求人票・募集要項(自社作成)
求人票、募集要項、求人広告、求人媒体 とも呼ばれます。
求人票・募集要項は、企業が労働者を募集する際に、業務内容・賃金・労働時間などの労働条件を求職者へ示すための書面である。作成そのものに士業資格は不要な私文書だが、職業安定法5条の3に基づく労働条件明示義務、同法5条の4に基づく虚偽表示・誤解を生じさせる表示の禁止という規制の対象となる。明示すべき事項は職業安定法施行規則4条の2第3項が枝番号を含めて列挙しており、業務内容(変更の範囲を含む)、労働契約の期間、試みの使用期間、有期労働契約の更新基準、就業の場所(変更の範囲を含む)、労働時間関係、賃金の額、健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険の適用、雇用しようとする者の氏名又は名称、受動喫煙を防止するための措置に及ぶ。記載内容と入社後の実際の条件が食い違うと採用トラブルや労働紛争の火種になりやすく、虚偽の広告をなし又は虚偽の条件を提示して募集を行った場合には職業安定法65条の罰則の対象にもなり得る。
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どんなときに必要か
新たに正社員・契約社員・パート等の労働者を募集するとき、自社サイト・求人媒体・ハローワーク・折込広告など、どの手段で募集する場合にも作成が必要になる。中途・新卒を問わず、募集条件を確定させ社内で共有する段階、及び対外的に公開する段階の両方で用いられる。さらに、募集時に明示した条件を労働契約の締結前に変更・特定・削除・追加する場合には、職業安定法5条の3第3項により変更後の内容を改めて明示しなければならないため、内定前後の条件調整の場面でも改訂版が要る。学校卒業見込者等を対象とする募集では、青少年の雇用の促進等に関する法律13条2項により、応募し又は応募しようとする者の求めに応じて青少年雇用情報を提供する義務も生じる。
書面にする必要はあるか
求人票という書式自体を法令が指定しているわけではない。しかし職業安定法5条の3は「その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定めており、募集を行う者に条件明示義務を課している。しかも明示の方法まで法定されている。職業安定法5条の3第4項を受けた職業安定法施行規則4条の2第4項は、明示事項が明らかとなる方法の第一に「書面の交付の方法」を挙げ、ファクシミリ又は電子メール等によれるのは書面の交付を受けるべき者がそれを希望した場合に限り、しかも電子メール等は受信者が記録を出力して書面を作成できるものに限るとしている。つまり様式は自由でも、書面(又は本人が希望した電子的方法)で示すこと自体は法定の要件である。虚偽・誤解を生じさせる表示は職業安定法5条の4により禁止され、明示した内容の記録は職業安定法施行規則4条の2第7項により、募集が終了する日(募集終了後に労働契約を締結しようとする者はその締結日)まで保存しなければならない。
必ず入れる事項
業務内容(職種・具体的な仕事内容と、従事すべき業務の内容の変更の範囲)
職業安定法5条の3は「その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と定め、職業安定法施行規則4条の2第3項第1号はこれを「労働者が従事すべき業務の内容に関する事項(従事すべき業務の内容の変更の範囲を含む。)」と具体化している。抽象的な職種名だけでなく、実際に従事する業務と、将来配置転換で担当し得る業務の範囲まで記載する必要がある。
契約期間の定めの有無(有期・無期の別、更新の有無・更新の基準、更新回数や通算契約期間の上限)
契約期間の定めの有無は職業安定法5条の3が明示を求める労働条件に含まれる。職業安定法施行規則4条の2第3項第2号は「労働契約の期間に関する事項」を、第2号の3は「有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項」を掲げ、その括弧書きは通算契約期間又は有期労働契約の更新回数について「上限の定めがある場合には当該上限を含む。」としている(通算契約期間は労働契約法18条1項に規定する通算契約期間)。更新回数の上限だけでなく、通算5年などの通算契約期間の上限を置く場合もその上限を書かなければ、雇止めをめぐる認識の齟齬が生じやすい。
