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労働保険関係成立届/概算・確定保険料申告書
「労働保険 保険関係成立届」(厚生労働省や労働局の案内では「様式第1号」と呼ばれます)と「労働保険 概算・増加概算・確定保険料申告書」(同じく「様式第6号」)は、労災保険と雇用保険をあわせた労働保険に加入し、保険料を申告・納付するための書式です。この番号は行政上の呼称で、労働保険徴収法施行規則が定める別記様式の番号とは別のものです。成立届で保険関係の成立を届け出て、申告書で保険料を計算して納める二段構えの手続になります。
誰が・どんなときに必要?
労働者を雇っている事業の事業主が対象です。労働保険徴収法第4条の2第1項は、保険関係が成立した事業の事業主は「その成立した日から十日以内」に届け出なければならないと定めています。保険料は、保険年度の中途に保険関係が成立した事業については、その成立した日から50日以内に概算保険料を申告書に添えて納付します(同法第15条第1項)。有期事業の概算保険料は成立した日から20日以内です(同条第2項)。
手続きの流れ
- 1
保険関係がいつ成立したかを確認する
労災保険・雇用保険とも、適用事業が開始された日に保険関係が成立します(労働保険徴収法第3条・第4条)。厚生労働省は、労働者を1人でも雇う事業は強制適用事業だとしつつ、労働者5人未満の個人経営の農林水産の事業の一部は除かれること、それ以外も要件を満たせば任意加入できることを案内しています。任意加入では雇用保険の保険関係は厚生労働大臣の認可があった日に成立するため(同法附則第2条第1項)、期限の起点が変わります。
- 2
一元適用事業か二元適用事業かを確かめる
都道府県・市町村およびこれらに準ずるものの行う事業、港湾労働法第2条第2号の港湾運送の行為を行う事業、雇用保険法附則第2条第1項各号の事業、建設の事業は、労災保険と雇用保険を別個の事業とみなして手続します(労働保険徴収法第39条第1項、同法施行規則第70条)。これが二元適用事業で、それ以外が一元適用事業です(同規則第1条第3項第1号)。二元適用事業では労災保険分と雇用保険分の申告書を別に作成します。
- 3
保険関係成立届を10日以内に提出する
提出先は所轄労働基準監督署長または所轄公共職業安定所長です(労働保険徴収法施行規則第4条第2項)。記載事項は、事業の名称、事業の概要、事業主の所在地、事業に係る労働者数、有期事業の場合は予定期間、建設の事業の場合は請負金額と発注者、法人番号を有する場合はその法人番号などです(同条第1項)。厚生労働省は、成立手続は労働基準監督署およびハローワークで行っていると案内しています。
- 4
概算保険料申告書を作り、50日以内に申告・納付する
保険年度の中途に保険関係が成立した事業は、その成立した日から50日以内に、その保険年度に使用するすべての労働者の賃金総額の見込額に保険料率を乗じて算定した概算保険料を、申告書に添えて納付します(労働保険徴収法第15条第1項)。賃金総額に1,000円未満の端数があるときは切り捨てます(同項第1号)。厚生労働省の案内で「様式第6号」と呼ばれる用紙は、概算・増加概算・確定保険料申告書に共通です。
- 5
雇用保険の手続はハローワークで別に行う
事業所を設置したときは、設置の日の翌日から起算して10日以内に、登記事項証明書、賃金台帳、労働者名簿その他これらの事項を証明できる書類を添えて、事業所の所在地を管轄する公共職業安定所長に届け出ます(雇用保険法施行規則第141条第1項)。被保険者となったことの届出(資格取得届)は、その事実のあった日の属する月の翌月10日までに同じくハローワークへ提出します(同規則第6条第1項)。
- 6
翌年度以降は年度更新でまとめて申告・納付する
事業主は保険年度ごとに、6月1日から40日以内に新年度の概算保険料を申告・納付し(労働保険徴収法第15条第1項)、同じ期間に前年度の確定保険料の申告書を提出します(同法第19条第1項)。厚生労働省も、この年度更新の手続は毎年6月1日から7月10日までの間に行わなければならないと案内しています。この2つをまとめて行う手続が「年度更新」です。
主な必要書類
