退職時 引継書・貸与物返却確認書
退職引継書、貸与物返却確認書、退職時貸与品返却誓約書、退職時引継書、業務引継書、貸与品返却確認書 とも呼ばれます。
退職時引継書・貸与物返却確認書は、退職する労働者が担当していた業務の引継ぎ状況と、社章・鍵・社員証・パソコン・携帯電話・制服など会社から貸与された物品の返却状況を、本人と会社双方が確認し記録に残すための社内書類である。法令上作成が義務付けられた書式ではなく、業務の円滑な引継ぎと、貸与品の紛失・未返却をめぐる後日の紛争を防ぐための証拠書類として用いられる。労働基準法22条が定める退職証明書とは別の書類である点にも注意が必要である。さらに労働基準法23条1項は、権利者の請求があった場合に使用者が七日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還すべきことを定めており、会社が預かる私物・積立金・保証金の返還も同じ場面で整理しておく必要がある。
最終確認日:
どんなときに必要か
労働者が自己都合・会社都合を問わず退職する際、最終出社日までに担当業務の引継ぎを行い、貸与された物品を返却する場面で用いる。有期労働契約の期間満了、定年退職、解雇、休職期間満了に伴う退職でも同じ場面が生じる。機密情報や顧客データを扱う業務、パソコン・スマートフォン・入退館用ICカードなど紛失時の被害が大きい物品を貸与している場合は、返却漏れや引継ぎ不備によるトラブルを防ぐため、退職日前後に取り交わすことが望ましい。在宅勤務者のように貸与品が自宅にあり最終出社日に持参できない場合は、返送方法・返送期限・送料の負担者まで書面で確認しておく。
書面にする必要はあるか
この引継書・貸与物返却確認書自体は、労働基準法その他の法令が書面での作成・保存を義務付けている書式ではない。法定の書面要件はなく(証拠目的の書類である)、作成しなくても退職の効力には影響しない任意の社内書類である。もっとも、貸与品を全て返却したこと、引継ぎを完了したことを本人が署名・押印して確認した記録は、後日その点をめぐる紛争が生じた際の重要な証拠となる。これに対し労働基準法22条1項に基づく退職証明書は、労働者からの請求があった場合に使用者が遅滞なく交付すべき法定の書類であり、本書類とは性質が異なる。法定の書面要件がない以上、電子ファイルの授受や電子署名による取り交わしも妨げられない。ただし労働基準法109条は「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。」と定めており(同法附則143条1項により当分の間は三年間と読み替えられる)、未返却品の代金精算や賃金控除の合意を同じ書面に盛り込んだ場合は、その部分が保存対象に当たりうる点に留意する。
必ず入れる事項
引継ぎ対象業務の一覧と進捗状況
何を、どこまで、誰に引き継いだかを具体的に記載しないと、退職後に業務が引き継がれていなかったという実務上のトラブルが生じやすい。担当顧客名・進行中案件・パスワード管理の所在などを個別に列挙することで、引継ぎ完了の範囲を客観的に確認できる。未了の項目は未了である旨を明記し、完了予定日と引継ぎ先を書き添えておくと、退職日をまたぐ作業の責任の所在があいまいにならない。
貸与品の品目・数量・返却日を個別に記載する欄
パソコン・社員証・鍵・携帯電話・制服等をまとめて記載せず品目ごとに記載しないと、後日一部が未返却であることが判明しても、当初何を貸与したか特定できず紛争になりやすい。返却日を品目ごとに記録しておくと、退職日より後に返送された物品についても受領の事実を示せる。
貸与品の管理番号・製造番号と貸与開始日
同一機種のパソコンや同型の鍵を複数貸与している職場では、品目名だけでは個体を特定できず、返却された物が本人に貸与した個体かどうかを後から確認できない。貸与台帳の管理番号・製造番号・貸与開始日を転記しておくと、返却漏れの特定と、貸与期間中に生じた破損についての責任範囲の切り分けが容易になる。
本人および会社側確認者の署名・押印欄
返却・引継ぎが完了した事実を本人が自ら確認した記録として残すため、双方の署名・押印欄を設ける。本人確認なしに会社側だけが作成した記録は、後日の紛争時に証拠力が弱くなる。会社側は現物を確認した担当者名まで記載しておくと、誰が何を受け取ったかを追跡できる。
未返却物がある場合の対応方法の記載
未返却物への対応(返送期限・返送方法・連絡先)を明記することで、退職後の物品回収を円滑に進められる。ただし返却されない場合の代金請求方法は、賃金からの一方的控除にならないよう別途整理しておく必要がある。
未返却・破損時の精算方法についての取決め欄
労働基準法24条1項は賃金の全額払を原則としており、書面による労使協定がないまま最終給与から代金を差し引くと、控除した分が賃金未払として請求されるおそれがある。振込による別途精算や現物返還の期限延長など、賃金からの控除によらない方法をあらかじめ書いておくと、退職後の回収手続で行き詰まりにくい。
秘密情報・データの返却および消去に関する確認欄
