許可申請・届出
社会保険・雇用保険の資格取得届
内容の確認日:
① 概要(誰が・いつ)
従業員を雇い入れたとき、事業主は2つの届出を行います。
- 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届(日本年金機構あて)。適用事業所に常時使用される人は、国籍や性別、賃金の額に関係なく被保険者となります。70歳以上の人は原則として健康保険のみの加入で、厚生年金保険については「70歳以上被用者該当届」を同じ様式で届け出ます。
- 雇用保険被保険者資格取得届(ハローワークあて)。
2つは提出先も期限も異なる別の届出で、1枚の様式ではありません。
| 届出 | 届け出る人 | 期限 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 | 事業主 | 雇い入れた日から5日以内(健康保険法施行規則24条) |
| 雇用保険 | 事業主 | 雇い入れた日の属する月の翌月10日まで |
パートタイマー・アルバイトでも、1週間の所定労働時間と1か月の所定労働日数が通常の労働者の4分の3以上であれば、健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。特定適用事業所などでは、4分の3未満でも、週の所定労働時間が20時間以上で学生でない人は、短時間労働者として被保険者となります。2か月以内の期間を定めて使用される人や臨時に使用される人などは対象から除かれ、最低賃金の減額の特例を受けている人のうち一定の人(特定減額特例対象者)は原則として対象外です。短時間労働者の要件のうち「所定内賃金が月額8.8万円以上」という賃金要件は、2026年10月1日に撤廃されました。
② 必要書類
作成できる書類
| 書類 | 1枚に書ける人数 |
|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届 | 4人 |
| 雇用保険被保険者資格取得届 | 1人 |
ご自身で用意するもの
- 従業員本人の個人番号(マイナンバー)または基礎年金番号。資格取得届に記入がないと返戻されます。
- 被扶養者がいる場合は「健康保険 被扶養者(異動)届」。配偶者が国民年金第3号被保険者になる場合は「国民年金第3号被保険者該当届」。
- 60歳以上の人が退職後1日の空白もなく再雇用された場合は、退職日と再雇用日が分かる書類(就業規則・退職辞令の写しと雇用契約書の写し、または事業主の証明書)。同日付の資格喪失届もあわせて提出します。
- 外国籍の従業員で、個人番号と基礎年金番号が結びついていない人などは「ローマ字氏名届」。
- 雇用保険では、次の場合に、労働契約書・労働者名簿・賃金台帳など、被保険者となった事実と年月日を証明できる書類を添付します。その事業主が初めて資格取得届を出す場合、期限を過ぎて出す場合、過去3年間に納付の命令を受けたことがある場合、記載事項に疑義がある場合など。同居の親族などの届出にも添付書類が要ります。
③ 実費・手数料
- 日本年金機構とハローワークの案内には、どちらの届出にも手数料の記載はありません(2026年10月19日確認)。
- 郵送で提出する場合の郵送料と、添付書類の写しを用意する費用は、提出する側の負担です。
④ 提出先・提出方法
| 届出 | 提出先 | 提出方法 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 | 事務センターまたは管轄の年金事務所。健康保険組合に加入している場合、健康保険分は健康保険組合 | 電子申請、電子媒体(CD・DVD)、郵送、窓口持参 |
| 雇用保険 | 事業所の所在地を管轄するハローワーク | 窓口持参、電子申請 |
- 雇用保険の資格取得届を郵送で提出できるかどうかは、ハローワークインターネットサービスの案内には記載がありません(2026年10月19日確認)。
- 電子申請は e-Gov などから行えます。利用には電子証明書または GビズID が要ります(日本年金機構「電子申請(e-Gov)」)。
- 資本金・出資金などが1億円を超える法人、相互会社、投資法人、特定目的会社は「特定の法人」にあたり、雇用保険の資格取得届は電子申請で行うこととされています。健康保険・厚生年金保険の資格取得届は、この義務化の対象手続に含まれていません。
⑤ 処理期間
- 処理期間の目安は、日本年金機構とハローワークの案内には示されていません(2026年10月19日確認)。
- 健康保険・厚生年金保険では、協会けんぽ管掌の事業所の場合、協会けんぽから「資格情報のお知らせ」と、必要な場合に「資格確認書」が交付されます。初めて公的年金制度に加入した人には基礎年金番号通知書が交付されます。