- 保険関係成立届(厚生労働省の案内では「様式第1号」)(事業の名称、事業の概要、事業主の所在地、労働者数、法人番号などを記載します(労働保険徴収法施行規則第4条第1項)。)
- 登記事項証明書など記載事項を確認できる書類(求められた場合のみ)(労働基準監督署長・公共職業安定所長が必要と認めるときに提出を求めることができる規定です(同規則第4条第3項)。常時の添付義務ではありません。)
- 概算・増加概算・確定保険料申告書(同じく「様式第6号」)(概算保険料申告書・増加概算保険料申告書・確定保険料申告書に共通して使われる用紙です。)
- 領収済通知書(納付書)(厚生労働省は申告書から切り離さずに金融機関へ提出して納付するよう案内しています。金額の訂正はできません。)
- 雇用保険適用事業所設置届の添付書類(登記事項証明書、賃金台帳、労働者名簿等)(雇用保険法施行規則第141条第1項が添付を求めています。提出先はハローワークです。)
- 確定保険料算定基礎賃金集計表(厚生労働省の年度更新パンフレットは、提出は不要だが申告書の控えと併せて保管するよう案内しています。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
この届出・申告そのものに手数料は定められていません。納めるのは労働保険料(労災保険分と雇用保険分)で、賃金総額または賃金総額の見込額に保険料率を乗じて算定します(労働保険徴収法第15条・第19条)。労災保険の保険関係が成立している事業主は、石綿健康被害救済法の一般拠出金も納めます(同法第35条第1項。額は賃金総額に一般拠出金率を乗じて算定=同法第37条第1項)。ただし一般拠出金には概算での前払いがなく、同法第38条が準用するのは徴収法第19条(確定保険料)だけです。そのため、保険関係が成立した年度に提出する概算保険料申告書に一般拠出金は含まれず、翌年度以降の年度更新で「労働保険概算・確定保険料/石綿健康被害救済法一般拠出金申告書」として労働保険料と一体で申告・納付します。
提出先・提出方法
保険関係成立届は、所轄労働基準監督署長または所轄公共職業安定所長に提出します(労働保険徴収法施行規則第4条第2項)。概算・増加概算・確定保険料申告書は所轄都道府県労働局歳入徴収官に提出するのが原則で、日本銀行(その代理店である金融機関を含みます)、年金事務所、所轄労働基準監督署長、所轄公共職業安定所長を経由することもできます。ただしどこを経由できるかは、社会保険適用事業所かどうか、有期事業以外かどうか、労働保険事務組合に委託していないかどうか、6月1日から40日以内の提出かどうかなどにより区分されています(同規則第38条第1項・第2項)。実際の経由先は、送付された封筒の記載や管轄の都道府県労働局の案内で確認してください。e-Govによる電子申請も利用できます。
つまずきやすいポイント
- 成立届の10日と概算保険料申告の50日は、条文上それぞれ別の期限です(労働保険徴収法第4条の2第1項、第15条第1項)。期限を1つと思い込むと概算保険料の申告漏れにつながります。有期事業の概算保険料は成立した日から20日以内です(同条第2項)。
- 保険関係成立届と概算・増加概算・確定保険料申告書は、厚生労働省の「主要様式ダウンロードコーナー」に白紙様式が掲載されていません。同省は、掲載のない様式は電子申請を利用するか、最寄りの労働基準監督署または労働局で入手するよう案内しています。用紙を印刷するつもりで期限直前に着手すると間に合わないおそれがあります。
- 確定保険料の申告書の未提出や記載の誤りが認められるとき、政府が額を決定して通知し、通知の日から15日以内に納付します(労働保険徴収法第19条第4項・第5項)。10%の追徴金も加算されます(同法第21条第1項。天災等やむを得ない理由による場合や対象額1,000円未満のときは除かれます)。概算保険料にも決定・15日以内納付の規定はありますが(同法第15条第3項・第4項)、追徴金は及びません。
- 労働保険徴収法第46条の罰則列挙に成立届の不提出は含まれませんが、労災保険法第31条第1項第1号は、事業主が故意または重大な過失により成立の届出をしていない期間中に生じた事故について保険給付を行ったときは、その費用に相当する額の全部または一部を事業主から徴収できると定めています。