業務で使用した顧客データや営業秘密が記録された媒体・アカウントについて、返却・削除・アクセス権限の停止を確認しておかないと、退職後の情報漏えいや不正使用のリスクが残る。不正競争防止法2条6項が定める営業秘密は秘密として管理されていることを要件としているため、消去の実施者・実施日・確認方法まで書かせた記録は、管理の実態を示す資料にもなる。
作成日および退職日の明記
いつ時点の引継ぎ・返却状況を確認したものかが分からないと、退職日までの間に生じた追加の引継ぎ事項や返却漏れの有無を後から検証できなくなるため、必ず日付を明記する。退職日と最終出社日が異なる場合は、両方を書き分けておく。
退職証明書の交付要否についての案内欄(任意)
労働基準法22条1項により退職証明書は労働者からの請求があって初めて交付義務が生じるため、本人が必要とするかどうかを確認しておくと、後日の請求対応がスムーズになる。ただし請求がないことの確認であって、後日改めて請求する権利を放棄させるものではない点を欄外に明記しておく。
無効・効力が否定されやすい条項
古い雛形をそのまま使うと、次の点でつまずくことがあります。
未返却の貸与品代金を、本人の同意や労使協定なしに最終給与から一方的に控除する条項は無効と判断されるおそれが高い。労働基準法24条1項は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定めており(全額払いの原則)、同項ただし書が認める労使協定に基づく場合を除き、使用者が一方的に賃金から控除することはできない。本人の同意を得た相殺についても、最高裁は、その同意が労働者の自由な意思に基づくものであると認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することを要するとしており(日新製鋼事件・最高裁平成2年11月26日判決)、書式のチェック欄に印を付けさせただけでは足りないと判断される可能性がある。
貸与物返却確認書に、労働者が将来一切の請求権を放棄する旨の包括的な条項を盛り込んでも、退職金・未払賃金など労働基準法上の権利に関する部分は、法が定める保護を労働者の合意のみで覆すことができない場合があり、条項の有効性が争われやすい。労働基準法115条は「この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。」と定め、同法附則143条3項により当分の間、退職手当を除く賃金の請求権は三年間と読み替えられる。放棄条項を置いても、この期間内に未払分を請求されうることを前提に清算を済ませておくほうが確実である。
貸与品を紛失した場合は購入価格の全額を賠償するといったように、実損害の有無や過失の程度を問わず一律の金額を定める条項は、実際の損害額を大きく超える請求として争われるリスクがあり、条項どおりの金額が認められない可能性がある。労働基準法16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定めており、紛失時は一律いくらとあらかじめ賠償額を確定させる定額条項は、この禁止に触れるおそれがある。加えて常時十人以上の労働者を使用する事業場では、労働基準法89条5号が「労働者に食費、作業用品その他の負担をさせる定めをする場合においては、これに関する事項」を就業規則の記載事項としており、就業規則に負担のルールを定めないまま書式だけで負担を求めると、根拠を欠くとして争われやすい。
本書類への署名をもって退職証明書(労働基準法22条1項)の交付請求権を放棄したとみなす記載は、同項が労働者の請求権として定める権利を書式上の手続だけで消滅させることになりかねず、労働者から改めて交付請求があった場合には別途対応が必要になる。労働基準法120条1号は22条1項から3項までの規定に違反した者を「三十万円以下の罰金に処する。」と定めており、請求を受けながら交付しない運用は罰則の対象になりうる。退職後に請求される場合もあるため、書式では請求の有無を確認するにとどめるのが安全である。
引継ぎが未完了のまま退職日を迎えた場合に、会社が貸与物の返却や最終手続を留保する旨の記載を設けても、退職の効力自体は妨げられない。労働基準法23条1項は「使用者は、労働者の死亡又は退職の場合において、権利者の請求があつた場合においては、七日以内に賃金を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称の如何を問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない。」と定めており、会社側にも権利者からの請求があれば七日以内に金品を返還する義務がある。労働基準法120条1号は23条の規定に違反した者を三十万円以下の罰金に処すると定めており、精算が済んでいないことを理由に返還を先延ばしにする運用は、それ自体が違反となりうる。さらに労働基準法23条2項は「前項の賃金又は金品に関して争がある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中に支払い、又は返還しなければならない。」と定めており、争いのある部分があっても異議のない部分は期間内に返還しなければならない。
