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個別労働紛争 あっせん申請書/労働条件相談・助言指導申出書
職場のトラブルを裁判によらず解決する国の制度です。個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律に基づき、都道府県労働局が、総合労働相談コーナーでの情報提供・相談、労働局長による助言・指導(法4条1項)、紛争調整委員会によるあっせん(法5条1項)の3つの援助を行います。あっせんの申請は規則4条の様式第1号によります。助言・指導の申出には法令上の様式がなく、申出票を公開する労働局と公開しない労働局があるため、有無や名称は提出先で確認してください。いずれも話合いを促す制度で、参加や合意を強制する仕組みは条文上ありません。
誰が・どんなときに必要?
対象は個々の労働者と事業主との労働条件その他労働関係の紛争で、どちらからも申し出られます。募集・採用の紛争は法5条1項括弧書であっせんの対象から除かれます。国家公務員・地方公務員は原則適用除外です(法22条本文。ただし書に例外)。船員職業安定法6条1項の船員等は法21条1項で窓口が地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)に読み替えられ、同条2項で法6条から19条までは適用されませんが、同条4項で法9条及び法12条から19条までが読み替えて準用されます。したがって船員については、本ページで説明する様式第1号・紛争調整委員会による手続はそのままは当てはまりません。申請に法定の期限はありません。
手続きの流れ
- 1
対象になる紛争かを確かめる
労働条件の不利益変更や解雇、いじめ・嫌がらせ、損害賠償など、個々の労働者と事業主の民事上の紛争が対象です。厚生労働省は、労働組合と事業主の紛争、労働者どうしの紛争、他の法律に紛争解決援助制度がある紛争、裁判で係争中・確定判決が出ている紛争は対象にならないとしています。募集・採用の紛争は助言・指導のみで、あっせんの対象からは除かれます(法5条1項)。
- 2
総合労働相談コーナーに相談する
都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)や労働基準監督署内などにある総合労働相談コーナーが、情報提供と制度説明のワンストップ窓口です。申出・申請の受付もここで行われます。どの制度を使うか、他の法律の調停に回る事案でないかを含めて、ここで整理します。相談は労働者・事業主のどちらからでも可能です。
- 3
助言・指導を申し出る(申出票を書く)
助言・指導は法4条1項に基づき都道府県労働局長が行います。法令上の申請様式はなく、東京労働局は「個別労働関係紛争解決援助申出票(助言・指導)」を配布しています。宮城労働局は「労働局長の助言・指導申出票」と名称が異なり、様式を公開していない労働局もあります。申出人・被申出人・就労状況を書き、別紙に紛争の概要と相手方に求める事柄を書く形式です。東京労働局の注意書きでは、別紙はそのまま相手方に伝えられ、事実認定は行わないとされています。
- 4
あっせん申請書(様式第1号)を作成する
様式第1号は、労働者と事業主の氏名・住所、労働者に係る事業場の名称と所在地、あっせんを求める事項及びその理由、紛争の経過、その他参考となる事項、申請人名で構成されます。裏面の注意では、求める事項と理由は原因となった事項と相手方への請求内容をできる限り詳しく、書ききれないときは別紙に記載して添付するよう求めています。訴訟や労働委員会への係属の有無も書きます。
- 5
管轄の都道府県労働局に提出する
あっせん申請書は、紛争当事者である労働者に係る事業場の所在地を管轄する都道府県労働局の長に提出します(規則4条)。窓口は同局の雇用環境・均等部(室)または同じ都道府県内の総合労働相談コーナーです。裏面では申請人本人の来局が原則望ましいとされ、遠隔地などでは郵送等も可能とされています。厚生労働省は、あっせんは電子申請が可能とも案内しています。
- 6
委任から期日までの手続を知る
局長が必要と認めればあっせんを紛争調整委員会に委任し、会長が3人のあっせん委員を指名します(法12条1項・規則6条1項)。ただし、あっせん委員は必要があると認めるときは手続の一部を特定のあっせん委員に行わせることができ(規則7条1項)、厚生労働省のパンフレットの比較表では実施体制を「あっせん委員(弁護士等:1人)」と記載しています。双方に開始が通知され、被申請人の参加意思が確認されます。代理には許可が必要で(規則8条3項)、手続は非公開です(規則14条)。
