短時間勤務・所定外労働免除等申請書
育児短時間勤務申請書、所定外労働免除申請書、時短勤務申請書、残業免除申出書、柔軟な働き方の措置申出書 とも呼ばれます。
短時間勤務・所定外労働免除等申請書は、育児介護休業法の育児両立支援措置を労働者が会社へ申し出る社内様式である。3歳未満の子を養育し育児休業をしていない労働者による所定労働時間短縮措置(23条1項)の申出、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者による所定外労働の制限(16条の8)の請求、2025年10月施行の柔軟な働き方の措置(23条の3)の申出を1枚にまとめる。行政機関へ提出する書類ではなく労使間で完結するが、権利ごとに施行規則が申出方法と記載事項を書き分けるため、様式の設計を誤ると権利行使が滞る。
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どんなときに必要か
3歳に満たない子を養育し育児休業をしていない労働者が原則1日6時間への短縮を希望するとき、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者が残業をさせないよう会社に請求するとき、3歳から就学前の子を養育する労働者が柔軟な働き方の措置を選ぶときに用いる。所定外労働の制限は制限開始予定日の1か月前までの請求が必要で、育児介護休業法施行規則72条により「一日の所定労働時間が六時間以下の労働者」は短縮措置の対象から外れる。
書面にする必要はあるか
この申請書という様式自体を法定の書面とする規定はなく、様式の体裁は会社が決めてよい。ただし権利ごとに育児介護休業法施行規則が申出方法を書き分ける。所定外労働の制限の請求は施行規則45条2項が方法を限定する要式行為で、労働者が常に選べるのは「書面を提出する方法」だけであり、ファクシミリと電子メール等には「事業主が適当と認める場合に限る」との括弧書きが付く。子の看護等休暇の申出は施行規則35条1項が「事業主に対して明らかにすることによって、行わなければならない」と定めるのみで方式の限定がない。所定労働時間短縮措置の申出方法には個別の方式条文がなく、書面化は証拠目的である。
必ず入れる事項
請求の年月日・請求をする労働者の氏名
育児介護休業法施行規則45条1項は所定外労働の制限の請求について「次に掲げる事項を事業主に通知することによって行わなければならない」と定め、1号に請求の年月日、2号に請求をする労働者の氏名を掲げる。日付欄を欠くと1か月前という期限を満たしたかを立証できず、請求の成立時期そのものが争いになる。
請求に係る子の氏名・生年月日・続柄(出生前・特別養子縁組の記載欄と、養子の場合の縁組効力発生日を含む)
育児介護休業法施行規則45条1項3号は子の氏名・生年月日・続柄等を求め、まだ出生していない場合は出産予定者の氏名・出産予定日・続柄を、特別養子縁組の請求等の場合はその事実を記載させる。同項5号はさらに「請求に係る子が養子である場合にあっては、当該養子縁組の効力が生じた日」を掲げる。この欄を欠くと、出生前の請求も、既に養子縁組が成立した子の請求も法定の記載事項を満たせない。
制限期間の初日と末日(1か月以上1年以内)
育児介護休業法施行規則45条1項4号は制限期間の初日と末日を明らかにすることを求め、育児介護休業法16条の8第2項はその期間を「一月以上一年以内の期間に限る」と限定する。開始日だけを書かせて末日欄がない様式では期間の特定を欠き、有効な請求として扱われないおそれがある。
希望する措置の選択欄(所定外労働の制限・所定労働時間短縮・柔軟な働き方の措置)
育児介護休業法23条の3第1項は3歳から小学校就学の始期に達するまでの子について「次に掲げる措置のうち二以上の措置を講じなければならない」と定め、始業時刻変更等・在宅勤務等・時短・休暇付与・保育施設等の5つを掲げる。受け皿の欄がないと、会社が講じた措置への申出を受理できない。
現行と短縮後の所定労働時間欄(1日6時間の選択肢を含む)
育児介護休業法施行規則73条は「一日の所定労働時間を原則として六時間とする措置を含むものとしなければならない」と定める。他方で施行規則72条は「一日の所定労働時間が六時間以下の労働者」を短縮措置の対象から除くため、現行の所定労働時間を書かせる欄がないと対象外の申出を見分けられない。
労使協定による除外該当の確認欄
