MHLW

雇用保険適用事業所設置届/被保険者資格取得届・喪失届

従業員を雇う事業主が、雇用保険についてハローワーク(公共職業安定所)へ出す3つの届出です。「雇用保険適用事業所設置届」は事業所として初めて雇用保険の対象者を雇ったとき、「被保険者資格取得届」は労働者を雇い入れたそのつど、「被保険者資格喪失届」は被保険者でなくなったそのつど提出します(雇用保険法施行規則141条1項・6条1項・7条1項)。3つは根拠条文も期限の数え方も別々です。本ガイドは2026年7月時点で施行されている条文に基づく記載で、改正の有無は提出前にご確認ください。

全国統一様式発行:厚生労働省(ハローワーク)最終確認:2026-07-30

誰が・どんなときに必要?

厚生労働省は、労働者を雇用する事業は業種・規模等を問わず、農林水産業の一部を除きすべて適用事業になると案内しています。適用事業に雇用される労働者は原則として被保険者ですが、1週間の所定労働時間が20時間未満の方や、継続して31日以上雇用される見込みがない方は適用除外です(雇用保険法6条1号・2号。1号には後述の括弧書きの例外があります)。期限は、設置届が設置の日の翌日から起算して10日以内、資格取得届が事実のあった日の属する月の翌月10日まで、資格喪失届が事実の翌日から起算して10日以内です。

手続きの流れ

  1. 1

    雇用保険の対象になる労働者かどうかを確認する

    雇用保険法6条は、1週間の所定労働時間が20時間未満の者、同一の事業主の適用事業に継続して31日以上雇用される見込みがない者などを適用除外としています。ただし同条1号の括弧書きにより、65歳以上で2以上の事業主に雇用され、本人の申出により高年齢被保険者となる方(同法37条の5第1項。1つの事業所では週20時間未満でも合計が週20時間以上であること等が要件)や、日雇労働被保険者に該当することとなる方は、この適用除外から除かれています。

  2. 2

    先に労働保険の保険関係成立の手続を済ませる

    厚生労働省は、初めて雇用保険の対象者を雇い入れる場合、「保険関係成立に関する手続を済ませた後」に設置届と資格取得届を提出すると案内しています。労働保険徴収法4条の2第1項は成立した日から10日以内の届出を、同法施行規則4条2項は所轄労働基準監督署長または所轄公共職業安定所長への提出を定めています。概算保険料は保険関係が成立した日から50日以内に納付します。自社がどの窓口の区分に当たるかは事前にご確認ください。

  3. 3

    雇用保険適用事業所設置届を10日以内に提出する

    規則141条1項は、事業所を設置したときは、事業所の名称・所在地、事業の種類、被保険者数、設置の理由と年月日を記載した届書に、登記事項証明書・賃金台帳・労働者名簿その他これらを証明できる書類を添えて、設置の日の翌日から起算して10日以内に提出することを求めています。ハローワークインターネットサービスも「営業許可証、登記事項証明書その他記載内容を確認することができる書類を持参してください」と案内しています。

  4. 4

    雇用保険被保険者資格取得届を翌月10日までに提出する

    規則6条1項は、労働者が被保険者となった事実のあった日の属する月の翌月10日までに資格取得届を提出することを定めています。厚生労働省の手続き一覧表では、確認書類として賃金台帳、労働者名簿、出勤簿(タイムカード)、雇用契約書等が挙げられています。交付される雇用保険被保険者証について、厚生労働省は「事業主から本人に渡してください」と案内し、規則10条2項も、交付は事業主を通じて行うことができると定めています。

  5. 5

    被保険者でなくなったら10日以内に資格喪失届を提出する

    規則7条1項は、被保険者でなくなった事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、資格喪失届に労働契約に係る契約書・労働者名簿・賃金台帳・登記事項証明書等を添えて提出することを定めています。原因が離職のときは雇用保険被保険者離職証明書(様式第五号)と離職前の賃金額を証明できる書類も添えます。厚生労働省は、離職理由の主張が事業主と離職者で異なる場合、ハローワークが事実関係を調査のうえ判定すると案内しています。

