4

    書面事項を分ける

    労働基準法施行規則5条3項により、書面の交付が必要な事項は次のとおりです。契約期間、更新の基準(有期で更新があり得る場合)、就業の場所と従事すべき業務(変更の範囲を含む)、始業・終業の時刻や休憩・休日などの労働時間関係です。賃金の決定・計算・支払の方法(昇給を除く)と、退職に関する事項も書面の交付が必要です。明示の方法は書面の交付です。労働者がファクシミリや電子メール等の送信(記録を出力して書面を作成できるものに限る)を希望した場合は、その方法によることができます。

  5. 5

    本人へ交付する

    作成した通知書は、労働基準監督署などに提出するのではなく、労働者本人に交付します。施行規則5条2項は、明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならないと定めています。無期転換申込権が発生する有期労働契約の締結・更新の際には、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件の明示も必要です。

主な必要書類

  • 厚生労働省のモデル労働条件通知書(該当区分の様式)(一般・短時間・派遣・建設・林業の5区分です。短時間労働者用に日雇型はありません。切替後は同ページの新様式を使用します。)
  • 自社の就業規則(モデル様式には、就業規則を確認できる場所や方法を記入する欄があります。厚生労働省のQ&Aは、この欄は施行規則の改正ではなく施行通達に対応した追加だと説明しています。)
  • 有期労働契約の更新の取扱いに関する自社の定め(更新する場合の基準、更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件を整理しておきます。)
  • パート・有期雇用労働者の場合の特定事項(昇給・退職手当・賞与の有無、雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口です。厚生労働省のQ&Aは、これらは労働基準法施行規則ではなくパートタイム・有期雇用労働法に基づく書面明示事項だと注記しています。施行規則の改正により、待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨の明示も必要になります。)
  • 無期転換後の労働条件用の様式(該当する場合)(労働基準法施行規則に対応する別様式が公開されており、こちらも新旧が分かれます。)

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

行政庁に申請・届出をする書類ではないため、法定の手数料はかかりません。厚生労働省のモデル様式は、Word形式・PDF形式で無料でダウンロードできます。

提出先・提出方法

労働者本人に交付します。行政庁への申請・届出の様式ではなく、厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーでも「必要に応じて事業場で使用してください」の表に掲載されています。

つまずきやすいポイント

  • パート・有期法施行規則の改正で、短時間・有期雇用労働者への雇入れ時の明示事項に「待遇の相違の内容・理由等について説明を求めることができる」旨が加わります。従来の4項目のままでは足りません。違反した者は、裁判所から10万円以下の過料に処される可能性があります。
  • 「変更の範囲」が指す期間に注意が必要です。厚生労働省のQ&Aは、これは当該労働契約の期間中における変更の範囲を意味するとしています。更新後の契約期間中に命じる可能性がある場所・業務まで明示を求めるものではありません。あわせて、キャリアパスを明らかにする観点から積極的に明示することも考えられるとしています。
  • 適用の始まりは契約の締結日で決まり、すでに雇用されている労働者に改めて明示する必要はありません。一方、有期契約は更新が新たな契約の締結にあたるため、更新時には現行ルールでの明示が必要です。
  • 様式の切替に注意が必要です。従来の様式は令和8年9月30日まで使用でき、令和8年10月1日以降は新様式を使用するよう案内されています。日雇型の様式は、切替後も引き続き従前のものを使用できます。
  • 更新上限がない場合の扱いに注意が必要です。厚生労働省のQ&Aは、更新上限を定めている場合にその内容の明示が求められ、上限がない場合にその旨まで明示することは要しないとしています。モデル様式は、上限がない場合も明示する様式です。

よくある質問

労働基準監督署に届け出る必要はありますか。

届け出ません。労働条件通知書は、労働者本人に労働条件を明示・交付するための書類です。厚生労働省の主要様式ダウンロードコーナーでも、労働基準監督署に申請または届出する場合に使う様式の表とは別の、事業場で使用する様式の表に掲載されています。

書面ではなく電子メールで明示してもよいですか。

労働基準法施行規則は、明示の方法を「書面の交付」と定めています。ただし労働者がファクシミリによる送信、または電子メール等の送信を希望した場合には、その方法によることができます。電子メール等は、労働者がその記録を出力して書面を作成できるものに限られます。

明示した労働条件が事実と違っていた場合はどうなりますか。

労働基準法は、明示された労働条件が事実と相違する場合、労働者は即時に労働契約を解除できると定めています。その場合に就業のために住居を変更した労働者が契約解除の日から14日以内に帰郷するときは、使用者が必要な旅費を負担します(労働基準法15条3項)。15条1項・3項などに違反した者は、裁判所から30万円以下の罰金に処される可能性があります。

控えはどのくらい保存しますか。

労働基準法は、労働者名簿・賃金台帳のほか「雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類」を5年間保存しなければならないと定めています。ただし附則により、当分の間は5年間を3年間と読み替えます。労働条件通知書の控えを名指しした条文はなく、扱いの確認先は所轄の労働基準監督署です。

厚労省・労働局の他の書式

厚労省・労働局の書式一覧をすべて見る

書類作成でお困りですか?

様式を集めても、書くのは大変。

このページの様式は各官公庁の公式ページから入手できます。ソロイでは、株式会社設立・本店移転・役員変更・商号変更・目的変更・代表取締役の住所変更・定款の再作成・秘密保持契約書(NDA)について、フォームに入力して書類を作成できます。