育児介護休業法16条の8第1項が労使協定で除外できるのは、1号の「当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者」と、2号を受けた施行規則44条の「一週間の所定労働日数が二日以下の労働者」の2類型だけである。協定と条文の裏付けのない独自の除外欄は根拠を欠く。
提出期限(制限開始予定日の1か月前)の明示
育児介護休業法16条の8第2項は所定外労働の制限の請求を「制限開始予定日の一月前までにしなければならない」と定める。期限の記載がないと直前提出が生じ、会社は開始日を繰り下げる根拠を説明できず、労働者は権利行使の時期を誤る。様式上に明記して双方の予測可能性を確保する。
時間外労働の制限との期間重複チェック欄
育児介護休業法16条の8第2項後段は、所定外労働の制限の制限期間について、17条の時間外労働の制限の制限期間と「重複しないようにしなければならない」と定める。両制度を1枚の様式で受け付けながら重複を検知しないと、条文が禁じる期間設定のまま運用してしまう。
証明書類の提出欄(任意)
育児介護休業法施行規則45条4項は、事業主が請求に係る子の妊娠・出生・養子縁組の事実等を証明する書類の提出を求めることができると定める。求めるかどうかは事業主の裁量であり、提出を受理の絶対条件とする欄設計は、書類が揃うまで請求を保留する運用につながりかねない。
無効・効力が否定されやすい条項
古い雛形をそのまま使うと、次の点でつまずくことがあります。
子の看護等休暇の対象を小学校就学前の子に限定したままの社内様式は現行法に合わない。育児介護休業法16条の2第1項は対象を「九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子」、すなわち小学校第三学年修了前の子とし、事由にも学校保健安全法20条による学校の休業に伴う世話や、施行規則33条の2の「入園、卒園又は入学の式典その他これに準ずる式典」への参加が加わった。旧基準のままでは小学2年生の親の正当な申出を誤って対象外にする。
所定外労働の制限(残業免除)の対象年齢を3歳未満に限った古い様式は、現行の育児介護休業法16条の8第1項が「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」を対象としていることに対応していない。会社が様式の年齢欄を根拠に受理を断れば、条文が定める請求権の行使を様式の不備で妨げた結果になる。対象年齢の上限を決めるのは様式ではなく条文である。
勤続1年未満などを理由に一律で拒む運用。育児介護休業法16条の8第1項が除外を認めるのは過半数労働組合、ないときは過半数代表者との書面による協定がある場合に限られ、除外できる範囲も1号の「当該事業主に引き続き雇用された期間が一年に満たない労働者」と、2号を受けた施行規則44条の「一週間の所定労働日数が二日以下の労働者」の2類型に尽きる。協定を結ばず、あるいは試用期間中といった独自類型を足した除外は、根拠を欠く取扱いと評価されうる。
業務の性質を理由に時短措置を講じない場合の代替措置漏れ。育児介護休業法23条1項3号は「業務の性質又は業務の実施体制に照らして」時短が困難と認められる業務の従事者を労使協定で除外できるとするが、23条2項は、除外した労働者に対し「育児休業に関する制度に準ずる措置」、在宅勤務等の措置、始業時刻変更等の措置のいずれかを講じる義務を課す。除外欄だけ設けて代替措置の申出欄を置かない様式は、義務の履行体制自体を欠くことになる。
時短のメニューに1日6時間の選択肢がない設計。育児介護休業法施行規則73条は「一日の所定労働時間を原則として六時間とする措置を含むものとしなければならない」と定めるため、7時間勤務のみ、隔日勤務のみといった会社独自のプランだけでは措置義務の履行として足りない。あわせて施行規則72条により「一日の所定労働時間が六時間以下の労働者」は対象から外れるので、現行の所定労働時間を確認する欄も併せて要る。
産前産後休業や育児休業が始まっても残業免除が続くと誤解した運用。育児介護休業法16条の8第4項は、労働基準法65条1項・2項により休業する期間、育児休業期間、出生時育児休業期間、介護休業期間が始まったときは「制限期間は、当該事情が生じた日」の前日に終了すると定める。請求に係る子が小学校就学の始期に達したときも終了する。復職後も残業免除を続けたいなら改めて請求する必要があり、様式に再請求の案内がないと免除に切れ目が生じる。