貸与端末や個人所有端末に残る業務データを実際には消去していないのに、返却確認書の消去欄に消去済みと記載させる運用は、双方にとって危険である。不正競争防止法21条2項1号ハは、営業秘密を営業秘密保有者から示された者が、不正の利益を得る目的または営業秘密保有者に損害を加える目的で、その営業秘密の管理に係る任務に背き「営業秘密記録媒体等の記載又は記録であって、消去すべきものを消去せず、かつ、当該記載又は記録を消去したように仮装すること。」により領得した場合を掲げ、同条2項本文は該当する者を「十年以下の拘禁刑若しくは二千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。」と定めている。会社側も、消去の実施者・実施日・確認方法を記入させずチェック欄だけを置くと、秘密として管理していた実態を後から示しにくくなる。
引継ぎが完了するまで退職を認めない、後任が決まるまで退職届を受理しない、といった記載を書式に設けても、退職の意思表示の効力を止める根拠にはならない。期間の定めのない雇用について民法627条1項は「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。」と定めており、引継ぎの未了は解約申入れの効力を左右しない。引継ぎ不足によって現に生じた損害の賠償を求めうるかは別問題であり、その場合も損害の発生と因果関係を会社側が具体的に主張立証する必要がある。
作成の流れ
- 1
引継ぎ計画の作成(退職の申出を受けた直後)
退職の申出を受けた上長が、遅くとも退職日の二週間前までに、担当業務・顧客・進行中案件・保管場所(データ・書類・パスワード管理を含む)を洗い出し、後任者または上長に引き継ぐ項目を一覧化する。項目ごとに引継ぎ先の氏名と完了期限を割り当て、誰が完了を確認するかまで決めておくと、退職日までの進捗管理がしやすくなる。
- 2
貸与品の棚卸し(最終出社日の一週間前まで)
会社から貸与されているパソコン・携帯電話・社員証・鍵・制服・備品等を本人と会社側で突き合わせ、品目ごとに現物を確認する。貸与時の記録(貸与台帳等)と管理番号・製造番号を照合し、自宅や取引先に置いたままの物、私物と混在している物がないかを確認する。不明な点は最終出社日を待たずにこの段階で解消しておく。
- 3
アクセス権限の停止とデータ消去の実施(最終出社日当日)
情報システム担当者または管理責任者が、最終出社日の業務終了時までに社内システム・グループウェア・クラウドサービス・入退館用ICカードの権限を停止し、実施者と実施日時を記録する。貸与端末や個人所有端末に残る業務データは、初期化・同期解除・ファイル削除のいずれを行ったかを具体的に記録する。不正競争防止法2条6項は、営業秘密を「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないものをいう。」と定義しており、こうした記録は管理の実態を示す資料になる。
- 4
引継書・返却確認書への記入と相互確認
引継ぎ状況と貸与品の返却状況を書面に具体的に記載し、本人が内容を確認したうえで署名・押印する。会社側の確認者も現物を確認したうえで同様に署名し、双方が同じ内容を認識していることを記録として残す。作成した書面は同一のものを二部作り、本人にも一部を交付しておくと、後日の食い違いを防ぎやすい。
- 5
未返却・未完了事項への対応(退職日以降)
退職日までに返却・引継ぎが完了しない項目があれば、返送期限・返送方法・送料の負担者、引継ぎ完了予定日を別途書面で確認する。未返却物の代金請求を検討する場合は、賃金からの一方的控除にならない方法(本人の同意に基づく別途の支払や振込による精算等)を選ぶ必要がある。連絡が取れない場合に備え、書面の送付先住所を退職前に確認しておく。
- 6
退職証明書の要否確認と書類の保管
本人が退職証明書の交付を希望する場合は、労働基準法22条の請求手続に従って別途対応する必要がある。作成済みの引継書・返却確認書は、紛争予防の証拠として一定期間保管しておくことが望ましい。賃金の請求権は労働基準法115条により行使することができる時から五年間、同法附則143条3項により当分の間は退職手当を除き三年間で時効消滅するため、少なくともこの期間は保管しておくと後日の照会に対応できる。
専門家に相談したほうがよい場面
貸与品未返却分の損害賠償や給与天引きの可否など、金銭が絡む場面では労働基準法24条・23条の解釈が個別事案によって異なるため、社会保険労務士や弁護士など専門家への相談を検討してください。特に、営業秘密や顧客データの持ち出しが疑われる場面、高額の賠償を求める場面、退職代行を通じて本人と直接連絡が取れない場面は、初動の記録が後の立証を左右します。当社は弁護士・社会保険労務士等の士業資格者を擁しておらず、本書類および関連書類の作成の受託・代理は行いません。本サイトが提供するのは、利用者自身による編集・提出を前提とした支援ツールです。また、実際の引継ぎ状況や返却状況と異なる内容を証明する書類は作成できません。未返却の物品を返却済みと記載する、引継ぎ未了を完了と記載するといった事実と異なる記載は、後日の紛争で書面全体の信用性を失わせます。
