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下請適正取引等推進のためのガイドライン(素形材・自動車・情報サービス・建設・広告・繊維・電機情報通信機器・産業機械航空機・建材住宅設備・トラック運送・放送コンテンツ・金属・化学・紙加工品・印刷・アニメーション・食品製造/卸売・水産物/養殖業・造船・防衛産業・林業木材・空港グランドハンドリング・家電量販店・鉄道車両・港湾運送 等 全27業種)
「受託適正取引等推進のためのガイドライン(取引適正化ガイドライン)」は、発注企業と受注企業との間で適正な取引が行われるよう国が策定した指針です。申請書や届出の様式ではなく、業種ごとに望ましい取引事例と、取適法などで問題となり得る取引事例をまとめた読みものです。中小企業庁のページでは、2026年7月時点で素形材・自動車から廃棄物処理業まで28業種分が公開されています。「下請適正取引推進のためのガイドライン」という古い呼び方では見つかりにくいことがあります。
誰が・どんなときに必要?
読む相手は、外注や委託を出す発注側(委託事業者)と、それを受ける受注側(中小受託事業者)の双方です。提出期限のある手続ではないため読む時期は自由ですが、価格交渉や取引条件の見直しの前、発注書面のひな形を作り直すときに読むと役立ちます。背景にある下請代金支払遅延等防止法は、令和8年1月1日施行の改正で「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」に改題され、略称は中小受託取引適正化法(取適法)となりました。改正前の解説と読み比べるときは注意してください。
手続きの流れ
- 1
自分の業種のガイドラインを探す(建設工事は別枠)
中小企業庁の「受託適正取引等推進のためのガイドライン(取引適正化ガイドライン)」のページに業種名とガイドライン名の表が並び、2026年7月時点の対象は28業種です。28業種には建設業も含まれますが、法律の適用は別枠です。建設業を営む者が請け負う建設工事の全部または一部を他の建設業者に請け負わせることは取適法の役務提供委託から除かれ(2条4項括弧書)、「建設業法令遵守ガイドライン」は建設業法に基づく指針です。以下の取適法の解説はそのままは当てはまりません(建設資材の製造委託など工事以外の取引には及ぶことがあります)。
- 2
自社がどちら側に当たるかを条文で確かめる
取適法の対象かは、資本金または常時使用する従業員数で決まります(2条8項・9項)。製造委託等は発注側3億円超↔受注側3億円以下と1000万円超3億円以下↔1000万円以下の2段、従業員は300人超↔300人以下です。情報成果物作成委託・役務提供委託は5000万円超↔5000万円以下と1000万円超5000万円以下↔1000万円以下、従業員は100人超↔100人以下。ただし情報成果物のうちプログラム、役務のうち運送・倉庫保管・情報処理は、政令により製造委託等と同じ区分です(2条8項1号括弧書・平成13年政令5号)。
- 3
発注書面の明示事項を点検する
取適法4条1項は、製造委託等をしたら直ちに、給付の内容・代金の額・支払期日・支払方法などを書面または電磁的方法で明示することを求めます。明示事項は公正取引委員会規則1条1項に1号から8号まで定められています。正当な理由により内容が定められない事項は明示を要しませんが、定められない理由と確定予定日を明示し、定まった後直ちに明示します(4条1項ただし書)。電磁的方法で明示し、相手から書面の交付を求められたときは遅滞なく交付します(同条2項。規則で定める例外があります)。
- 4
支払期日と遅延利息を確かめる
支払期日は、検査をするかどうかを問わず、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、かつできる限り短い期間内に定める必要があります(3条1項)。定めなかったときは受領した日が、60日を超えて定めたときは受領日から起算して60日を経過した日の前日が支払期日とみなされます(同2項)。支払わなかった場合は、受領日から60日を経過した日から支払日まで年14.6%の遅延利息が生じます(6条1項)。
- 5
禁止行為の一覧と自社の取引慣行を突き合わせる