  6. 6

    届出後の変更手続と書類の保管を確認する

    事業主の氏名・住所や事業所の名称・所在地、事業の種類に変更があったときは、変更の日の翌日から起算して10日以内に届け出ます(規則142条1項。厚生労働省の一覧表では「雇用保険事業主事業所各種変更届」)。転勤届、適用事業所廃止届も翌日から10日以内とされています。規則143条は、雇用保険に関する書類を完結の日から2年間(被保険者に関する書類は4年間)保管すべきことを定めています。

主な必要書類

  • 雇用保険適用事業所設置届届書に登記事項証明書、賃金台帳、労働者名簿その他記載事項を証明できる書類を添付(規則141条1項)
  • 雇用保険被保険者資格取得届初めて提出する場合・期限を超えて提出する場合等は、労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳等が必要(規則6条4項)。事業主の同居の親族(事実上婚姻関係と同様の事情にある方を含む)その他特に確認を要する者として職業安定局長が定める方の届出では、これらに加え登記事項証明書等および局長が定める書類が必要(同条5項)。局長の定めにより省略できる場合あり(同条6項)
  • 雇用保険被保険者資格喪失届労働契約に係る契約書、労働者名簿、賃金台帳、登記事項証明書等を添付(規則7条1項)。職業安定局長が定めるところにより省略できる場合あり(同条6項)
  • 雇用保険被保険者離職証明書(様式第五号)離職が原因のとき。離職票の交付を希望しないときは添えないことができるが、離職の日において59歳以上の被保険者は省略不可(規則7条1項・3項)
  • 労働保険 保険関係成立届設置届の前段の手続。成立した日から10日以内に所轄労働基準監督署長または所轄公共職業安定所長へ(徴収法4条の2第1項、同施行規則4条2項)
  • 賃金台帳・労働者名簿・出勤簿(タイムカード)等厚生労働省の手続き一覧表が挙げる確認書類。ハローワークから持参を求められる場合があります
  • 法人番号(設置届1欄の記入事項)添付書類ではなく届書の記入事項です。1欄には平成27年10月以降に国税庁長官から本社等へ通知された法人番号を入力します。規則141条1項が添付を求めるのは登記事項証明書・賃金台帳・労働者名簿等です

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

厚生労働省およびハローワークインターネットサービスの案内に、これらの届出についての手数料の記載はありません。雇用保険の保険料は届出の手数料ではなく、労働保険料として労働保険の徴収手続で申告・納付するものです(労働保険徴収法。概算保険料は保険関係が成立した日から50日以内に納付します)。なお、ハローワークインターネットサービスで作成した申請書は、印刷して窓口へ持参する必要があり、システム上で届出が完了するわけではないと案内されています。

提出先・提出方法

いずれも、その事業所の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)の長に提出します(規則141条1項・6条1項・7条1項)。3つの届書はいずれも年金事務所を経由して提出できます(規則141条2項・6条2項・7条2項)。設置届は、健康保険法施行規則19条1項の届書および厚生年金保険法施行規則13条1項の届書と併せて提出する場合、または労働保険の保険関係成立届(徴収法4条の2第1項の届書。ただし有期事業、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託している事業、徴収法39条1項の事業に係るものを除きます)と併せて提出する場合に、その事業所の所在地を管轄する労働基準監督署長または年金事務所を経由して提出できます(規則141条3項1号)。資格取得届も、健康保険・厚生年金保険の届書に準ずる様式によるものに限り、労働基準監督署長または年金事務所を経由できます(規則6条3項)。電子申請による届出も可能です。このうち資格取得届と資格喪失届については、事業年度開始の時における資本金の額・出資金の額等の合計額が1億円を超える法人、相互会社、投資法人、特定目的会社(特定法人)は、原則として電子情報処理組織を使用して提出することとされています(規則6条9項・7条7項。転勤届についても規則13条6項に同様の定めがあります)。一方、適用事業所設置届については、規則141条にこの特定法人の電子申請義務の定めは置かれていません。

