昇給・昇格・降格通知書
降格通知書、昇格通知書、昇給通知書、人事発令通知書 とも呼ばれます。
昇給・昇格・降格通知書は、使用者が労働者に対し、賃金の増額や役職・等級の変更を書面で伝える社内文書です。降格には、人事権の行使としての降格と、就業規則に基づく懲戒処分としての降格という性質の異なる二類型があり、この区別を通知書上で曖昧にすると、減給を伴う場合に労働基準法91条が定める減給の制裁の上限規制との関係が不明確になります。さらに、人事権の行使としての降格の中でも、役職を解いて役職手当の不支給を伴うにとどまる降格と、職能資格制度上の資格・等級そのものを引き下げて基本給を減額する降格とでは、求められる根拠の重さが異なるとされています。懲戒処分としての降格については、労働契約法15条が「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と定めています。本ガイドは記載すべき事項と、無効と判断されやすい典型的な不備を整理します。
最終確認日:
どんなときに必要か
従業員の定期昇給・昇進による昇格、あるいは能力不足や勤務成績不良を理由とする人事権行使としての降格、就業規則の懲戒事由に該当する非違行為を理由とする懲戒処分としての降格を行い、これを本人に告知して社内記録として残す場面で用います。賃金や役職の変更を伴う人事異動の効力発生を明確にする必要がある場合に必要となります。就業規則や賃金規程を改定して等級制度・降格制度を新設し、その適用結果を個々の労働者に伝える場面でも用いられます。賃金額そのものが動く措置は、次回以降の給与計算・賃金台帳・支払明細書の記載に直結するため、変更内容と適用開始時期を一枚の書面で確定させておく実務上の必要性が高い場面です。
書面にする必要はあるか
本通知書そのものを書面で交付することを直接義務付ける規定は見当たりません。法定の書面要件はなく、作成の目的は証拠を残すことにあります。もっとも、賃金や役職の変更内容・効力発生日・根拠を書面化しておくことは、後日の紛争予防という証拠目的で重要です。労働契約法4条2項も「労働者及び使用者は、労働契約の内容(期間の定めのある労働契約に関する事項を含む。)について、できる限り書面により確認するものとする。」と定めています。なお、労働契約の締結時の労働条件明示(労働基準法15条1項)についても、労働基準法施行規則5条3項は書面等による明示を要する事項から「昇給に関する事項」を除いており、昇給それ自体を書面で通知する義務までは課されていません。特に降格が懲戒処分に当たる場合、就業規則上の根拠規定の摘示や、減給が労働基準法91条の上限内であることを記録に残しておかないと、処分の有効性を争われた際に立証が困難になります。交付した通知書は、労働基準法109条が「使用者は、労働者名簿、賃金台帳及び雇入れ、解雇、災害補償、賃金その他労働関係に関する重要な書類を五年間保存しなければならない。」として保存を求める重要な書類に当たり得ます(労働基準法附則143条1項により、当分の間、この保存期間は三年間と読み替えられています)。
必ず入れる事項
変更の効力発生日
労働基準法24条2項は「賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。」と定めており、昇給・降給がどの賃金計算期間から適用されるかを効力発生日として明記しないと、当月分・翌月分いずれの給与から反映するかが曖昧になり、賃金計算上の争いを招きます。就業規則の記載事項を定める労働基準法89条2号も「賃金(臨時の賃金等を除く。以下この号において同じ。)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項」を挙げており、効力発生日は自社の賃金締切日・支払期日との関係で読める形で書く必要があります。
昇給・昇格・人事権行使としての降格・懲戒処分としての降格の別
降格の法的性質を通知書上で明示しないと、懲戒処分としての降格に必要な就業規則上の根拠や、減給を伴う場合の労働基準法91条の上限規制が適用されるか否かが後日不明確になり、処分の有効性を争われるリスクが高まります。懲戒処分としての降格は労働契約法15条の懲戒権濫用の枠組みで、人事権の行使としての降格は「労働者及び使用者は、労働契約に基づく権利の行使に当たっては、それを濫用することがあってはならない。」と定める労働契約法3条5項を踏まえた裁量の逸脱・濫用の枠組みで審査されるため、出発点となる区分の明示が欠かせません。
変更後の役職・等級・基本給等の内訳
変更後の賃金の内訳(基本給・役職手当等の別)を明記しないと、労働基準法108条が定める賃金台帳の記載事項との整合を確認できず、支払額の根拠を欠いた通知になります。また、給与明細書上の表示との齟齬が生じ、変更の趣旨が労働者に正確に伝わらないおそれもあります。賃金台帳の記載事項を具体化した労働基準法施行規則54条1項7号は「基本給、手当その他賃金の種類毎にその額」を求めており、通知書の内訳もこの粒度に揃えておくと突合が容易になります。
懲戒処分としての降格の場合の就業規則該当条項