5条1項は受領拒否、支払遅延、減額、返品、買いたたき、購入・利用の強制、報復を禁じます。2号の括弧書きは、手形の交付自体を「支払わないこと」に含め、金銭・手形以外の支払手段で支払期日までに現金化が困難なものの使用も含めます。5条2項は、有償支給原材料等の早期決済(1号)、経済上の利益の提供要請(2号)、理由なく給付内容を変更させ受領後にやり直させること(3号)、費用変動時の協議拒否と一方的な代金決定(4号)によって中小受託事業者の利益を不当に害することを禁じます。役務提供委託・特定運送委託では、1項の受領拒否・返品と2項の早期決済が除かれます。
- 6
書類の保存を点検し、判断に迷うときは公的窓口へ
取適法7条は、給付・受領・代金の支払などを記載した書類または電磁的記録の作成・保存を求め、公正取引委員会規則は記載すべき事項の全部を記載した日から2年間の保存を定めています。ガイドラインは指針であり、個々の取引が違反に当たるかまでは判断しません。中小企業庁は、取適法に基づく調査・立入検査・改善指導や公正取引委員会への措置請求を行い、全都道府県に無料相談窓口を設置していると案内しています。
主な必要書類
- 自社の業種に対応するガイドライン本文(中小企業庁のガイドライン一覧ページから業種ごとにたどります。提出する書類ではなく、読むための資料です。)
- 現在使っている発注書面・注文書のひな形(取適法4条1項の明示事項が漏れなく入っているかを照らし合わせるために手元に置きます。未定事項がある場合の理由と確定予定日の欄も確認します。)
- 取引基本契約書・個別契約書(支払期日、検査を完了する期日、原材料等を有償支給する場合の決済条件などを確認します。)
- 支払サイトと支払方法が分かる資料(受領日から起算して60日以内か、手形を交付していないか、金銭と手形以外の支払手段で支払期日までに現金化が困難なものを使っていないかを確認します。)
- 自社と取引先の資本金・常時使用する従業員数が分かる資料(取適法2条8項・9項の適用対象に当たるかの判断に使います。情報成果物作成委託・役務提供委託は原則5000万円区分ですが、プログラム・運送・倉庫保管・情報処理は製造委託等と同じ3億円区分です。)
- 取適法7条の書類または電磁的記録(給付・受領・代金の支払などの記録です。記載すべき事項の全部を記載した日から2年間の保存が求められます。)
- 業界団体の自主行動計画(中小企業庁のページで案内されている業界ごとの取組です。ガイドラインと併せて読むと理解が進みます。)
※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。
費用(実費)
手数料はかかりません。ガイドラインは中小企業庁のウェブページで公開されており、閲覧・ダウンロードに費用は必要ありません。提出する手続ではないため、収入印紙や登録免許税も生じません。
提出先・提出方法
提出先はありません。ガイドラインは申請書でも届出書でもなく、国が策定して公表している指針で、中小企業庁のウェブページから業種ごとに閲覧・ダウンロードして読むものです。取引上の悩みがある場合の相談先として、中小企業庁は全都道府県に無料相談窓口を設置していると案内しています。取適法に基づく調査、立入検査、改善指導、公正取引委員会への措置請求なども中小企業庁が実施するとしています。
つまずきやすいポイント
- 「下請適正取引推進のためのガイドライン」という呼び方は、現在の中小企業庁のページ名と一致しません。現行の名称は「受託適正取引等推進のためのガイドライン(取引適正化ガイドライン)」で、2026年7月時点の対象は28業種です。古い件数や名称のまま探すと、目的のガイドラインにたどり着けないことがあります。
- 手形払いは「支払期日までに割り引けるなら問題ない」ではありません。取適法5条1項2号の括弧書きは、代金の支払について手形を交付すること自体を「支払わないこと」に含めています。現金と引き換えることが困難かどうかという限定が付くのは、金銭と手形以外の支払手段の場合です。
- 条番号と用語が改正で変わっています。現行の取適法では、発注書面の明示は4条、支払期日は3条、遅延利息は6条、書類の作成・保存は7条で、用語も委託事業者・中小受託事業者・製造委託等代金に統一されています。改正前の下請法を前提にした資料と食い違うため、条番号は現行条文で確認してください。改正で加わった特定運送委託は製造委託等に含まれるので、適用区分は製造委託等と同じです(2条6項・8項)。