就業場所(雇入れ直後の就業の場所と、就業の場所の変更の範囲)
就業場所は職業安定法5条の3が明示を求める労働条件の一つであり、職業安定法施行規則4条の2第3項第3号は「就業の場所に関する事項(就業の場所の変更の範囲を含む。)」と定めている。転勤や配置転換の可能性がある場合はその範囲も併せて示さないと、赴任命令をめぐる争いの原因になり得る。
始業・終業の時刻、所定労働時間外労働の有無、休憩時間、休日
労働時間関係の事項は職業安定法5条の3の明示対象であり、職業安定法施行規則4条の2第3項第4号は「始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間及び休日に関する事項」と定める。実際の勤務実態と乖離があると求職者の誤解を招くため、休日の曜日・日数や年間休日数まで具体的に示すことが望ましい。
賃金(基本給の額、固定残業代を含む場合はその計算方法・時間数、諸手当)
賃金は職業安定法5条の3の明示事項の中核であり、職業安定法施行規則4条の2第3項第5号は、臨時に支払われる賃金・賞与等を除いた賃金の額に関する事項を明示事項としている。金額を曖昧にしたまま募集すると職業安定法5条の4が禁じる誤解を生じさせる表示に該当しかねず、固定残業代を含む場合は内訳の明示が特に重要である。
社会保険・労働保険(健康保険・厚生年金・労災保険・雇用保険)の適用状況
職業安定法施行規則4条の2第3項第6号は、健康保険法による健康保険、厚生年金保険法による厚生年金、労働者災害補償保険法による労働者災害補償保険及び雇用保険法による雇用保険の適用に関する事項を明示事項としている。求職者が就業条件を判断する重要な要素であり、労災保険まで含めて漏らさず記載する。
募集者(事業者)の氏名又は名称、連絡先
職業安定法施行規則4条の2第3項第7号は「労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称に関する事項」を明示事項とする。誰が募集主体であるかを明示しなければ求職者は応募先を正確に把握できず、虚偽・誤解を生じさせる表示を禁じる職業安定法5条の4の趣旨からも、募集主体の氏名・名称と連絡先の明示は欠かせない。
試用期間の有無とその期間中の労働条件
職業安定法施行規則4条の2第3項第2号の2は「試みの使用期間に関する事項」を明示事項とし、職業安定法施行規則4条の2第6項は、試用期間中の条件と期間終了後の条件が異なる場合の明示について「それぞれの従事すべき業務の内容等を示すことにより行わなければならない。」と定める。相違を書かないと本採用条件と誤認され、入社後の待遇変更をめぐるトラブルの原因になる。
受動喫煙防止措置の状況(就業場所の喫煙可否等)
職業安定法施行規則4条の2第3項第9号は「就業の場所における受動喫煙を防止するための措置に関する事項」を明示事項として掲げている。敷地内禁煙・屋内禁煙・喫煙専用室の有無等は、求職者が就業環境を判断するための重要な情報であり、募集段階で示さなければならない。
無効・効力が否定されやすい条項
古い雛形をそのまま使うと、次の点でつまずくことがあります。
求人票に記載した賃金額や労働条件が曖昧なまま募集し、実際の労働契約締結時に大きく異なる条件を提示すると、職業安定法5条の4が禁じる誤解を生じさせる表示に該当するおそれがある。求職者との認識の齟齬は入社後の早期離職や労働紛争の原因になりやすい。虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を提示して労働者の募集を行った場合は職業安定法65条第9号の罰則の対象となり、法定刑は「六月以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金」で、職業安定法67条の両罰規定により法人にも罰金刑が科され得る。募集に応じた労働者は、職業安定法48条の4第1項により厚生労働大臣に違反の事実を申告することができる。