よくある質問
- 引継書・貸与物返却確認書は、法律上必ず作成しなければならないのですか。
- いいえ、この書類自体は労働基準法その他の法令が作成を義務付けているものではありません。作成しなくても退職の効力に影響はありません。もっとも、引継ぎ状況や貸与品の返却状況をめぐる後日の紛争を防ぐ証拠として作成しておくことが実務上推奨されています。退職証明書のような法定書類とは性質が異なる点に注意してください。なお、賃金控除の合意など賃金に関わる内容を同じ書面に盛り込んだ場合は、その部分が労働基準法109条の保存対象となる労働関係に関する重要な書類に当たりうるため、保管の扱いを分けて考える必要があります。
- 退職者が会社の貸与品を返却しない場合、その代金を最終給与から天引きしてもよいですか。
- 労働基準法24条1項は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定めて賃金の全額払いを原則としており、労使協定がある場合を除き、使用者が一方的に賃金から控除することはできません。同項ただし書は「当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合」に「賃金の一部を控除して支払うことができる。」としており、控除には書面による労使協定が必要です。貸与品未返却を理由に代金を差し引く場合は、労使協定の有無や本人の同意の取り方について、個別の事情に応じた慎重な検討が必要です。安易な天引きは後日の賃金未払い請求につながるおそれがあります。
- 退職者から退職証明書を求められた場合、この引継書とは別に対応が必要ですか。
- はい、別の対応が必要です。労働基準法22条1項により、労働者から使用期間・業務の種類・地位・賃金・退職事由等の証明書を請求された場合、使用者は遅滞なくこれを交付しなければなりません。また同条3項は「前二項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。」と定めており、労働者が請求していない事項を記入することはできません。引継書・返却確認書はこの法定書類とは別の、社内確認用の書類です。労働基準法115条は「この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)」について、行使することができる時から二年間で時効消滅すると定めているため、退職時に請求がなかったことをもって対応が不要になるわけではありません。
- 貸与品を紛失してしまった場合、購入価格全額を弁償しなければなりませんか。
- 契約書や就業規則にあらかじめ定められた金額を一律に請求されるケースもありますが、実際の損害額を大きく超える一律の賠償額を定める条項は、その有効性が争われることがあります。労働基準法16条は「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない。」と定めており、紛失時は一律いくらという定額条項はこの禁止に触れるおそれがあります。実際に生じた損害の賠償請求まで封じられるわけではありませんが、最高裁は、使用者から労働者に対する損害の負担を求める請求について、損害の公平な分担という見地から信義則上相当と認められる限度に制限されるとしています(茨城石炭商事事件・最高裁昭和51年7月8日判決)。紛失の経緯や過失の程度、物品の減価償却後の価値などを踏まえて、会社側と話し合いで解決することが望ましく、金額に納得できない場合は弁護士等の専門家に相談することを検討してください。
- 引継ぎをしないまま出社しなくなった退職者に、最終給与や退職金の支払を保留できますか。
- 引継ぎの未了を理由に、すでに労働の対償として発生した賃金の支払を止めることはできません。労働基準法24条1項が賃金の全額払を定めているためです。さらに労働基準法23条1項は、退職の場合に権利者の請求があったときは七日以内に賃金を支払い、労働者の権利に属する金品を返還すべきことを定めており、これに違反した者は同法120条1号により三十万円以下の罰金に処せられます。退職金は就業規則等の支給要件によりますが、引継ぎ不履行を理由とする不支給や減額は、規定の有無と減額幅の相当性が争われます。引継ぎ不足によって現に損害が生じたときは、賃金の支払とは切り離して、別途損害賠償を請求するかを検討することになります。
出典
- 労働基準法(e-Gov法令検索)
- 不正競争防止法(e-Gov法令検索)
- 民法(e-Gov法令検索)
- 厚生労働省 労働基準行政(労働条件に関する総合案内)
- 確かめよう労働条件(厚生労働省)
- 経済産業省 営業秘密(営業秘密を守り活用する)
最終確認日: 2026-08-20
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