柔軟な働き方の措置を導入する際の手続漏れ。育児介護休業法23条の3第4項は、措置を講じようとするときはあらかじめ過半数労働組合、ないときは過半数代表者の「意見を聴かなければならない」と定める。23条の3第5項は3歳未満の子を養育する労働者への個別の周知と意向確認を求め、その時期は施行規則75条の8により「当該労働者の子が一歳十一か月に達する日の翌々日から二歳十一か月に達する日の翌日までの一年間」とされる。申請書だけでは義務を果たせない。
作成の流れ
- 1
対象要件の確認
労働者は養育する子の年齢と自身の勤務条件を確かめる。所定労働時間短縮措置は3歳未満の子を養育し育児休業をしていない労働者が対象で、育児介護休業法施行規則72条により「一日の所定労働時間が六時間以下の労働者」は外れる。所定外労働の制限は小学校就学の始期に達するまでの子が対象。3歳から就学前は育児介護休業法23条の3の柔軟な働き方の措置を使う。労使協定による除外に該当しないかもあわせて確認する。
- 2
申出方法の選択と記入
様式には請求の年月日、労働者の氏名、子の氏名・生年月日・続柄、希望する措置、制限期間の初日と末日を記入する(育児介護休業法施行規則45条1項)。所定外労働の制限の請求は施行規則45条2項が方法を限定し、労働者が確実に選べるのは「書面を提出する方法」で、ファクシミリと電子メール等は「事業主が適当と認める場合に限る」。就業規則や育児介護休業規程で会社が認めている方法を先に確かめる。
- 3
期限内の提出
所定外労働の制限の請求は、育児介護休業法16条の8第2項により「制限開始予定日の一月前までにしなければならない」。制限期間は1か月以上1年以内で、17条の時間外労働の制限(制限時間は「一月について二十四時間、一年について百五十時間」)の制限期間とは重複させられない。所定労働時間短縮措置と23条の3の措置には法定の請求期限がなく、会社の規程が独自の締切を置いていることが多いため、規程も確認する。
- 4
事業主による受理と確認
会社は記載事項を確認し、必要に応じて育児介護休業法施行規則45条4項に基づき子の妊娠・出生・養子縁組の事実等を証明する書類の提出を求める。求めるかどうかは事業主の裁量である。あわせて労使協定で定めた除外類型に該当するか、制限期間が時間外労働の制限の期間や既存の育児休業と重ならないかを点検する。請求後に子が出生したときは、労働者が氏名・生年月日・続柄を速やかに通知する(施行規則45条5項)。
- 5
措置内容の決定と労働者への伝達
会社は適用する措置、開始日と終了日、短縮後の所定労働時間を労働者に伝える。所定外労働の制限に応じないでよいのは、育児介護休業法16条の8第1項ただし書の「事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない」に当たるときと、労使協定による除外に該当するときに限られる。拒む場合の通知方法を施行規則は定めていないが、判断の根拠と時期を書面で残す。3歳未満の子を養育する労働者には育児介護休業法23条の3第5項の周知と意向確認を行う。
- 6
期間中の事情変更の届出
制限開始予定日の前日までに子の死亡など育児介護休業法施行規則46条が定める事由が生じたときは、育児介護休業法16条の8第3項により「当該請求は、されなかったものとみなす」とされ、労働者は遅滞なく通知する。開始後に同種の事由が生じたときは16条の8第4項により「制限期間は、当該事情が生じた日」に終了する。施行規則46条は子の死亡のほか、離縁や養子縁組の取消し、子と同居しないこととなったこと、労働者本人が負傷・疾病・障害で養育できない状態になったことを掲げる。
専門家に相談したほうがよい場面
当社は弁護士・社会保険労務士等の士業資格者を擁しておらず、書類作成の受託や代理、個別事案の適法性判断は行いません。本ガイドは利用者自身による編集・提出を前提とした支援情報です。労使協定で除外する労働者の範囲の設計、育児介護休業規程や就業規則への反映、育児介護休業法23条1項3号で時短を除外する場合の代替措置の組み立て、申出や請求を理由とする不利益取扱いの該当性の評価、相談体制の整備は、条文の解釈と個別事情の判断を伴います。こうした場面では社会保険労務士や弁護士への相談を検討してください。
よくある質問
- 子の看護等休暇は何歳の子まで取得できますか。
