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住宅宿泊事業(民泊)届出書

住宅宿泊事業(いわゆる民泊)を始めるときに、住宅の所在地を管轄する都道府県知事等へ提出する届出書です(住宅宿泊事業法3条1項)。様式は住宅宿泊事業法施行規則の第一号様式で、事業を営もうとする住宅ごとに提出します。届出をすれば旅館業法の許可がなくても事業を営めます。ただし、届出をした場合でも、人を宿泊させる日数は1年間で180日を超えられません。【地域差あり】提出先も、条例による区域・期間の制限の有無も自治体ごとに異なります。

住宅宿泊事業(民泊)届出書の要点。
届出者住宅宿泊事業(民泊)を始める個人・法人
期限事業を開始しようとする日の前日まで
費用登録免許税なし/手数料の有無は自治体による
提出先住宅所在地の都道府県知事(権限のある保健所設置市・特別区はその長)
様式住宅宿泊事業法施行規則 第一号様式(民泊制度運営システム)
地域差あり発行:都道府県・保健所設置市最終確認:2026-09-19

誰が・どんなときに必要?

自分が所有または賃借する住宅で、宿泊料を受けて人を宿泊させる事業を始める個人・法人が対象です。届出は事業を開始しようとする日の前日までに行います。届出できる「住宅」は、台所・浴室・便所・洗面設備が設けられている家屋です。さらに、居住要件のいずれかに該当する家屋に限られます。居住要件は「現に人の生活の本拠として使用」「入居者の募集が行われている」「随時その所有者・賃借人・転借人の居住の用に供されている」の3つです。事業(人を宿泊・入居させるものを除く)の用に供されている家屋は届け出られません。

手続きの流れ

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    「住宅」の要件と届出の単位を確認する

    設備要件(台所・浴室・便所・洗面設備)と居住要件の両方を満たすかを見ます。届出の単位は、台所・浴室・便所・洗面設備が設けられている単位が最小単位です。一つの「住宅」について届出できるのは一の事業者だけで、既に届出された住宅を重複して届け出ることはできません。ただし共同所有者や賃貸人と賃借人など、共同で事業を実施し関係性が明確な場合は連名での届出も可能とされています(施行要領)。

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    賃貸借・管理規約・消防を事前に確認する

    賃借人・転借人の場合は、賃貸人・転貸人が住宅宿泊事業を目的とした転貸を承諾しているかが前提です。分譲マンションでは、管理規約に禁止する定めがないか(定めがない場合は管理組合に禁止する意思がないか)も確認事項です。消防法令適合通知書は法律上の必須書類ではありませんが、施行要領で届出時にあわせて提出を求めることとされています。必要な消防設備の判断は、届出住宅を管轄する消防が行います。

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    管理業務を自ら行うか委託するかを決める

    届出住宅の居室数が5を超えるとき、または宿泊させる間に不在となるときは、管理業務の全部を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければなりません。日常生活を営む上で通常行われる行為に要する時間の範囲内の不在は除きます。委託する場合は管理業者の商号・登録年月日・登録番号と管理受託契約の内容も届出事項となり、交付された契約書面の写しを添付します。

  4. 4

    届出書(第一号様式)と添付書類をそろえる

    届出書は日本語で作成します(名称・住所等の固有名詞は外国語でも記載可)。添付書類は日本語または英語で記載されたものに限られ、英語の場合は日本語訳を添付します。特別の事情で日本語・英語で提出できない場合は、その他の言語の書類に日本語訳を添付して提出できます。官公署が証明する書類は届出日前3月以内に発行された原本が必要で、写しは認められません。

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    民泊制度運営システムで届出する

    住宅宿泊事業の届出は、原則として民泊制度運営システムを利用して行うこととされています。「全て電子」「電子+一部書類を窓口へ紙提出」「システムで書類作成のみ」の3方式があります。電子で提出する場合は電子署名・電子証明書または身分証明書等が必要です。システムから電子的に提出すると、住宅の所在地に応じた提出先へ自動的に提出されます。

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    届出番号の通知を受けてから開業し、標識を掲示する

    届出日は、形式上の要件に適合した届出書等が都道府県知事等に到達した日です。受け付けた行政庁はすみやかに届出番号を通知します。届出番号が通知される前に事業を開始すると、住宅宿泊事業法13条の標識に届出番号を記載できず、13条違反となります。標識は届出住宅ごとに公衆の見やすい場所へ掲示し、事業を実施している間は継続して掲示します。

主な必要書類

  • 住宅宿泊事業届出書(第一号様式)(住宅ごとに作成します。提出部数は提出先の自治体の定めによります。)
  • 住宅の図面(台所・浴室・便所・洗面設備の位置、間取りと出入口、各階の別、居室・宿泊室・宿泊者の使用に供する部分の床面積を明示します。非常用照明器具の位置その他の安全のための措置の実施内容も明示します。必要事項が明確なら手書きでも可です。)
  • 住宅の登記事項証明書(個人・法人いずれも必要です。)
  • 欠格事由に該当しないことを誓約する書面(法人は様式A(住宅宿泊事業法4条2号〜4号・7号・8号に該当しない旨)、個人は様式B(1号〜6号・8号)です。法人も届出者名義の1通で足り、役員ごとの誓約書は不要です。)
  • 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者に該当しない旨の市町村長の証明書(法人は役員分も必要です。届出日前3月以内発行の原本です。)
  • 定款又は寄付行為/法人の登記事項証明書(法人が届出する場合です。)
  • 転貸を承諾したことを証する書面/専有部分の用途に関する規約の写し(賃借人は賃貸人、転借人は賃貸人及び転貸人の承諾です。区分所有建物は規約の写しです(定めがないときは管理組合が禁止する意思がないことを確認したことを証する書類)。)
  • 住宅の該当区分を証する書類(「入居者の募集が行われている家屋」は募集広告等、別荘・セカンドハウス等は随時居住の用に供していることを証する書類です。)
  • 消防法令適合通知書(法定の必須書類ではありませんが、施行要領で提出を求めることとされています。発行元は届出住宅を管轄する消防です。)