懲戒処分としての降格は、就業規則にあらかじめ定められた懲戒事由と手続に基づく必要があるため、根拠条項を示さない通知は、処分の前提を欠くものとして無効と判断されやすくなります。労働基準法89条9号は就業規則の記載事項として「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」を挙げており、降格が懲戒の種類として掲げられ、その程度が定められていることが出発点になります。
減給を伴う場合の減給額とその算定根拠
懲戒処分として減給する場合、労働基準法91条は一回の額が平均賃金の一日分の半額、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならないと定めており、算定根拠を示さないと上限超過の有無を検証できません。ここでいう平均賃金は、労働基準法12条1項が「この法律で平均賃金とは、これを算定すべき事由の発生した日以前三箇月間にその労働者に対し支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいう。」と定義するもので、月額基本給を三十で割った額とは異なります。
交付日および受領確認欄
交付の事実と受領日を記録しないと、通知が本人に到達した時期や労働者が内容を認識した時期が後日の争いになり、効力発生日や異議申立て期間の起算点が不明確になるほか、懲戒処分の場合は処分実施の手続を履践した証跡としても不十分になります。郵送・電子メール・社内システムのいずれで交付した場合でも、到達時点を特定できる記録を残しておくことが要点です。
異議申立てや相談の方法の案内
降格処分について労働者が説明を求め、あるいは異議を述べることができる社内の手続や相談窓口を明示しておくことは、処分の手続的な公正さを担保するとともに、懲戒処分としての降格における弁明の機会の実質化にも資し、後日の紛争リスクを低減します。申出先と受付期間を具体的に書くほど、手続を踏んだことの立証が容易になります。
職能資格・等級を引き下げる場合の賃金規程・等級制度上の根拠条項
役職を解くにとどまる降格と、職能資格制度上の資格・等級そのものを引き下げる降格とは区別され、後者は労働契約の内容となっている賃金の格付けを直接引き下げる措置であるため、就業規則・賃金規程等に引下げの要件と手続の定めがあることが前提とされています。根拠条項を示さない通知は、労働契約上の根拠を欠く一方的な賃金引下げと評価されるおそれがあります。
効力発生日が賃金計算期間の途中となる場合の日割り・差額精算の取扱い
労働基準法24条1項は「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。」と定めており、期中発令の場合に旧額と新額をどの期間に割り付けるかを書かないと、実際の支給額が賃金規程の定めと食い違い、差額分を未払賃金として請求される余地が残ります。日割り計算の方法と差額精算を行う支払期日まで書き切ることが実務上の要点です。
無効・効力が否定されやすい条項
古い雛形をそのまま使うと、次の点でつまずくことがあります。
懲戒処分としての降格でありながら、就業規則に降格処分を科す旨の懲戒事由・手続の定めがない場合。懲戒処分は就業規則にあらかじめ明記された事由と手続に基づく必要があるとされており、根拠規定を欠く降格は懲戒権の行使として無効と判断されやすくなります。労働基準法89条9号が就業規則の記載事項として「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」を挙げているのは、この根拠の所在を規程上明らかにさせる趣旨と理解されています。
懲戒処分として行う減給が労働基準法91条の上限を超えている場合。同条は「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。」と規定しています。これを超える部分は無効となります。一回の額と一賃金支払期の総額という二つの枠は別々に働くため、複数回の減給を重ねる場合は総額側の枠から先に超過することがあります。
人事権の行使としての降格であるにもかかわらず、実質的には制裁目的で行われ、業務上の必要性を欠き、かつ労働者が通常甘受すべき程度を著しく超える不利益を与えている場合。人事権の逸脱・濫用と評価され、降格そのものの効力が否定されるおそれがあります。加えて、就業規則の懲戒手続を経ていない点も、後日の紛争で不利に働きます。
労働契約上、職種・職位・勤務地等を特定の範囲に限定する合意があるにもかかわらず、その範囲を超える降格や配置転換を伴う降格を行っている場合。当該限定合意に反する措置は、労働契約上の根拠を欠くものとして、降格の効力自体が否定されやすくなります。採用時の労働条件通知書・雇用契約書に職種や職位の限定を読み取れる記載があるかを、発令前に確認しておく必要があります。
通知書に記載した賃金内訳が、実際に交付される給与明細書や労働基準法108条の賃金台帳の記載と一致しない場合。記載相互の不整合は、通知内容自体の信用性を損ない、降給や減給の算定根拠を争われた際に、使用者側に不利な事情として扱われやすくなります。賃金台帳は労働基準法施行規則54条1項7号により「基本給、手当その他賃金の種類毎にその額」を記入するものとされているため、通知書の内訳と項目名まで揃えておくのが安全です。