- ガイドラインを読むこと自体は義務の履行ではありません。ガイドラインは法令ではなく指針で、これに従わなかったことを直接の理由とする罰則はありません。ただし、背景にある取適法4条1項・2項や7条に違反した場合は50万円以下の罰金と定められ(14条)、法人にも同額の刑が科されることがあります(16条)。
- 5条違反に罰金はありませんが、それで終わりではありません。取適法5条の遵守事項違反は14条の罰金の対象ではなく、公正取引委員会の勧告の対象です(10条)。勧告に従ったときに限り独占禁止法20条・20条の6を適用しないと定められており(11条)、従わない場合は独禁法上の扱いが残ります。
よくある質問
このガイドラインに従わないと罰則がありますか。
ガイドライン自体は法令ではなく行政の指針なので、これに従わなかったこと自体を理由とする罰則は定められていません。ただし、ガイドラインが解説している取適法の側には罰則があります。4条1項・2項の明示義務や7条の書類の作成・保存に違反した場合、違反行為をした委託事業者の代表者・代理人・使用人その他の従業者は50万円以下の罰金に処するとされ、法人にも同額の刑が科されることがあります。
自分の業種のガイドラインが見当たらないときはどうすればよいですか。
2026年7月時点で公開されているのは28業種分で、すべての業種が網羅されているわけではありません。該当する業種がない場合でも、取適法の条文そのものと、経済産業大臣が受託中小企業振興法3条に基づいて定める「振興基準」は業種を問わず参照できます。近い業種のガイドラインを参考にすることもできますが、書かれている取引慣行の例は業種固有のものなので、そのまま当てはまるとは限りません。
フリーランスに仕事を出す場合もこのガイドラインを見ればよいですか。
発注先が従業員を使用しない個人などに当たる場合は、フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)が関係します。同法3条の明示義務は業務委託事業者一般に及び、4条の支払期日(受領日から起算して60日以内。一定の明示をした再委託は元委託支払期日から起算して30日以内)と5条の遵守事項は特定業務委託事業者に限られます。5条はさらに1か月以上の業務委託に限られます。両法に相互の適用除外規定はないため、要件を満たせば両方が同時に適用され得ます。どちらか一方を選ぶのではなく双方の義務を満たす前提で、取扱いを公正取引委員会・中小企業庁に確認してください。
ガイドラインが改訂されたかどうかは、どこで分かりますか。
中小企業庁のガイドライン一覧ページでは、各ガイドライン名の末尾に「令和8年1月改定」「令和7年12月改定」のように改訂年月が表示されています。手元の版の年月と見比べれば、改訂の有無が分かります。策定・改訂の時期は業種ごとに異なるため、複数の業種にまたがって取引をしている場合は、それぞれのページ表示を確認してください。
出典・公式様式の入手先
様式ファイルは発行元(経産省・中小企業庁)の公式ページで配布されています。当サイトでは様式ファイルをホスティングしていません。最新版を必ず公式ページでご確認ください。本ページの記載は下記の公式情報に基づきます(最終確認 2026-08-06)。
経産省・中小企業庁の他の書式
- 下請代金支払遅延等防止法 第3条書面(発注書面)参考例/第5条書類 記載事項
- 情報システム・モデル取引・契約書(第一版・第二版、受託開発/パッケージ・SaaS活用/保守運用)
- 経営革新計画に係る承認申請書(様式第13号)
- 経営力向上計画申請書(様式第1号)/変更申請書(様式第3号)
- 先端設備等導入計画認定申請書(固定資産税特例)
- 新事業進出・ものづくり補助金/新事業進出補助金 交付申請様式
- 小規模事業者持続化補助金 申請書(様式1〜6)
- 事業承継・M&A補助金 申請様式(各枠)
- IT導入補助金/中小企業省力化投資補助金 申請様式
- 電気工事業の開始届出書/開始通知書(みなし登録・みなし通知)
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※ 本ページは一般的な情報提供であり、個別の法律判断ではありません。掲載内容は経産省・中小企業庁が公開する公式情報に基づく概要です。様式・要件は改版される場合がありますので、必ず公式ページで最新版をご確認ください。当サイトは様式ファイルをホスティングしていません。