つまずきやすいポイント

  • 3つの届出は期限の数え方が違います。設置届と資格喪失届は「翌日から起算して10日以内」(規則141条1項・7条1項)ですが、資格取得届だけは「事実のあった日の属する月の翌月10日まで」(規則6条1項)です。同じ「10日」でも起算点が異なるため、まとめて出すときほど取り違えにご注意ください。
  • 厚生労働省の案内は、労働保険の保険関係成立に関する手続を済ませた後に設置届と資格取得届を提出する順序を示しています。手続の順序や、自社がどの窓口の区分に当たるかは、届出の前に管轄のハローワークまたは労働基準監督署にご確認ください。
  • 資格取得届の「取得区分」は誤りやすい欄です。ハローワークの案内では、過去に被保険者になったことがない、または最後に被保険者でなくなった日から7年以上経過している場合が「1(新規)」、それ以外は「2(再取得)」で、再取得のときは被保険者証に記載された被保険者番号を記入することとされています。
  • 離職票の交付を希望しないときは離職証明書を添えないことができますが、離職の日において59歳以上である被保険者はこの例外の対象外です(規則7条3項ただし書)。ハローワークの案内でも、59歳以上の方については離職票交付希望欄を「1.有」にチェックするよう求められています。
  • 様式はOCRで読み取るため印刷条件が指定されています。ハローワークの案内では、A4の白色用紙に等倍(倍率100%)で印刷すること、等倍以外の設定では窓口で受理できないこと、基準マーク(3点の■)に欠損やかすれがないことが求められ、記載事項のない欄は空欄、「ヰ」「ヱ」は「イ」「エ」を使います。

よくある質問

パートやアルバイトでも届出が必要ですか?

呼び名ではなく所定労働時間と雇用見込みで判断されます。1週間の所定労働時間が20時間未満の方や、同一の事業主に継続して31日以上雇用される見込みがない方は適用除外です(雇用保険法6条1号・2号)。ただし同条1号の括弧書きにより、65歳以上で2以上の事業主に雇用され本人の申出によって高年齢被保険者となる方(同法37条の5第1項)や、日雇労働被保険者に該当することとなる方は、この適用除外から除かれています。判断に迷う場合は管轄のハローワークにご確認ください。

支店を出したときも事業所ごとに設置届が必要ですか?

規則141条1項は「事業所を設置したとき」に届け出ることを求めています。ただし厚生労働省の手続き一覧表には、独立した一の事業所と認められないときの手続として「事業所非該当承認申請書」が掲げられています。その施設が独立した事業所に当たるかどうかは、管轄のハローワークにご相談ください。

届出の期限を過ぎてしまった場合はどうなりますか?

雇用保険法83条1号は、事業主が同法7条の規定に違反して届出をせず、または偽りの届出をしたときは6月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金に処すると定めています。資格取得届・資格喪失届はいずれも「法第七条の規定により」提出するものです(規則6条1項・7条1項)。一方、適用事業所設置届は同法82条の委任を受けた規則141条による届出で、83条1号の対象には含まれていません。労働保険の保険関係成立届も徴収法46条の罰則に掲げられていません。期限を超えて資格取得届を出すときは契約書・労働者名簿・賃金台帳等を添えます(規則6条4項2号)。まずは管轄のハローワークにご相談ください。

届出に使った書類はいつまで保管すればよいですか?

規則143条は、事業主および労働保険事務組合は、雇用保険に関する書類を完結の日から2年間、被保険者に関する書類については4年間保管しなければならないと定めています(雇用安定事業等に関する書類と労働保険徴収法関係の書類は除かれます)。なお添付にも使う労働者名簿・賃金台帳その他労働関係に関する重要書類は、労働基準法109条により5年間(同法附則により当分の間3年間)の保存が別途必要です。

出典・公式様式の入手先

様式ファイルは発行元(厚労省・労働局)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-30)。

厚労省・労働局の他の書式

厚労省・労働局の書式一覧をすべて見る

書類作成でお困りですか?

様式を集めても、書くのは大変。フォーム入力だけで、必要書類を自動作成できます。

このページの様式は各官公庁の公式ページから入手できます。作成そのものでつまずいたら、 ソロイ がフォームの案内に沿って登記書類・契約書を自動で作成します。

※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は厚労省・労働局が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。