有期労働契約書(契約社員)

契約社員 雇用契約書、有期雇用契約書、期間の定めのある労働契約書、労働条件通知書兼雇用契約書、嘱託社員 契約書、有期労働契約 更新とも呼ばれます。

有期労働契約書は、期間を定めて働く労働契約の内容を示す書面です。契約社員・嘱託・臨時社員などで使います。使用者は、契約期間や賃金など一定事項を書面で明示します(労働基準法15条1項)。

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どんなときに必要か

期間の定めのある労働契約を結ぶたびに使います。更新も新たな契約締結に当たります。通算契約期間が5年を超え、無期転換申込権が生じる契約では明示事項が増えます(労働契約法18条1項)。

書面にする必要はあるか

法定の書面要件があります。原則は労働者への書面交付です。労働者が希望した場合はFAX送信や電子メール等も使えますが、電子メール等は出力して書面を作成できるものに限ります(労働基準法施行規則5条4項)。

記載が必要な事項

  • 契約期間

    始期と終期を明示します。期間の定めのないものと一定の事業の完了に必要な期間を定めるものを除き、原則の上限は3年です。上限超過は裁判所から30万円以下の罰金に処される可能性があります(労働基準法14条1項、労働基準法120条1号)。

  • 更新の有無と基準

    更新の有無と判断基準を明示します。通算契約期間や更新回数に上限を置く場合は、その上限も書きます。欠落すると、更新への期待をめぐる争いの原因になります。

  • 就業場所と業務

    就業の場所、従事する業務、変更の範囲を明示します。古い様式に変更の範囲欄がない場合は、明示事項を欠いた書面になります。

  • 労働時間等

    始業終業時刻、所定外労働の有無、休憩、休日、休暇を明示します。労働者を二組以上に分ける場合は、就業時転換に関する事項も含みます(労働基準法施行規則5条1項2号)。

  • 賃金の決定・支払

    賃金の決定、計算、支払方法、締切、支払時期を明示します。労働基準法上、昇給に関する事項は書面交付事項から除かれます。契約社員には昇給の有無自体を文書で明示します。

  • 退職事項

    退職に関する事項を明示します。解雇の事由も含みます。期間途中の解雇は、やむを得ない事由がある場合に限られる点を前提に書きます。

  • 昇給等と相談窓口

    昇給、退職手当、賞与の有無と、雇用管理の改善等に関する相談窓口を文書で明示します。違反は裁判所から10万円以下の過料に処される可能性があります(パート・有期雇用労働法6条1項、パート・有期雇用労働法31条)。

  • 無期転換事項

    通算契約期間が5年を超え、無期転換申込権が生じる契約では、申込みに関する事項と転換後の労働条件を明示します。書面交付が要る範囲も定められています(労働基準法施行規則5条5項)。

無効・効力が否定されやすい条項

古い雛形をそのまま使うと、次の点でつまずくことがあります。

  • 契約期間の上限超過。原則は3年です。高度専門職で当該業務に就く労働者と満60歳以上の労働者は5年です。対象外の5年契約は、裁判所から30万円以下の罰金に処される可能性があります(労働基準法14条1項、労働基準法120条1号)。

  • 更新上限と変更の範囲の欄がない旧様式。更新回数・通算契約期間の上限、就業場所と業務の変更の範囲を欠くと、明示事項を満たしません。

  • 契約期間中は退職できないと読める条項。期間を定めた雇用でも、やむを得ない事由があるときは各当事者が直ちに解除できます(民法628条)。

  • 中途退職の違約金や損害賠償額の予定。使用者は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額の予定を定められません(労働基準法16条)。

  • パート・有期雇用労働法の4項目欠落。昇給、退職手当、賞与の有無と相談窓口は、契約社員にも文書明示します。違反は裁判所から10万円以下の過料に処される可能性があります(パート・有期雇用労働法31条)。

  • 無期転換を避ける形だけの空白期間。原則6か月以上の空白期間があると、前に満了した契約期間は通算契約期間に入りません(労働契約法18条2項)。

作成の流れ

  1. 1

    上限区分を確かめる

    まず契約期間の上限区分を見ます。原則は3年です。高度専門職で当該業務に就く労働者と満60歳以上の労働者は5年です。一定の事業の完了に必要な期間を定める契約は別枠です(労働基準法14条1項)。

  2. 2

    更新方針を決める

    更新の有無、判断基準、更新回数や通算契約期間の上限を決めます。1回の期間を必要以上に短くして反復更新する設計は、労働者を使用する目的との関係で配慮対象になります(労働契約法17条2項)。

  3. 3

    書面事項を並べる

    契約期間、更新基準、就業場所・業務と変更の範囲、労働時間、休憩、休日、休暇、賃金、退職事項を並べます。退職事項には解雇の事由を含めます。

  4. 4

    4項目を足す

    昇給、退職手当、賞与の有無と、雇用管理の改善等に関する相談窓口を足します。制度がない場合も、有無を答える欄として明示します(パート・有期雇用労働法6条1項)。

  5. 5

    交付方法を選ぶ

    原則は書面交付です。労働者が希望した場合はFAXや電子メール等も使えます。電子メール等は、労働者が記録を出力して書面を作成できるものに限ります(労働基準法施行規則5条4項)。

この書式だけでは足りない場面

有期契約は、更新、雇止め、無期転換、期間途中の退職や解雇で争いが起きやすい書面です。正社員との賞与や手当の差も、労働契約法やパート・有期雇用労働法の当てはめになります。

よくある質問

労働条件通知書と雇用契約書は両方要りますか。
条文上の名称は限定されません。所定事項が明らかな書面を交付します。実務では一体の書面にする例があります。
契約期間は最長で何年ですか。
原則は3年です。高度専門職で当該業務に就く労働者と満60歳以上の労働者は5年です(労働基準法14条1項)。
更新して通算5年を超えるとどうなりますか。
労働者が期間満了日までに無期転換を申し込むと、使用者は承諾したものとみなされます(労働契約法18条1項)。ただし、専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法に例外があります。定年後に第二種認定事業主のもとで引き続き雇用されている期間は、通算契約期間に算入されません。
電子メールで送れますか。
労働者が希望した場合に限り使えます。電子メール等は、出力して書面を作成できるものに限ります。

出典

最終確認日: 2026-09-20

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