- 概算保険料の分割納付(延納)は自動では認められません。有期事業以外では、概算保険料が40万円以上(労災または雇用の一方のみ成立の事業は20万円以上)か労働保険事務組合に委託している場合に、申告書提出の際に申請したときに限られます。しかもその保険年度の10月1日以降に保険関係が成立した事業は、金額にかかわらず延納の対象から除かれます(同法施行規則第27条第1項)。
よくある質問
保険関係成立届を出さなかった場合、罰則はありますか。
労働保険徴収法第46条は、雇用保険印紙の貼付・消印、帳簿の備付けと記載、報告、当該職員の質問・検査への対応に関する違反を罰則の対象として列挙しており、保険関係成立届の不提出は挙げられていません。ただし労災保険法第31条第1項第1号により、事業主が故意または重大な過失で成立の届出をしていない期間中に生じた事故については、保険給付に要した費用に相当する額の全部または一部を徴収されることがあります。罰則の有無にかかわらず、届出は法律上の義務です。
年度更新はいつ行いますか。
労働保険徴収法第15条第1項と第19条第1項は、保険年度ごとに6月1日から40日以内に概算保険料の申告・納付と確定保険料の申告を行うと定めています。厚生労働省も、この手続は毎年6月1日から7月10日までの間に行わなければならないと案内しています。手続が遅れると政府が保険料・拠出金の額を決定し、さらに10%の追徴金を課すことがあると同省は説明しています。
電子申請は必ず使わなければなりませんか。
事業年度開始時の資本金・出資金等の額が1億円を超える法人、相互会社、投資法人、特定目的会社(特定法人)は、概算・増加概算・確定保険料申告書を電子情報処理組織で提出することとされています(労働保険徴収法施行規則第24条第3項、第25条第3項、第33条第2項)。ただし労働保険事務組合に委託している事業に係るものはいずれも対象外で、成立した日から50日以内に行う概算保険料申告書の提出も除かれます(同規則第24条第3項)。回線の故障や災害等で電子情報処理組織の使用が困難と認められ、かつそれによらず提出できると認められる場合も同様です(同各項ただし書)。
概算保険料の「賃金総額の見込額」はどう決めますか。
労働保険徴収法第15条第1項は、その保険年度に使用するすべての労働者に係る賃金総額の見込額に保険料率を乗じて算定すると定めています。同法施行規則第24条第1項は、当該保険年度の保険料算定基礎額の見込額が直前の保険年度の100分の50以上100分の200以下である場合を、直前の保険年度の額を用いる場合として定めています。厚生労働省のパンフレットも、見込額が前年度の2分の1以上2倍以下であれば前年度の賃金総額をそのまま使うと案内しています。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(厚労省・労働局)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-07-30)。
厚労省・労働局の他の書式
- 労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)+事業計画書(様式第3号)+更新申請書
- 労働者派遣事業関係変更届出書(様式第8号系列)/収支決算書・事業報告書
- 派遣元・派遣先管理台帳(様式例)/責任者選任に関する様式
- 有料・無料職業紹介事業許可申請書+事業計画書(様式第1号・第2号)
- 職業紹介事業 変更届出書・廃止届出書・事業報告書(様式第6〜8号)
- 労働条件通知書(一般・短時間・派遣・建設・林業労働者用、多言語版含む)
- 雇用契約書(労働条件通知書兼用モデル様式)
- モデル就業規則(最新版・外国語版・やさしい日本語版)
- 就業規則(作成・変更)届+意見書
- 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定:一般条項=様式第9号/特別条項=様式第9号の2)
- 1年単位/1か月単位の変形労働時間制に関する協定届
- 労働者代表(過半数代表者)選任書
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は厚労省・労働局が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。