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貨物軽自動車運送事業経営届出書

軽自動車や125ccを超える二輪車を使って、他人の荷物を有償で運ぶ事業(いわゆる黒ナンバー)を始めるときに提出する書式です。貨物自動車運送事業法36条1項に基づく「届出」であり、同法3条の許可が必要な一般貨物自動車運送事業とは制度が異なります。届出書に記載する事項と添付書類は、同法施行規則33条に定められています。届出をした事項を変更するときも、同じく届出が必要です。

全国統一様式発行:地方運輸局最終確認:2026-07-30

誰が・どんなときに必要?

軽貨物車・軽乗用車や、排気量125ccを超える二輪車で、他人の需要に応じて有償で貨物を運送する方が対象です(法2条4項。四国運輸局管内4支局長の公示では、二輪の自動車を「排気量が125ccを超えるもの」としています)。個人でも法人でも届出でき、事業用自動車1台からでも事業を行えると運輸支局が案内しています。届出は事業を始める前に行い、営業所ごとの車両数・車庫・休憩睡眠施設などを事業計画として記載します。

手続きの流れ

  1. 1

    営業所・車庫・休憩睡眠施設と使用する車両を決める

    各営業所に配置する事業用自動車の種別(軽普通・軽霊きゅう・二輪)と台数、車庫の位置と収容能力、乗務員の休憩又は睡眠のための施設を決めます。車庫は原則として営業所に併設し、併設できない場合は営業所からの距離が2キロメートルを超えないこととする基準が各運輸支局の公示に定められています。広さは軽自動車1両あたり8㎡以上を目安と案内する運輸支局もあります。

  2. 2

    貨物軽自動車運送事業経営届出書を作成する

    氏名又は名称・住所(法人は代表者氏名)、事業の開始の予定日、事業計画、運送約款を記載します(施行規則33条1項)。国土交通省が統一様式(Excel/PDF)を公開しています。標準運送約款と同一の約款を定めたときは届出書への約款の記載を省略でき(同条5項)、運輸支局の公示では該当する標準約款(平成15年国土交通省告示第171号・第172号)をチェックして記載すれば約款の添付は不要とされています。

  3. 3

    添付書類・宣誓書と運賃料金設定届出書をそろえる

    法令上の添付書類は「事業用自動車の運行管理の体制を記載した書類」です(施行規則33条2項1号、3条1号)。統一様式では届出書内の記載欄になっています。あわせて、車庫の使用権原・関係法令への不抵触・損害賠償の支払能力を宣誓する書面を求める公示があります。運賃及び料金を定めたときは設定後30日以内に運賃料金設定(変更)届出書を提出しますが(報告規則2条の2)、公示では経営届出書と同時に提出しても差し支えないとされています。

  4. 4

    運輸支局に提出し、事業用自動車等連絡書の交付を受ける

    営業所の所在地を管轄する運輸支局(運輸監理部)の輸送部門に、あらかじめ届出をします。窓口では車検証など車両の諸元が確認できる書類の提示を求められ、記載事項に問題がなければその場で事業用自動車等連絡書を発行できると案内されています。届出書を提出用・控え用の2部で持参するよう案内している運輸支局もあります。

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    黒ナンバーの交付を受け、車体に表示をする

    三輪以上の軽自動車は、交付された事業用自動車等連絡書を添えて軽自動車検査協会で新規検査申請または自動車検査証記入申請を行い、事業用のナンバープレート(黒ナンバー)の交付を受けます(二輪は運輸支局の登録部門が窓口です)。取得後は自動車の両側面に氏名・名称又は記号を表示するよう指導されます(法令ではなく公示上の指導事項。四国運輸局の案内では文字は縦横10cm以上)。

  6. 6

    安全管理者の選任など法令上の管理体制を整える

    四輪以上の軽自動車を使う場合は、届出後すみやかに営業所ごとに貨物軽自動車安全管理者1人を選任し、氏名等を届け出ます(法36条の2)。初任運転者等への特別な指導・適性診断は令和7年4月以降の届出事業者には猶予がありません(輸送安全規則10条2項。令和7年3月末までの届出は同規則附則で令和10年3月31日まで猶予)。点呼記録・業務の記録の1年間保存、運転者等台帳の備置き、事故の記録の3年間保存、事故の報告も義務です。

主な必要書類

  • 貨物軽自動車運送事業経営届出書(様式1)国土交通省が統一様式(Excel/PDF)を公開。提出用・控え用の2部を求める運輸支局もあります
  • 事業用自動車の運行管理の体制を記載した書類施行規則33条2項1号・3条1号。統一様式では届出書内の記載欄
  • 宣誓書(車庫の使用権原・関係法令への不抵触・損害賠償能力)運輸支局の公示で添付を求められるもの
  • 運賃料金設定届出書及び運賃料金表報告規則2条の2。経営届出書と同時提出可
  • 運送約款標準貨物軽自動車運送約款・標準貨物軽自動車引越運送約款と同一なら添付不要。独自約款は必要
  • 車検証(車両の諸元が確認できる書類)電子車検証の取扱いは支局差あり(本通+記録事項/記録事項の添付)。新車は完成検査終了証等
  • 事業用自動車等連絡書運輸支局の窓口で発行されます。事前に作成しておくこともできます