主な必要書類
- あっせん申請書(様式第1号)(施行規則4条の法令様式。厚生労働省サイトからPDF・Word形式で入手でき、労働局や総合労働相談コーナーにも用意されています。)
- 別紙(あっせんを求める事項及びその理由)(所定の欄に書ききれないときに作成して添付します(様式第1号裏面)。)
- 別紙(紛争の経過)(発生年月日、継続行為なら最後に行われた年月日、双方の見解、交渉の状況を詳しく記載して添付します(様式第1号裏面)。)
- 個別労働関係紛争解決援助申出票(助言・指導)(法令様式ではありません。東京労働局はWord形式で配布し、宮城労働局は「労働局長の助言・指導申出票」の名称です。様式ページにあっせん申請書だけを掲載し、申出票を公開していない労働局もあるため、提出先で確認してください。)
- 別紙 申出事項(申出票用)(紛争の概要と被申出人に求める事柄を簡潔に記載します。東京労働局の注意書きでは、この別紙はそのまま相手方に送付・伝達されるとされています。)
- 補佐人許可申請書(あっせんの期日に補佐人を伴って出席する場合に、あっせん委員の許可を得るために用います(規則8条2項)。厚生労働省サイトに様式があります。)
- 代理人許可申請書(期日での意見の陳述等を他人に代理させる場合に、代理人の氏名・住所・職業を記載して提出します(規則8条3項)。あっせん委員の許可はこの手続に関するもので、報酬を得て他人の紛争の代理を業として行うことができる者は別に法律で限られています。誰に依頼できるかは、あらかじめ総合労働相談コーナーにご確認ください。)
- 代理権授与の事実を証明する書面(代理人許可申請書に添付することが規則8条3項で求められています。)
- あっせん案を受諾する旨の書面(あっせん案を受諾したときに、その旨と氏名又は名称を記載してあっせん委員に提出します(規則9条2項)。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
法令に手数料の定めは置かれていません。国の登録免許税についても、登録免許税法別表第一に本手続に対応する項はありません。厚生労働省は案内ページで「ご利用は無料です」と説明し、パンフレットでも「あっせんの利用に係る手数料はかかりません」としています。なお、郵送で提出する場合の送料など手続に付随する自己負担についてまで説明されているわけではありません。
提出先・提出方法
あっせん申請書は、紛争当事者である労働者に係る事業場の所在地を管轄する都道府県労働局の長に提出します(施行規則4条)。実際の窓口は、その都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)、または同じ都道府県内の総合労働相談コーナーです。厚生労働省のパンフレットでは、紛争が発生した時点で労働者が使用されていた事業場の所在地を基準にすると説明されています。様式第1号の裏面では、申請人本人が来局して提出することが原則として望ましく、遠隔地からの申請等では郵送等による提出も可能とされています。厚生労働省は、あっせんは電子申請が可能であるとも案内しています。助言・指導の申出も、同じく都道府県労働局雇用環境・均等部(室)または最寄りの総合労働相談コーナーで受け付けられます。なお、船員職業安定法6条1項の船員及び船員になろうとする者については、法21条1項により「都道府県労働局長」が「地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)」と読み替えられ、あっせんも同局長が指名するあっせん員が行います。同条2項により法6条から19条までは適用されませんが、同条4項により法9条及び法12条から19条までは当該あっせんについて読み替えて準用されます(この場合「厚生労働省令」は「国土交通省令」と読み替えられます)。ここで説明した紛争調整委員会・様式第1号・都道府県労働局への提出という流れは当てはまらないため、手続は地方運輸局にご確認ください。
つまずきやすいポイント
- 性別による差別やセクハラ、妊娠・出産等の不利益取扱い(均等法16条)、育児介護(育介法52条の3)、パート・有期の待遇(パート有期法23条)、パワハラ防止措置(労働施策総合推進法30条の4)など、各法が定める事項についての紛争は、個紛法4条・5条等が適用されず、同じ紛争調整委員会でも調停の手続になります。いじめ・嫌がらせでも、これらの事項に当たらない民事紛争はあっせんの対象とされています。どちらになるかは窓口でご確認ください。