- 育児介護休業法16条の2第1項の対象は「九歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある子」、つまり小学校第三学年を修了するまでの子です。日数は1年度に5労働日、対象の子が2人以上なら10労働日が限度です。事由も、負傷・疾病の子の世話に加え、施行規則32条の予防接種・健康診断、学校保健安全法20条による学校の休業その他これに準ずる事由に伴う世話、施行規則33条の2の「入園、卒園又は入学の式典その他これに準ずる式典」への参加が含まれます。申出は施行規則35条1項が「事業主に対して明らかにすることによって、行わなければならない」と定めるのみで、書面に限る縛りはありません。
- 所定外労働の制限(残業免除)はどの年齢の子まで請求でき、どう提出しますか。
- 育児介護休業法16条の8第1項の対象は「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者」です。請求は「制限開始予定日の一月前までにしなければならない」とされ、制限期間は「一月以上一年以内の期間に限る」うえ、17条の時間外労働の制限の制限期間と「重複しないようにしなければならない」とされています。提出方法は施行規則45条2項が限定し、常に選べるのは「書面を提出する方法」で、ファクシミリと電子メール等は「事業主が適当と認める場合に限る」とされています。
- 会社は短時間勤務や残業免除の申出を拒否できますか。
- 拒める場面は限られます。育児介護休業法16条の8第1項の残業免除は、過半数労働組合、ないときは過半数代表者との書面による協定で定めた場合に限り、1号の勤続1年未満の労働者と2号の労働者を除外でき、「事業の正常な運営を妨げる場合は、この限りでない」ともされています。23条1項の時短にこのただし書はなく、事業運営上の支障を理由には拒めません。協定で除外できるのは1号の勤続1年未満の労働者、2号の労働者、3号の「業務の性質又は業務の実施体制に照らして」時短が困難と認められる業務の従事者の3類型で、3号のときは23条2項の代替措置が要ります。2号の省令はどちらも「一週間の所定労働日数が二日以下の労働者」(残業免除は施行規則44条、時短は73条の2)です。不利益取扱いは、残業免除は同法16条の10、時短は同法23条の2、柔軟な働き方の措置は同法23条の3第7項が「解雇その他不利益な取扱いをしてはならない」と定めています。
- すでに1日6時間勤務ですが、さらに短時間勤務を申請できますか。
- 育児介護休業法施行規則72条は、育児介護休業法23条1項の短縮措置の対象から「一日の所定労働時間が六時間以下の労働者」を除いています。もともと1日6時間以下で働いている場合は法が義務づける短縮措置の対象外となり、それ以上の短縮は会社が任意に設けた制度によることになります。一方、所定外労働の制限には所定労働時間の長さによる除外がないため、小学校就学の始期に達するまでの子を養育していれば、短時間勤務の労働者でも残業免除を請求できます。
- 3歳以上の子を養育する労働者が使える制度はありますか。
- 2025年10月施行の育児介護休業法23条の3第1項により、3歳から小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者について、事業主は始業時刻変更等、在宅勤務等、育児のための所定労働時間の短縮、休暇の付与、保育施設の設置運営等の5つのうち「次に掲げる措置のうち二以上の措置を講じなければならない」とされました。水準も施行規則75条の3が定め、在宅勤務等は週所定労働日数5日の労働者について1か月10労働日以上、休暇は「一年間に十労働日以上の日数の利用をすることができるものとしなければならない」とされています。どの2つ以上を選ぶかは会社が決めるため、申請前に自社の制度内容を確認してください。
出典
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(e-Gov法令検索)
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
- 育児・介護休業法について(厚生労働省)
- 法改正のポイント|育児休業制度特設サイト(厚生労働省)
最終確認日: 2026-08-22
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