- 雇用保険では、ハローワークが被保険者となったことを確認すると「雇用保険被保険者資格取得等確認通知書」が通知され、雇用保険被保険者証が交付されます。被保険者証は事業主を通じて交付されることがあります。
⑥ よくある質問
Q1. 健康保険・厚生年金保険と雇用保険は、1回の届出で済みますか。 別々の届出です。健康保険・厚生年金保険は日本年金機構へ雇い入れから5日以内、雇用保険はハローワークへ翌月10日までです。同じ入力から2種類の届書を作成できます。
Q2. 個人番号(マイナンバー)が分からないときはどうなりますか。 健康保険・厚生年金保険の資格取得届は、個人番号または基礎年金番号の記入がないと返戻されます。雇用保険の資格取得届も1欄が個人番号の欄です。どちらも作成する PDF では空欄で出力され、提出前に記入します。
Q3. 届出を忘れていた従業員がいた場合はどうなりますか。 日本年金機構の案内では、後から分かった場合はさかのぼって資格取得届を提出し、事実が発生したときにさかのぼって保険料を納めることになります。
Q4. 雇用保険の「新規」と「再取得」はどう区別しますか。 過去に被保険者になったことがない人、または最後に被保険者でなくなった日から7年以上たっている人は「1(新規)」、それ以外は「2(再取得)」です。再取得の場合は2欄に被保険者番号を記入します。
Q5. 雇用保険の賃金月額はどう書きますか。 11欄の年月日現在の支払の態様と賃金月額を、千円単位(千円未満四捨五入)で記入します。臨時の賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金、超過勤務手当は含めません。作成する PDF も千円単位に四捨五入して印字されます。
⑦ 様式の対応
| 官製様式 | 記載要領・配布元 |
|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届/厚生年金保険70歳以上被用者該当届(様式コード2200・健康保険法施行規則 様式第三号/厚生年金保険法施行規則 様式第七号) | 記入方法=様式の2枚目、記入例=従業員を採用したとき(届書様式・記入例) の「記入例」PDF(https://www.nenkin.go.jp/shinsei/kounen/tekiyo/hihokensha/20140718.files/0000002415r.pdf) |
| 雇用保険被保険者資格取得届(雇用保険法施行規則 様式第2号・2021年9月版) | 注意=様式の第2面、入力時の注意=雇用保険被保険者資格取得届(利用上の注意)、帳票印刷のポイント(https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/ins_printpoint.pdf) |
⑧ 注意事項
- 作成する PDF は、⑦の2様式の欄の配置に沿って描いたものです。官製の OCR 帳票にある読取基準マークや帳票種別の番号は印字されません。官製の用紙は A4白紙に等倍で印刷したものでないと窓口で受理できない旨がハローワークの案内にあります。
- 空欄で出力する欄:健康保険・厚生年金保険の①被保険者整理番号(日本年金機構が払い出します)・⑥個人番号[基礎年金番号]、雇用保険の1欄(個人番号)、提出日・届出日。いずれも提出前に記入します。
- 雇用保険の事業所名欄右の備考欄(9欄で「4(その他)」を選んだ場合の具体的説明など)は、印刷後に手書きで記入する欄です。
- 被扶養者届、国民年金第3号被保険者該当届、ローマ字氏名届、継続再雇用の証明書類は、作成の対象外です。
- 被保険者に該当するか、報酬月額や賃金月額がいくらになるか、届出が受理されるかは、日本年金機構(年金事務所)とハローワークが判断します。
出典
- 日本年金機構「就職したとき(健康保険・厚生年金保険の資格取得)の手続き」(2026年10月17日確認)
- 日本年金機構「従業員を採用したとき(届書様式・記入例)」(2026年10月17日確認)
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」(2026年10月19日確認)
- 日本年金機構「2026(令和8)年10月に社会保険の短時間労働者に係る賃金要件が撤廃されました」(2026年10月19日確認)
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険被保険者資格取得届(利用上の注意)」(2026年10月17日確認)
- 厚生労働省「2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されます」(2026年10月19日確認)