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下請適正取引等推進のためのガイドライン(業種別)

受託適正取引等推進のためのガイドライン(取引適正化ガイドライン)は、発注企業と受注企業との間で適正な取引が行われるよう国が策定した指針です。申請書や届出の様式ではなく、業種ごとに、取引の適正化に資する事例と、中小受託取引適正化法(取適法)などで問題となり得る取引事例をまとめた読みものです。中小企業庁のページでは、2026年9月時点で素形材・自動車から廃棄物処理業まで28業種分が公開されています。「下請適正取引推進のためのガイドライン」という古い呼び方では見つかりにくいことがあります。

下請適正取引等推進のためのガイドライン(業種別)の要点。
対象発注側の委託事業者と受注側の中小受託事業者
費用閲覧・ダウンロードは無料
提出先提出先なし(読むための指針)
様式申請書・届出書ではない
窓口中小企業庁の無料相談窓口(全都道府県)
全国統一様式発行:経済産業省・中小企業庁(一部は国交省/農水省/総務省/防衛省/林野庁と共管)最終確認:2026-09-19

誰が・どんなときに必要?

読む相手は、外注や委託を出す発注側(委託事業者)と、それを受ける受注側(中小受託事業者)の双方です。提出期限のある手続ではなく、価格交渉や取引条件の見直しの前、発注書面のひな形を作り直すときに読む資料です。背景にある下請代金支払遅延等防止法は、改正で「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に改題されました。略称は中小受託取引適正化法(取適法)です。改正前の解説とは条番号と用語が異なります。

手続きの流れ

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    業種を探す

    中小企業庁の「受託適正取引等推進のためのガイドライン(取引適正化ガイドライン)」のページに、業種名とガイドライン名の表が並びます。建設業も含まれますが、法律の適用は別枠です。建設業を営む者が請け負う建設工事の全部または一部を他の建設業者に請け負わせることは、取適法の役務提供委託から除かれます。「建設業法令遵守ガイドライン」は建設業法に基づく指針で、取適法の解説はそのままは当てはまりません。建設資材の製造委託など工事以外の取引には及ぶことがあります。

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    適用区分を確かめる

    取適法の対象かは、資本金または常時使用する従業員数で決まります。製造委託等は、発注側3億円超対受注側3億円以下と、1000万円超3億円以下対1000万円以下の2段で、従業員は300人超対300人以下です。情報成果物作成委託・役務提供委託は、5000万円超対5000万円以下と、1000万円超5000万円以下対1000万円以下です。従業員は100人超対100人以下です。ただし情報成果物のうちプログラム、役務のうち運送・倉庫保管・情報処理は、政令により製造委託等と同じ区分です。

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    発注書面を点検する

    取適法は、製造委託等をしたら直ちに、給付の内容・代金の額・支払期日・支払方法などを書面または電磁的方法で明示することを求めます。明示事項は、公正取引委員会規則に定められています。正当な理由により内容が定められない事項は明示を要しませんが、定められない理由と確定予定日を明示し、定まった後直ちに明示します。電磁的方法で明示し、相手から書面の交付を求められたときは、規則で定める例外を除き遅滞なく交付します。

  4. 4

    支払期日を確かめる

    支払期日は、検査をするかどうかを問わず、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定めます(取適法3条1項)。定めなかったときは受領した日が、60日を超えて定めたときは受領日から起算して60日を経過した日の前日が支払期日とみなされます。支払わなかった場合は、受領日から60日を経過した日から支払日まで年14.6%の遅延利息が生じます。

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    禁止行為を突き合わせる

    取適法5条1項は、受領拒否、支払遅延、減額、返品、買いたたき、購入・利用の強制、報復を禁じます。手形の交付自体も「支払わないこと」に含まれ、金銭・手形以外の支払手段で支払期日までに現金化が困難なものの使用も含まれます。5条2項は、有償支給原材料等の早期決済、経済上の利益の提供要請、理由なく給付内容を変更させ受領後にやり直させることを挙げます。費用変動時の協議拒否と一方的な代金決定も含め、これらによって中小受託事業者の利益を不当に害することを禁じます。役務提供委託・特定運送委託では、1項の受領拒否・返品と2項の早期決済が除かれます。

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    保存と窓口を確かめる

    取適法は、給付・受領・代金の支払などを記載した書類または電磁的記録の作成・保存を求めます。保存期間は、記載すべき事項の全部を記載した日から2年間です。ガイドラインは指針であり、個々の取引が違反に当たるかまでは判断しません。中小企業庁は、取適法に基づく調査・立入検査・改善指導や公正取引委員会への措置請求を行い、全都道府県に無料相談窓口を設置していると案内しています。