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

住宅宿泊事業の届出(住宅宿泊事業法3条)には登録免許税がかかりません。登録免許税法別表第一に課税項目がありません。別表第一142の3が対象とするのは、国土交通大臣の登録である住宅宿泊管理業者・住宅宿泊仲介業者の登録(各9万円・更新の登録を除く)だけです。届出手数料についても「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」に標準額の定めがありません。手数料の有無や額は提出先の都道府県・保健所設置市等の定めによります。このほか登記事項証明書や市町村長の証明書などの取得費用が別途必要です。

提出先・提出方法

提出先は住宅の所在地を管轄する都道府県知事です。ただし保健所を設置する市や特別区のうち、その長が住宅宿泊事業等関係行政事務を処理することとしている区域では、その市区の長が提出先になります。届出は原則として民泊制度運営システムを利用します。システムから電子的に提出した場合は、所在地に応じた提出先へ自動的に提出されます。【地域差あり】紙で提出する場合の窓口・受付方法・提出部数は自治体ごとに異なり、民泊制度ポータルサイトの各自治体の窓口案内に掲載されています。

つまずきやすいポイント

  • 【地域差あり】都道府県(権限のある保健所設置市等はその市区)は、条例で区域を定めて事業を実施してはならない期間を指定できます(住宅宿泊事業法18条)。国土交通省の取りまとめ(令和3年4月1日時点)では、全157自治体のうち区域・期間の制限を含む条例が54、行為規制のみが4、条例未制定が47です。権限委譲していない(都道府県が処理)のが52自治体です。その後の改廃を含めた拠りどころは、提出先の現行条例です。
  • 記載事項や添付書類に不備がある届出は受け付けられません。届出日は、形式上の要件に適合した届出書等が到達した日になります。届出番号の通知前に事業を開始すると標識に届出番号を記載できず、住宅宿泊事業法13条違反として裁判所から30万円以下の罰金に処される可能性があります。届出に虚偽があった場合は、裁判所から6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処される可能性があります。
  • 年間の営業日数の上限180日は届出住宅ごとに適用されます。1年間は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで、1日は正午から翌日の正午までとして算定します。年の途中で事業者が代わってもカウントは引き継がれます。複数の住戸や複数棟を一つの届出住宅として届け出た場合、1室でも宿泊させれば1日と算定されます。
  • 商号・名称・氏名及び住所、法人の役員の氏名などの届出事項が変わったときは30日以内に変更の届出が必要です。しない場合は裁判所から30万円以下の罰金に処される可能性があります。事業の廃止、届出者の死亡、法人の合併消滅・解散のときは、その日(死亡は事実を知った日)から30日以内に廃業等届出書(第三号様式)の提出が必要です。しない場合は裁判所から20万円以下の過料に処される可能性があります。
  • 定期報告は届出住宅ごとに続きます。毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の15日までに、前2か月の宿泊日数・宿泊者数・延べ宿泊者数・国籍別の宿泊者数の内訳を報告します。報告をしない場合は、裁判所から30万円以下の罰金に処される可能性があります。自治体によっては独自の報告様式があります。

よくある質問

届出をすれば1年中営業できますか?

できません。住宅宿泊事業法により、人を宿泊させる日数は1年間で180日を超えないものとされています。1年間は毎年4月1日正午から翌年4月1日正午まで、1日は正午から翌日の正午までとして算定します。さらに条例で区域と期間の制限が定められている区域では、その範囲でしか実施できません。

住宅宿泊管理業者への委託は必ず必要ですか?

届出住宅の居室数が5を超えるとき、または宿泊させる間に不在となるときは、管理業務の全部を一の住宅宿泊管理業者に委託しなければなりません。日常生活を営む上で通常行われる行為に要する時間の範囲内の不在は除きます。事業者自身が住宅宿泊管理業者で自ら行う場合は例外です。生活の本拠と届出住宅が同一の建築物内・敷地内・隣接にあり、自ら管理する居室が5以下の場合も例外とされています。

届出の手数料や登録免許税はいくらですか?

住宅宿泊事業の届出には登録免許税がかかりません(登録免許税法別表第一に課税項目がありません)。「地方公共団体の手数料の標準に関する政令」にも標準額の定めがないため、手数料の有無や額は提出先の都道府県・保健所設置市等の定めによります。国土交通大臣の登録である住宅宿泊管理業者の登録を受ける場合は、1件につき9万円の登録免許税がかかります(登録免許税法別表第一142の3)。

消防法令適合通知書は必ず提出しなければなりませんか?

観光庁のFAQでは、消防法令適合通知書の提出は住宅宿泊事業法で定められた必須事項ではないと説明されています。ただし住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)において、都道府県知事等は提出を求めることとしています。必要な消防設備は住宅の実態によって異なり、判断は届出住宅を管轄する消防部局が行います。

この書式は、提出先の自治体・都道府県によって様式や必要書類が異なる場合があります。最新の様式と要件は、提出先の窓口または上記の公式ページで確認できます。

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