懲戒処分としての降格の根拠となる就業規則が、労働者に周知されていない場合。労働契約法7条本文は「労働者及び使用者が労働契約を締結する場合において、使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則で定める労働条件によるものとする。」と定めています。労働基準法106条1項も、就業規則を「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付けること、書面を交付することその他の厚生労働省令で定める方法によつて、労働者に周知させなければならない。」としており、周知の手続を欠いた懲戒規定に基づく降格は、根拠を欠くものとして争われます。
非違行為の内容や情状に比して降格の程度が重すぎる場合、または既に処分を終えた同一の行為について重ねて降格を行う場合。労働契約法15条は「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする。」と定めています。処分の後になって把握した別の非違行為を理由として追加する運用も、当該懲戒の理由としては考慮されないとされています。
作成の流れ
- 1
変更区分の確定
まず、今回の措置が昇給・昇格なのか、人事権行使としての降格なのか、懲戒処分としての降格なのかを確定します。懲戒処分に当たる場合は、就業規則上の懲戒事由への該当性と、弁明の機会の付与など所定の手続を履践したことを事前に確認します。人事権行使としての降格であっても、役職を解くにとどまるのか、職能資格・等級まで引き下げるのかを分けて決めておきます。
- 2
根拠規程の特定と周知状況の点検
就業規則・賃金規程のうち、今回の措置の根拠となる条項を条番号まで特定します。懲戒処分としての降格であれば、労働基準法89条9号が就業規則の記載事項として挙げる「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」として降格が定められているかを確認します。あわせて、当該規程が労働基準法106条1項の方法で労働者に周知されているかを、掲示・備付け・書面交付・社内システムでの閲覧可否まで遡って点検し、周知の実施記録を残します。
- 3
根拠資料の整理
人事評価結果や業務上の必要性を示す資料を整理します。懲戒処分としての降格の場合は、非違行為の事実関係を調査した記録、就業規則上の懲戒事由への該当性、および弁明の機会の付与など所定手続を履践した記録を併せて整理し、通知書の記載内容の裏付けとします。弁明の日時・出席者・本人の言い分は、要旨だけでなく本人の署名または確認の記録まで残すのが安全です。
- 4
賃金内訳と減給額の算定
変更後の役職・等級に応じた基本給・諸手当の内訳を確定します。懲戒処分として減給する場合は、平均賃金を算定した上で、労働基準法91条の上限(一回の額が平均賃金の一日分の半額、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一)を超えていないかを確認します。平均賃金は労働基準法12条1項に従い、算定すべき事由の発生した日以前三箇月間の賃金総額をその期間の総日数で除して求め、算定シートを通知書の控えと一緒に保管します。
- 5
通知書の作成・交付
効力発生日、変更の区分(昇給・昇格・人事権行使としての降格・懲戒処分としての降格の別)と根拠、変更後の役職・等級・賃金内訳を記載した通知書を作成し、本人に交付します。交付日と受領の事実を確実に記録に残します。本人が受領を拒む場合に備え、交付を試みた日時・方法・立会者を記録するか、配達の記録が残る方法で送付します。
- 6
賃金台帳・給与明細への反映
変更後の役職・等級・賃金内訳を労働基準法108条の賃金台帳に記入し、次回以降の給与明細書の記載と整合させます。通知書・賃金台帳・給与明細書の記載相互の不一致は、後日の紛争において使用者側に不利な事情となり得ます。記入項目は労働基準法施行規則54条1項7号の「基本給、手当その他賃金の種類毎にその額」に沿って揃え、通知書の控えは労働関係に関する重要な書類として社内規程の保存期間に従って保管します。
専門家に相談したほうがよい場面
降格が人事権の行使に当たるか懲戒処分に当たるかの判断、就業規則の懲戒事由への該当性、労働基準法91条の減給上限の充足可否、就業規則変更による不利益変更の合理性の評価は、いずれも個別の事実関係を踏まえた専門的な評価を要します。実施前に社会保険労務士や弁護士への相談を推奨します。また、実際の発令内容と異なる区分・日付・金額を記載した通知書は作成しないでください。労働基準法施行規則5条2項も「使用者は、法第十五条第一項前段の規定により労働者に対して明示しなければならない労働条件を事実と異なるものとしてはならない。」と定めており、事実と異なる書面は、後日その全体の信用性を失わせます。当社は士業資格者を擁さず、書類作成の受託・代理は行いません。本ガイドは、利用者ご自身による編集・提出・締結を前提とした支援ツールとして、記載すべき事項の整理を目的とするものです。
よくある質問
- 降格に伴う減給には、法律上どのような上限がありますか。
