NATIONAL POLICE AGENCY
探偵業開始届出書/変更届出書/廃止届出書
探偵業(他人の依頼を受けて、特定人の所在や行動についての情報を、聞込み・尾行・張込みなどの実地の調査で集め、依頼者に報告する営業)を始めるには、営業所ごとに都道府県公安委員会への届出が必要です。許可制ではなく届出制で、特別な資格は要件とされていませんが、欠格事由に当たる方は営業できません。届出書は、その営業所の所在地を管轄する警察署長を経由して一通提出します。開始・変更・廃止で様式と提出期限が異なり、届出をしないで営業した場合や虚偽の記載には罰則が定められています。
誰が・どんなときに必要?
対象は、探偵業を営もうとする個人・法人です。開始届出書は、探偵業を開始しようとする日の前日までに提出します(規則2条2項)。廃止届出書・変更届出書は、廃止又は変更の日から10日以内です(同3条2項)。同項は登記事項証明書を添付すべき場合を20日以内としますが、内閣府令が添付書類を定めるのは変更の届出のみ(同3条3項)のため、20日となるのは役員変更など登記事項証明書を要する変更の届出です。届出は営業所ごとに行います。専ら報道機関の依頼を受け報道の用に供するものは探偵業から除かれます(法2条2項ただし書)。
手続きの流れ
- 1
探偵業に当たるか・欠格事由に当たらないかを確認する
探偵業務は、他人の依頼を受けて特定人の所在・行動の情報を実地の調査で集め報告する業務です(法2条1項)。欠格事由は法3条1号から7号です。2号の罰金の前科は探偵業法違反に限られ、5号は規則1条により、精神機能の障害で探偵業務を適正に行うのに必要な認知・判断・意思疎通ができない者に限られます。破産で復権を得ない者、拘禁刑以上の刑の執行終了等から5年未経過の者、最近5年間に法15条の処分(営業停止・廃止命令)に違反した者、暴力団員等、一定の未成年者、役員が該当する法人も欠格です。
- 2
添付書類をそろえる
添付書類は規則2条3項に定められています。個人は、履歴書、本籍等が記載された住民票の写し、法3条1号から6号のいずれにも該当しないことを誓約する書面、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書(窓口では「身分証明書」と呼ばれます)です。法人は、定款及び登記事項証明書に加え、役員全員の履歴書・住民票の写し・市町村長の証明書と、法3条1号から5号の非該当を誓約する書面です。
- 3
様式に記入する
様式は、開始が別記様式第1号、廃止が第2号、変更が第3号です(規則2条1項・3条1項)。開始届出書に書く事項は法4条1項各号で、商号・名称又は氏名及び住所、営業所の名称・所在地と主たる営業所である場合はその旨、広告又は宣伝に使用する名称があるときはその名称、法人は役員の氏名及び住所です。様式と記載例は各都道府県警察のサイトで配布されています。
- 4
営業所の所在地を管轄する警察署長を経由して提出する
規則1条の2により、届出書はその営業所の所在地の所轄警察署長を経由して一通提出します。窓口は警察署の生活安全課(係)などで、受付時間を定めている県もあります。法人でも本社の所在地ではなく、探偵業を営む営業所を管轄する警察署が経由先です。手数料は都道府県の条例で定められるため、金額の有無を含めて提出先で確認してください。
- 5
標識を作成して掲示し、必要な場合はウェブサイトにも掲載する
届出をしたことを示す内閣府令様式の標識(規則5条・別記様式第4号)を、営業所の見やすい場所に掲示します(法12条2項)。あわせて、常時使用する従業者が5人以下の場合又は自ら管理するウェブサイトがない場合(規則6条1項)を除き、自社ウェブサイトに掲載します。標識は探偵業者自身が作成します。なお、探偵業者以外の者は、この標識又はこれに類似する標識を掲示し、又は電気通信回線を通じて公衆の閲覧に供してはならず、違反は20万円以下の罰金です(法12条3項・20条)。
- 6
変更・廃止の届出と、名簿の備付けを続ける
届出事項に変更があったとき、探偵業を廃止したときは、その日から10日以内に届け出ます。変更の届出書に登記事項証明書を添付すべき場合(役員変更など)は20日以内です(規則3条2項・3項)。都道府県をまたぐ営業所の移転は公安委員会が変わるため、警視庁の案内では、移転前の県に廃止届出書、移転後の県に開始届出書を出す扱いとされています。営業所ごとに従業者名簿を備え、写真を貼り所定事項を記載します(規則4条)。
主な必要書類
- 探偵業開始届出書(別記様式第1号)/廃止届出書(第2号)/変更届出書(第3号)(規則2条1項・3条1項。所轄警察署長を経由して一通提出します(規則1条の2)。)
- 履歴書(個人は本人分、法人は役員全員分(規則2条3項1号イ・2号ロ)。様式の定めは条文にありません。)
- 住民票の写し(本籍等(外国人は国籍等)が記載されたものに限られます(規則2条3項1号イ)。個人番号を省略したものを求める案内が一般的です。)
- 誓約書(欠格事由の非該当)(個人は法3条1号から6号、法人役員は1号から5号のいずれにも該当しない旨(規則2条3項1号ロ・2号ハ)。)
- 市町村長の証明書(窓口の呼称は「身分証明書」)(破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の証明(規則2条3項1号ハ)。運転免許証等ではありません。)
- 定款(法人の場合に必要です(規則2条3項2号イ)。)
- 登記事項証明書(法人の場合に必要です(規則2条3項2号イ)。この書類を添付すべき変更の届出は、提出期限が20日以内になります。)
- 未成年者に係る書類(探偵業に関し営業の許可を受けている未成年者は法定代理人の氏名・住所の書面と許可を受けていることを証する書面、許可を受けていない場合は法定代理人に係る書類(規則2条3項1号ニ)。)