主な必要書類

  • 自社の業種に対応するガイドライン本文(中小企業庁の一覧ページから業種ごとにたどります。提出する書類ではなく、読むための資料です。)
  • 現在使っている発注書面・注文書のひな形(取適法の明示事項が漏れなく入っているかを照らします。未定事項の理由と確定予定日の欄も見ます。)
  • 取引基本契約書・個別契約書(支払期日、検査を完了する期日、有償支給の決済条件を見る資料です。)
  • 支払サイトと支払方法が分かる資料(受領日から60日以内か、手形払いか、現金化が困難な支払手段を使っていないかを照らします。)
  • 自社と取引先の資本金・常時使用する従業員数が分かる資料(取適法の適用対象に当たるかの判断に使います。プログラム・運送・倉庫保管・情報処理は製造委託等と同じ3億円区分です。)
  • 取適法の書類または電磁的記録(給付・受領・代金の支払などの記録で、記載すべき事項の全部を記載した日から2年間保存します。)
  • 業界団体の自主行動計画(中小企業庁のページで案内されている業界ごとの取組です。)

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

手数料はかかりません。ガイドラインは中小企業庁のウェブページで公開されており、閲覧・ダウンロードに費用は必要ありません。提出する手続ではないため、収入印紙や登録免許税も生じません。

提出先・提出方法

提出先はありません。ガイドラインは申請書でも届出書でもなく、国が策定して公表している指針で、中小企業庁のウェブページから業種ごとに閲覧・ダウンロードして読むものです。取引上の悩みがある場合の相談先として、中小企業庁は全都道府県に無料相談窓口を設置していると案内しています。取適法に基づく調査、立入検査、改善指導、公正取引委員会への措置請求も中小企業庁が実施します。

つまずきやすいポイント

  • 「下請適正取引推進のためのガイドライン」という呼び方は、現在の中小企業庁のページ名と一致しません。現行の名称は「受託適正取引等推進のためのガイドライン(取引適正化ガイドライン)」で、業種別に策定されています。古い名称のまま探すと、目的のガイドラインにたどり着けないことがあります。
  • 手形払いは「支払期日までに割り引けるなら問題ない」ではありません。取適法の括弧書きは、手形を交付すること自体を「支払わないこと」に含めています。現金と引き換えることが困難かどうかという限定が付くのは、金銭と手形以外の支払手段の場合です。
  • 条番号と用語が改正で変わっています。現行の取適法では、発注書面の明示は4条、支払期日は3条、遅延利息は6条、書類の作成・保存は7条です。用語も委託事業者・中小受託事業者・製造委託等代金に統一されています。改正で加わった特定運送委託は製造委託等に含まれ、適用区分は製造委託等と同じです。
  • ガイドラインを読むこと自体は義務の履行ではありません。ガイドラインは法令ではなく指針で、これに従わなかったことを直接の理由とする罰則はありません。背景にある取適法の明示義務や書類の作成・保存義務に違反すると、裁判所から50万円以下の罰金に処される可能性があります(取適法14条)。法人にも同額の刑が科されることがあります。
  • 取適法5条の遵守事項違反は、14条の罰金の対象ではなく、公正取引委員会の勧告の対象です。勧告に従ったときに限り、独占禁止法20条・20条の6を適用しないと定められています。勧告に従わない場合は、独禁法上の扱いが残ります。

よくある質問

このガイドラインに従わないと罰則がありますか。

ガイドライン自体は法令ではなく行政の指針で、これに従わなかったこと自体を理由とする罰則はありません。ガイドラインが解説している取適法の側には罰則があります。明示義務や書類の作成・保存に違反した場合、罰則の対象は違反行為をした委託事業者の代表者・代理人・使用人その他の従業者です。裁判所から50万円以下の罰金に処される可能性があります。法人にも同額の刑が科されることがあります。

自分の業種のガイドラインが見当たらないときはどうしますか。

公開されているのは一部の業種で、すべての業種が網羅されているわけではありません。該当する業種がない場合でも、取適法の条文と、経済産業大臣が受託中小企業振興法に基づいて定める「振興基準」は業種を問わず参照できます。近い業種のガイドラインも参考になりますが、取引慣行の例は業種固有のもので、そのまま当てはまるとは限りません。

フリーランスに仕事を出す場合もこのガイドラインを見ればよいですか。

発注先が従業員を使用しない個人などに当たる場合は、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が関係します。フリーランス法3条の明示義務は業務委託事業者一般に及びます。4条の支払期日(受領日から起算して60日以内。一定の明示をした再委託は元委託支払期日から起算して30日以内)と5条の遵守事項は、特定業務委託事業者に限られます。5条はさらに1か月以上の業務委託に限られます。両法に相互の適用除外規定はなく、要件を満たせば両方が同時に適用され得ます。取扱いの照会先は公正取引委員会・中小企業庁です。

ガイドラインが改訂されたかどうかは、どこで分かりますか。

中小企業庁のガイドライン一覧ページでは、各ガイドライン名の末尾に改訂年月が表示されています。手元の版の年月と見比べれば、改訂の有無が分かります。策定・改訂の時期は業種ごとに異なり、複数の業種にまたがる場合はそれぞれの表示を見ます。

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