- 懲戒処分として減給する場合には、労働基準法91条により、一回の額が平均賃金の一日分の半額を、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を、それぞれ超えることはできません。他方、役職手当の不支給など、人事権の行使として役職・等級を変更した結果として生じる賃金の減少については、この条文が直接適用される「制裁」には当たらないと整理されることが一般的ですが、変更が実質的に制裁目的であったり、業務上の必要性を欠き労働者に著しい不利益を与えたりする場合には、人事権の逸脱・濫用として争われる可能性があります。また、役職手当の不支給にとどまらず職能資格・等級そのものを引き下げて基本給を減額する場合は、就業規則・賃金規程に引下げの根拠があることが前提とされ、根拠を欠く引下げは労働契約上の賃金額を一方的に変更するものとして効力を争われます。
- 本通知書は必ず書面で交付しなければなりませんか。
- 本通知書そのものの書面交付を直接義務付ける法令上の規定は見当たりません。ただし、変更の内容や効力発生日、根拠を書面化しておくことは、後日の紛争を予防する証拠として重要です。特に懲戒処分としての降格や減給を伴う場合は、就業規則上の根拠と労働基準法91条の上限を遵守したことの記録として、書面での交付を推奨します。なお、労働契約の締結時の労働条件明示については、労働基準法施行規則5条3項が書面等による明示を要する事項から「昇給に関する事項」を除いています。他方、短時間・有期雇用労働者については、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律6条1項と同法施行規則2条1項1号により、雇入れ時に「昇給の有無」を文書の交付等により明示することが義務付けられています。これは雇入れ時の明示義務であり、その後の昇給通知書の交付までを義務付けるものではありません。
- 労働者が通知内容に不服がある場合はどうなりますか。
- 通知書の交付自体が処分の適法性を確定させるものではありません。労働者は、就業規則に定める異議申立てや相談の手続を利用できるほか、懲戒処分としての降格であれば就業規則上の根拠や手続の履践状況、人事権行使としての降格であれば業務上の必要性や不利益の程度が、後日の話し合いや紛争の場で改めて問題となり得ます。懲戒処分としての降格については、労働契約法15条により、行為の性質及び態様その他の事情に照らして客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない懲戒は、権利を濫用したものとして無効とされます。社内で解決しない場合には、都道府県労働局の総合労働相談コーナーにおける助言・指導やあっせん、労働審判、訴訟といった手続が用意されています。
- 賃金台帳や給与明細書との関係はどうなっていますか。
- 使用者は労働基準法108条に基づき、賃金計算の基礎となる事項や賃金の額を賃金台帳に記入する義務を負い(同条は「使用者は、各事業場ごとに賃金台帳を調製し、賃金計算の基礎となる事項及び賃金の額その他厚生労働省令で定める事項を賃金支払の都度遅滞なく記入しなければならない。」と定めています)、また給与等の支払をする者は所得税法231条に基づき支払明細書を交付する必要があります。賃金台帳の記載事項は労働基準法施行規則54条1項に具体化されており、その7号は「基本給、手当その他賃金の種類毎にその額」を挙げています。通知書に記載した変更後の賃金内訳は、これらの帳票の記載と整合させておく必要があり、不一致があると通知内容の信用性そのものが問われかねません。
- 就業規則を変更して降格・降給の制度を新設し、在職中の従業員に適用できますか。
- 労働契約法9条本文は「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。」と定め、ただし書で労働契約法10条の場合を例外としています。同条は、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の事情に照らして合理的なものであるときは、労働条件は変更後の就業規則によるものとする旨を定めています。制度を新設する際は、労働基準法90条1項の意見聴取(過半数で組織する労働組合または労働者の過半数代表者)、労働基準法89条の届出、労働基準法106条1項の周知という手順を踏むことになります。
出典
- 労働基準法(e-Gov法令検索)
- 労働契約法(e-Gov法令検索)
- 労働基準法施行規則(e-Gov法令検索)
- 所得税法(e-Gov法令検索)
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(e-Gov法令検索)
- 短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則(e-Gov法令検索)
- モデル就業規則について(厚生労働省)
- 非正規雇用(有期・パート・派遣労働)(厚生労働省)
最終確認日: 2026-08-20
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