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

届出そのものに手数料はかからないと、四国運輸局および京都運輸支局が案内しています。登録免許税法別表第一第125号は「道路運送事業の許可若しくは事業計画の変更の認可又は登録貨物軽自動車安全管理者講習機関若しくは登録貨物軽自動車安全管理者定期講習機関の登録」を課税対象とし、一般貨物自動車運送事業の許可を1件12万円、特定貨物自動車運送事業の許可を1件6万円、貨物軽自動車安全管理者の講習機関・定期講習機関の登録を各1件9万円と定めていますが、貨物軽自動車運送事業の経営届出は同号に掲げられていないため登録免許税はかかりません。登録免許税は国土交通大臣の許可・登録にかかるもので、本手続は国の届出を運輸支局が処理するものであるため、都道府県の条例による手数料もかかりません。ただし軽自動車検査協会での車検証・ナンバープレート(黒ナンバー)の交付等には別途費用がかかるため、金額は軽自動車検査協会でご確認ください。貨物軽自動車安全管理者講習の料金は登録講習機関ごとに定められるため、受講先でご確認ください。

提出先・提出方法

営業所の所在地を管轄する運輸支局(運輸監理部)の輸送部門に提出します。法律上の権限は国土交通大臣にありますが、貨物軽自動車運送事業に関する権限は地方運輸局長に委任され、さらに運輸監理部長・運輸支局長に委任されています(施行規則42条1項25号・2項)。基本は窓口対応で、郵送に応じるかどうかや必要部数の案内は運輸支局ごとに異なります。代理の方の提出を認め委任状も不要としている運輸支局もあるため、事前に管轄の運輸支局の案内を確認してください。

つまずきやすいポイント

  • 「許可」ではなく「届出」なので許可書は交付されません。届出済みであることを示す資料は届出書の控えで、控えの再発行はできません。紛失した場合は、運輸支局輸送部門に「証明願」を提出して証明書を受ける方法が案内されています。
  • 車検証など車両の諸元が確認できる書類を持参しないと、事業用自動車等連絡書を発行できません。電子車検証については、本通と「自動車検査証記録事項」の両方の持参を求める運輸支局(四国運輸局)と、閲覧アプリで出力・印刷した記録事項の添付でよいとする運輸支局(京都運輸支局)があるため、管轄支局の案内をご確認ください。
  • 車庫は原則として営業所に併設し、併設できない場合は営業所からの距離が2キロメートルを超えないこととする基準が公示で定められています(京都運輸支局・四国管内の公示はいずれも2キロメートル)。計画車両のすべてを収容できることも要件で、広さは軽自動車1両あたり8㎡以上を目安と案内する運輸支局があります。
  • 車検証の用途が「乗用」の軽自動車を使う場合、積載できる貨物の重量は(乗車定員−乗車人員)×55kgまでとされています。四国運輸局の案内では、乗車定員4人の車両で運転者1人のみのときは165kgまでです。過積載を前提とした運行計画の作成や運送の引受けは禁止されています。
  • 制度上「事業の休止」はないため、車両が0両になる場合は廃止届出が必要で、再開するときは改めて経営届出をすることになると案内されています。また、使用の本拠の位置が他の都道府県に移る場合は、変更前の管轄で廃止、変更後の管轄で経営届出を行うよう案内している運輸支局があります。

よくある質問

「許可」と「届出」はどう違うのですか?

貨物軽自動車運送事業は貨物自動車運送事業法36条1項に基づく届出制で、同法3条により国土交通大臣の許可が必要な一般貨物自動車運送事業とは制度が異なります。届出制のため許可書は交付されず、届出書の控えが届出済みであることを示す資料になります。届出事項を変更するときも届出が必要です。

届出に費用はかかりますか?

届出そのものに費用はかからないと四国運輸局・京都運輸支局が案内しています。登録免許税法別表第一第125号にも貨物軽自動車運送事業の経営届出は掲げられていないため、登録免許税はかかりません。ただし車検証・ナンバープレートの交付等は別途費用がかかるため、金額は軽自動車検査協会にお問い合わせください。

貨物軽自動車安全管理者は必ず選任が必要ですか?

四輪以上の軽自動車を使用して貨物を運送する事業者は、経営届出の後すみやかに営業所ごとに1人選任しなければなりません(法36条の2第1項)。三輪の軽自動車や二輪の自動車を用いるいわゆるバイク便は対象外とされています。国土交通省の案内では、令和7年3月末までに経営届出をした事業者は令和9年3月までに選任・受講、令和7年4月以降の届出事業者はすみやかに実施するとされています。選任・解任をしたときは法令上「遅滞なく」氏名を届け出ることとされ(法36条の2第2項、輸送安全規則33条の2)、運輸局によっては選任・変更・解任について届出事由の発生日から1週間以内という目安を示しています。

運行管理者や整備管理者は必要ですか?

四国運輸局の案内では、貨物軽自動車運送事業に運行管理者の選任義務はありません。一方、整備管理者は、貨物軽自動車運送事業の用に供する自動車が使用の本拠(営業所)ごとに10両以上となる場合に選任が必要です(道路運送車両法50条1項・同法施行規則31条の3第4号)。四国運輸局・京都運輸支局も「営業所ごとに10台以上」と案内しています。営業所で使用する自動車が5台以上の場合の安全運転管理者は警察の所管なので、管轄の警察署にご確認ください。

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