- あっせんは相手方の参加を強制できません。被申請人が参加する意思がない旨を表明したときは打ち切ることができ(規則12条1項1号・法15条)、あっせん案を一方又は双方が受諾しないときも打ち切りの対象です(同2号)。
- 申請すれば必ずあっせんが行われるわけではありません。都道府県労働局長は、事件がその性質上あっせんをするのに適当でないと認めるとき等は、委員会にあっせんを行わせないものとされています(規則5条2項)。
- 申請・申出そのものに法定の期限はありませんが、対象となる請求権には時効があります。賃金の請求権は労基法115条で5年、附則143条3項により当分の間3年(退職手当は5年)とされています。放置は不利に働きます。
- 不利益取扱いの禁止(法4条3項、あっせんは法5条2項で準用)は定められていますが、この法律には罰則を定める条文が置かれていません。禁止規定があることと刑罰があることは別です。
よくある質問
あっせんや助言・指導に費用はかかりますか。
法令に手数料の定めは置かれておらず、登録免許税法別表第一にも該当する項はありません。厚生労働省は案内ページで「ご利用は無料です」と説明し、パンフレットでも「あっせんの利用に係る手数料はかかりません」としています。ただし、郵送で提出する場合の送料など、手続に付随する自己負担まで無料と説明されているわけではありません。
相手方が話合いに応じない場合はどうなりますか。
開始通知を受けた被申請人が参加する意思がない旨を表明したときは、あっせんを打ち切ることができます(規則12条1項1号・法15条)。厚生労働省は、不参加の場合はあっせんを実施せず打切りとなり、他の紛争解決機関の説明・紹介になると案内しています。打切りの通知を受けた日から30日以内にあっせんの目的となった請求について訴えを提起したときは、時効の完成猶予に関しては申請の時に訴えの提起があったものとみなされます(法16条)。
助言・指導を先に使わないと、あっせんを申請できませんか。
厚生労働省のパンフレットは、助言・指導で解決しなかった場合にあっせん等へ進めるとしたうえで、あっせんを申請する場合に必ずしも前段階として助言・指導の手続が必要となるわけではないと明記しています。どちらから利用するかは、総合労働相談コーナーで事案の内容を相談したうえで選べます。
あっせんで合意すれば、強制執行できますか。
厚生労働省のパンフレットは、紛争当事者間で成立した合意は民法上の和解契約の効力を持つとし、他制度との比較表では「民事上の和解契約(強制執行不可)」と記載しています。また、あっせん案が示されても、その受諾を強制するものではないとされています。強制執行までを求める場合は、別の制度を検討することになります。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(厚労省・労働局)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-08-06)。
この書式は、提出先の自治体・都道府県によって様式や必要書類が異なる場合があります。実際の提出前に、提出先の窓口または公式ページで最新の様式・要件をご確認ください。
厚労省・労働局の他の書式
- 労働者派遣事業許可申請書(様式第1号)+事業計画書(様式第3号)+更新申請書
- 労働者派遣事業関係変更届出書(様式第8号系列)/収支決算書・事業報告書
- 派遣元・派遣先管理台帳(様式例)/責任者選任に関する様式
- 有料・無料職業紹介事業許可申請書+事業計画書(様式第1号・第2号)
- 職業紹介事業 変更届出書・廃止届出書・事業報告書(様式第6〜8号)
- 労働条件通知書(一般・短時間・派遣・建設・林業労働者用、多言語版含む)
- 雇用契約書(労働条件通知書兼用モデル様式)
- モデル就業規則(最新版・外国語版・やさしい日本語版)
- 就業規則(作成・変更)届+意見書
- 時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定:一般条項=様式第9号/特別条項=様式第9号の2)
- 1年単位/1か月単位の変形労働時間制に関する協定届
- 労働者代表(過半数代表者)選任書
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は厚労省・労働局が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。