固定残業代(みなし残業代)を賃金総額に含めているのに、その計算方法や見込み時間数、その時間数を超えて労働させた場合には別途割増賃金を支払う旨を明示していない場合、実際の労働時間に応じた割増賃金の未払いを求職者・労働者から指摘されるリスクが高まる。さらに固定残業代を除いた部分を時間当たりに引き直すと地域別最低賃金を下回る設計になっていることがあり、最低賃金法4条2項は「最低賃金額に達しない賃金を定めるものは、その部分については無効とする。」と定め、無効となった部分は最低賃金と同様の定めをしたものとみなされる。
有期雇用の求人で契約期間や更新の有無・更新の判断基準を明示せず、あたかも長期にわたり自動的に更新される前提であるかのような説明のみで募集すると、求職者に更新への合理的な期待を抱かせたまま短期間で雇止めをした場合に、期待を裏切ったとして紛争化しやすい。職業安定法施行規則4条の2第3項第2号の3は更新の基準を明示事項とし、通算契約期間や更新回数の上限を定めている場合はその上限まで含めて示すことを求めているため、上限を設けながら求人票では伏せておく運用は明示義務を満たさない。
試用期間中の賃金・待遇が本採用後と異なるのに、その相違を求人票に明記しないまま募集すると、試用期間の条件がそのまま本採用条件だと誤解される。職業安定法施行規則4条の2第6項は、試みの使用期間中の条件と期間終了後の条件が異なる場合の明示は「それぞれの従事すべき業務の内容等を示すことにより行わなければならない。」と定めており、片方だけを書く運用は明示義務を満たさない。試用期間中の賃金を本採用後より低く設定すること自体も自由ではない。最低賃金法7条は、使用者が厚生労働省令で定めるところにより都道府県労働局長の許可を受けたときに限り、最低賃金額から「当該最低賃金額に労働能力その他の事情を考慮して厚生労働省令で定める率を乗じて得た額」を減額した額により最低賃金法4条を適用するとし、同条第2号に「試の使用期間中の者」を掲げている。許可を受けないまま地域別最低賃金を下回る額を試用期間中の賃金として定めれば、最低賃金法4条2項によりその部分は無効となり、無効となった部分は最低賃金と同様の定めをしたものとみなされる。同法40条は「第四条第一項の規定に違反した者(地域別最低賃金及び船員に適用される特定最低賃金に係るものに限る。)は、五十万円以下の罰金に処する。」と定める。本採用時に条件を引き上げる場合であっても、事前の説明を怠ると期待の裏切りとして受け止められトラブルへ発展しやすい。
就業場所や業務内容を実態より広く(または狭く)記載したまま募集し、入社後に想定外の配置転換や業務変更、遠方への転勤を一方的に命じると、募集時の明示内容を信頼して応募した求職者との間で認識の齟齬が生じ、早期の退職や労働紛争を招く原因になりやすい。職業安定法施行規則4条の2第3項第1号・第3号は業務内容と就業の場所について変更の範囲まで明示事項に含めているため、雇入れ直後の姿だけを書いて将来の異動範囲を伏せると明示漏れになる。採用者を派遣労働者として雇用しようとする場合は、職業安定法施行規則4条の2第3項第8号によりその旨も明示しなければならない。
募集を終了した後や賃金・勤務地を変更した後も古い求人情報を掲載したままにすると、職業安定法5条の4第2項が募集を行う者に課す「正確かつ最新の内容に保たなければならない。」との義務に反する。明示した条件の記録についても、職業安定法施行規則4条の2第7項が、募集が終了する日(募集終了後に労働契約を締結しようとする者はその締結日)までの保存を義務づけている。厚生労働大臣は職業安定法48条の3第1項により業務運営の改善に必要な措置を命ずることができ、命令や勧告に従わなかったときは「その旨を公表することができる。」とされている。
求人票に男性歓迎、35歳までといった限定を安易に付けると、募集・採用の差別禁止に触れる。雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律5条は「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」と定めており、性別を条件とする募集は原則として認められない。年齢についても労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律9条が「その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」と求めており、上限年齢を置けるのは委任を受けた施行規則が限定列挙する場合に限られる。媒体側の審査で差し戻されるだけでなく、行政の指導の対象になることもある。