- 変更届出書の添付書類(開始届出書の添付書類のうち、当該変更事項に係るものです(規則3条3項)。廃止の届出について内閣府令が定める添付書類はありません。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」には探偵業の項がなく、標準額は定められていません(「探偵」の語は同政令の附則の施行期日にのみ現れます)。手数料は都道府県の条例で定められるため、提出先で確認してください。参考として、警視庁は東京都の開始・変更・廃止の各届出について「届出手数料・・・なし」と案内していますが、他の都道府県の取扱いは各窓口でご確認ください。なお、この手続に登録免許税は課されません(登録免許税法別表第一に該当する項がありません)。別途、登記事項証明書や住民票の写し、市町村長の証明書の取得には各交付機関の手数料がかかります。
提出先・提出方法
営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会です(法4条1項)。国の機関ではありません。提出は、その営業所の所在地の所轄警察署長を経由して一通行います(規則1条の2)。実際の受付窓口は警察署の生活安全課(係)などで、受付時間を定めている県もあります。届出は営業所ごとに行うため、同じ都道府県内に営業所が複数あればその数だけ届出をし、他の都道府県にもあればその県の公安委員会にも届け出ます。
つまずきやすいポイント
- 届出制であり許可制ではありませんが、届出をしないで探偵業を営むと6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象です(法18条1号)。また、届出をしても、他の法令で禁止・制限されている行為ができるわけではなく、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければなりません(法6条)。官公庁サイトの「禁錮以上の刑」「懲役」の表記は、現行の法3条2号・18条では「拘禁刑」です。
- 令和6年4月1日の改正で探偵業届出証明書は廃止され、代わりに探偵業者が自ら標識を作成し、営業所に掲示するとともに、除外に当たらなければウェブサイトにも掲載する扱いになりました(警視庁のお知らせ)。証明書の交付を前提に準備を進めないよう注意してください。
- 警察庁の解説は変更・廃止の期限を「10日以内」とだけ案内しており、規則3条2項の20日の例外に触れていません。20日となるのは役員変更など登記事項証明書を要する変更の届出で、廃止の届出は添付書類の定めがなく10日以内です(規則3条3項)。もっとも20日の範囲は官公庁の案内では明示されていないため、10日以内の提出を基本に、実際の期限は提出先にご確認ください。
- 都道府県をまたぐ営業所の移転は、公安委員会が異なるため変更届出書だけでは足りず、警視庁の案内では移転前の県への廃止届出書と移転後の県への開始届出書が必要とされています。同一県内の移転とは扱いが異なります。
- 届出後も義務は続きます。依頼者から、調査結果を違法な行為に用いない旨の書面の交付を受け(法7条)、重要事項説明書面と契約書面を交付します(法8条・不交付は法19条3号で30万円以下の罰金)。調査結果が違法な行為に用いられると知ったときはその探偵業務を行えず(法9条1項)、業務上知り得た人の秘密は従事しなくなった後も漏らしてはなりません(法10条1項)。
よくある質問
探偵業を始めるのに資格は必要ですか。
探偵業法は、探偵業を営むための資格を要件としていません。ただし、法3条各号の欠格事由に該当する方は探偵業を営めず、届出をしないで営業すると6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金の対象になります。また、届出をしても、他の法令で禁止・制限されている行為ができるようになるわけではなく、探偵業務であることを理由に特別な権限が与えられるものでもありません。探偵業者等は、人の生活の平穏を害する等個人の権利利益を侵害することがないようにしなければなりません(法6条)。
手数料はいくらかかりますか。
「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」には探偵業の項がなく、標準額は定められていません。手数料は都道府県の条例で定められるため、提出先で確認してください。参考として、警視庁は東京都の開始・変更・廃止の各届出について「届出手数料・・・なし」と案内しています。なお、この手続に登録免許税は課されません(登録免許税法別表第一に該当する項がありません)。
営業所が複数ある場合はどう届け出ますか。
届出は営業所ごとに行います。同じ都道府県内に複数の営業所があれば、同じ公安委員会に営業所の数だけ届出をし、他県にもあればその県の公安委員会にも届け出ます。経由先は本社の所在地ではなく、探偵業を営む営業所を管轄する警察署です。警視庁の案内では、本社が探偵業を営んでいない場合、本社について届出をする必要はないとされています。
提出してからどのくらいで営業を始められますか。
開始届出書は、探偵業を開始しようとする日の前日までに提出する必要があります(規則2条2項)。届出制のため、許可のような審査期間は条文に定められていません。もっとも、添付書類の不足や記載の不備があると受理までに日数がかかることがあり、窓口の受付時間を定めている県もあります。日程には余裕をもって準備してください。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(警察・公安委員会)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-08-05)。
警察・公安委員会の他の書式
- 古物商許可申請書(別記様式第1号その1〜その4)
- 風俗営業許可申請書(1号〜5号営業)/特定遊興飲食店営業許可申請書
- 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出書+営業の方法書
- 警備業認定申請書+認定証更新申請書
- 質屋営業許可申請書
- 性風俗関連特殊営業届出書
- 自動車運転代行業認定申請書
- 自動車保管場所証明申請書(車庫証明)+保管場所使用権原疎明書面・所在図配置図
- 道路使用許可申請書(工事・作業・催し物・看板設置等)
- 銃砲刀剣類等所持許可申請書
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は警察・公安委員会が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。