作成の流れ
- 1
募集背景と業務内容の整理
どの職種・ポジションで、どのような業務を担ってもらうのかを社内で確定させる段階。抽象的な職種名だけでなく、実際の業務範囲や必要スキルを具体的に洗い出しておくことが、後続のすべての明示事項の土台になる。職業安定法施行規則4条の2第3項第1号は業務内容の変更の範囲も明示事項としているため、採用後に任せ得る業務の幅(将来の配置転換で担当し得る業務)まで、人事と配属部門の合意としてこの段階で決めておく。
- 2
労働条件(賃金・時間・場所等)の確定
賃金額、固定残業代の有無とその内訳、始業・終業時刻、休日、就業場所、契約期間の有無などを社内で確定させる。職業安定法5条の3が明示を求める事項を漏れなく洗い出し、実際に適用する条件と一致させることが重要である。あわせて、固定残業代を除いた部分を時間当たりに引き直した額が地域別最低賃金を上回るかを検算する。業種・職種によっては最低賃金法15条1項に基づく特定最低賃金も適用され、最低賃金法6条1項は「労働者が二以上の最低賃金の適用を受ける場合は、これらにおいて定める最低賃金額のうち最高のものにより第四条の規定を適用する。」と定めているため、両方が適用される仕事では高い方の額で検算する。有期契約なら更新の基準と更新回数・通算契約期間の上限の有無もここで決める。
- 3
求人票・募集要項への記載
確定した労働条件を求人票・募集要項の様式に落とし込む。曖昧な表現(応相談・経験による等のみ)に頼らず、具体的な金額・時間・場所を記載し、職業安定法5条の4が禁じる誤解を生じさせる表示にならないか確認する。試用期間中の条件が本採用後と異なるときは、職業安定法施行規則4条の2第6項に従い両方の条件を並べて書く。明示は原則として書面の交付の方法によるため、媒体掲載用の原稿とは別に、応募者へ交付できる書面(又は本人が希望した場合の電子メール等)を用意しておく。
- 4
公開前の社内チェック
採用担当だけでなく、実際に配属先となる部署や人事・労務担当者を交えて、記載内容と実際の運用に齟齬がないかを確認する段階。固定残業代の内訳や試用期間中の条件など、紛争になりやすい項目は特に重点的に見直す。あわせて、性別を限定する表現が紛れ込んでいないか、年齢の上限を置くなら委任規定が認める例外に当たるかを、募集責任者が公開前に一件ずつ確認する。
- 5
媒体への掲載・公開
自社サイト、求人媒体、ハローワーク等、選択した媒体それぞれの様式に沿って求人票・募集要項を掲載する段階。媒体ごとに記載欄の様式や文字数制限が異なる場合でも、明示すべき労働条件の内容自体は必ず揃える必要がある。ハローワーク等へ求人を申し込む場合、職業安定法5条の6第1項は、「その内容が法令に違反する求人の申込み」(第1号)や、賃金・労働時間その他の労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当であると認められる求人の申込み(第2号)に加えて、「第五条の三第二項の規定による明示が行われない求人の申込み」(第4号)を受理しないことができると定めている。明示事項の記載漏れはそれ自体が不受理の事由になり得る。
- 6
掲載後の内容維持・更新
職業安定法5条の4第2項は、募集を行う者に対し募集情報を正確かつ最新の内容に保つことを求めている。条件変更や募集終了があった場合は、速やかに求人票・募集要項の内容を修正・削除する運用を社内で徹底する。募集時に明示した内容の記録は、職業安定法施行規則4条の2第7項により、募集が終了する日(募集終了後に労働契約を締結しようとする者はその締結日)まで保存する。労働契約を結ぶ前に条件を変更・特定・削除・追加するときは、職業安定法5条の3第3項に基づき変更後の内容を改めて明示する。
専門家に相談したほうがよい場面
固定残業代の設計、就業規則や賃金規程との整合性、有期契約における更新上限の置き方、年齢や性別に関する例外規定の当てはめなど、法的な当否の判断が必要な場面では、社会保険労務士や弁護士など専門家への相談を検討してほしい。募集開始後に条件を変更する場合や、行政から指導・勧告を受けた場合も同様である。当社は士業資格者を擁さず、書類作成の受託・代理は行わない。本ガイドは利用者自身による編集・提出を前提とした一般的な情報提供にとどまり、事実と異なる内容の求人票の作成に関与することもしない。
よくある質問
- 求人票と労働条件通知書は同じものですか。
- 別のものである。求人票・募集要項は募集段階で職業安定法5条の3第1項に基づき労働条件を明示するための書面であり、労働条件通知書は労働契約の締結に際して労働基準法15条1項に基づき明示するための書面である。明示事項の範囲も異なり、労働基準法施行規則5条1項は「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」や昇給に関する事項など、募集段階の明示事項にはない項目まで挙げている。実務上は求人票の内容をもとに労働条件通知書を作成することが多いが、作成時点も根拠法も異なるため、内容が食い違わないよう照合する必要がある。
- 求人票に記載した条件を、採用面接や内定後に変更してもよいですか。
- 一律に禁止されているわけではない。ただし職業安定法5条の3第3項は、募集時に明示した条件を変更して労働契約を締結しようとする場合、相手方となろうとする者に変更後の内容を明示しなければならないと定めている。職業安定法施行規則4条の2第1項は、明示済みの条件の範囲内で特定する場合、明示済みの条件を削除する場合、条件を追加する場合も明示が必要な場面として挙げている。さらに労働基準法施行規則5条2項は、労働契約締結時に明示すべき労働条件を「事実と異なるものとしてはならない。」と定め、労働基準法15条2項は、明示された労働条件が事実と相違する場合に労働者が即時に労働契約を解除できるとしている。変更の経緯は記録に残しておくことが望ましい。
- 固定残業代(みなし残業代)を求人票に記載する場合、どこに注意すればよいですか。
- 基本給と固定残業代部分を明確に区別した上で、固定残業代に対応する時間数と、その時間を超えて労働させた場合には別途割増賃金を支払う旨を明示することが重要である。金額の内訳を示さず総額のみを記載すると、実際の労働時間に応じた賃金が支払われていないと判断されるリスクが高まる。加えて、固定残業代を除いた部分が地域別最低賃金を下回る設計になっていないかを確認したい。最低賃金法4条2項により、最低賃金額に達しない賃金を定める部分は無効とされ、無効となった部分は最低賃金と同様の定めをしたものとみなされる。
- 求人票・募集要項の作成に、社会保険労務士などの資格は必要ですか。
- 求人票・募集要項そのものの作成に資格は不要であり、事業者自身が作成できる私文書である。職業安定法5条の3が明示義務を負わせている相手は「労働者の募集を行う者」であって、資格者による作成を要求する規定は置かれていない。ただし固定残業代の設計や複雑な雇用形態、就業規則との整合性など、法的な判断が絡む部分については、社会保険労務士や弁護士に相談することが望ましい場合がある。
- 年齢や性別を条件にした募集(35歳まで、男性歓迎など)はできますか。
- 性別については、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律5条が「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」と定めており、性別を条件とする募集は原則として認められない。年齢についても、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律9条が「その年齢にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」としている。上限年齢を置けるのは、その委任を受けた同法施行規則1条の3第1項が挙げる場合(定年を下回ることを条件とする無期雇用の募集、法令で就業が禁止・制限されている業務、長期勤続によるキャリア形成を目的とした新卒等の募集、技能の継承、芸術・芸能分野、高年齢者等の雇用促進)に限られる。
出典
- e-Gov法令検索 職業安定法
- e-Gov法令検索 職業安定法施行規則
- e-Gov法令検索 労働基準法
- e-Gov法令検索 最低賃金法
- 厚生労働省 労働者派遣事業・職業紹介事業等の適正な運用
- 厚生労働省 ハローワークインターネットサービス
最終確認日: 2026-08-20
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