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適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書/登録取消届出書

適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録について、内容を書き換える手続と、登録そのものをやめる手続をまとめた解説です。登録簿に登載された氏名・名称や法人の本店所在地などが変わったときは「登載事項変更届出書」を提出します。登録をやめたいときは「登録の取消しを求める旨の届出書」を提出します。提出先はいずれも納税地を所轄する税務署長です。根拠は消費税法第57条の2第8項と消費税法第57条の2第10項第1号で、提出時期の考え方が両者でまったく異なります。

適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書/登録取消届出書の要点。
対象適格請求書発行事業者(登載事項の変更/登録の取消し)
期限変更届=速やかに/取消届=翌課税期間の初日から起算して15日前の日まで
費用手数料・登録免許税なし
提出先納税地を所轄する税務署長(書面はインボイス登録センターへ送付・e-Tax)
様式登載事項変更届出書/登録の取消しを求める旨の届出書
全国統一様式発行:国税庁最終確認:2026-09-20

誰が・どんなときに必要?

対象は適格請求書発行事業者です。変更届出書は、登録簿の登載事項に変更があったときに「速やかに」提出します。登載事項は、氏名又は名称及び登録番号、登録年月日、法人(人格のない社団等を除く)の本店又は主たる事務所の所在地などです。日数による期限は条文にありません。取消届出書は考え方が異なります。翌課税期間の初日から登録の効力を失わせるには、その初日から起算して15日前の日までの提出が必要です。

手続きの流れ

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    どちらの手続かを切り分ける

    登録内容の書き換えなら登載事項変更届出書、登録自体をやめるなら登録取消届出書です。個人事業者が死亡・事業廃止した場合や、法人が清算結了・合併消滅した場合は、国税庁の資料でも取消届出書の提出は不要とされています。それぞれの提出書類は、適格請求書発行事業者の死亡届出書(消費税法第57条の3第1項)・事業廃止届出書・合併による法人の消滅届出書です。

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    変更なら「登載事項」か「公表事項」かを確認する

    登録簿の登載事項は、氏名又は名称及び登録番号、登録年月日、法人(人格のない社団等を除く)の本店又は主たる事務所の所在地です。特定国外事業者以外の国外事業者の国内事務所等の所在地も登載事項です。通知を受けた登録番号そのものは変更できないと国税庁は案内しています。人格のない社団等の本店又は主たる事務所の所在地、個人事業者の屋号や主たる事務所の所在地は登載事項ではありません。住民票に併記されている旧氏(旧姓)や外国人の通称の公表も登載事項ではなく、公表事項の公表(変更)申出書で扱います。

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    取消なら課税期間と「15日前の日」を数える

    課税期間は個人事業者が暦年、法人が事業年度が原則です。翌課税期間の初日から起算して15日前の日までに提出すれば、その初日に登録の効力が失われます。国税庁の記載要領は3月決算法人の例として、3月17日までなら4月1日、3月18日から3月31日なら翌年4月1日としています。

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    様式の記載を整える

    変更届出書では、変更年月日、変更事項欄(変更のある事項は1、変更のない事項は2)、変更前・変更後を記載します。登録番号欄は先頭のTを除く13桁のみを書きます。取消届出書では、登録の効力を失う日として翌課税期間の初日を記載します。15日前の日を過ぎた場合は翌々課税期間の初日です。

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    提出する

    条文上の提出先は納税地を所轄する税務署長です。国税庁はいずれもe-Taxでの作成・提出を案内しています。書面で作成した場合は、納税地を管轄する各国税局の「インボイス登録センター」へ送付するよう求めています。取消届出書は、パソコンからe-Taxソフトをダウンロードして作成する案内になっています。

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    公表への反映を確認する

    変更届出書を提出すると、税務署長は遅滞なく登録簿に登載して変更の登録を行い、変更後の登載事項を速やかに公表します。公表はインターネットを利用する方法により行われます。反映後の表示は公表サイトで見られます。

主な必要書類

  • 適格請求書発行事業者登録簿の登載事項変更届出書(登載事項を変更する場合の様式です。国税庁はe-Taxでの作成・提出を案内しています。)
  • 適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書(登録をやめる場合の様式です。国税庁はパソコンからe-Taxソフトをダウンロードして作成するよう案内しています。)
  • 変更内容が確認できる資料(変更届出書について、国外事業者の場合に添付します。国税庁の例示は定款の写し、自国における登記簿謄本等、会社案内、会社のホームページ等です。)
  • 上記資料の和訳(変更内容が確認できる資料が日本語以外で表記されている場合に添付を求められます。)
  • 変更届出書の次葉(特定国外事業者以外の国外事業者が、国内において行う資産の譲渡等に係る事務所等を国内に有しないこととなった場合に記載して提出します。)

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

消費税法・消費税法施行令・消費税法施行規則には、これらの届出書の提出について手数料の定めは置かれていません。登録免許税法別表第一にも適格請求書発行事業者の登録に関する項は置かれていないため、登録免許税もかかりません。

提出先・提出方法

条文上の提出先は、いずれも納税地を所轄する税務署長です。国税庁の手続案内は、届出書をe-Taxで作成・提出することを案内しています。書面で作成した場合は、納税地を管轄する「インボイス登録センター」へ送付するよう求めています。センターの所在地は国税庁の「郵送による提出先のご案内」に掲載されています。

つまずきやすいポイント

  • 取消届出書を、翌課税期間の初日から起算して15日前の日を過ぎて提出すると、登録が失効するのは翌々課税期間の初日になります。1課税期間まるごとずれるため、提出時期は決算月から逆算する形になります。
  • その「15日前の日」が日曜、祝日、土曜、12月29日から31日に当たっても、国税庁は「これらの日の翌日とはなりません」としています。土日祝による後ろ倒しはできません。
  • 新規登録申請の「課税期間の初日から起算して15日前の日」(施行令第70条の2第1項)と、取消しの15日前は別の条文です。同じ日数でも起算の対象が違います。
  • 法人が名称や本店又は主たる事務所の所在地を変更し、その異動事項を記載した異動届出書を提出している場合があります。この場合は、登載事項変更届出書の提出を省略して差し支えないとされています。重ねて提出する必要はありません。
  • 個人事業者や人格のない社団等が任意に公表している事項の変更は、登載事項の変更とは別の手続です。氏名又は名称は消費税法施行令70条の5第1項1号の登載事項なので、その変更は登載事項変更届出書によります。個人事業者の屋号や主たる事務所の所在地、人格のない社団等の本店又は主たる事務所の所在地は公表事項です。住民票に併記されている旧氏(旧姓)や外国人の通称の公表を変えるときも、「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」という別の手続になります。

よくある質問

登載事項変更届出書に「〇日以内」という期限はありますか。

消費税法第57条の2第8項は「速やかに」提出することを求めており、日数による期限は条文に置かれていません。国税庁の手続案内も、提出時期を「適格請求書発行事業者登録簿に登載された事項に変更があったとき速やかに」としています。この届出を怠ったことを直接の対象とする罰則は、消費税法の罰則規定には掲げられていません。消費税法は両罰規定です。ただし、変更の登録と公表は届出を受けて行われるため、届出をしないと公表情報が実態と異なったままになります。

基準期間の課税売上高が1,000万円以下になれば、自動的に登録は外れますか。

外れません。消費税法は、納税義務が免除される事業者から「適格請求書発行事業者」を除いています。国税庁も、適格請求書発行事業者はその基準期間における課税売上高が1,000万円以下となった場合でも免税事業者とならない、としています。登録をやめたい場合は、登録取消届出書の提出が必要です。

登録を取りやめれば、すぐに免税事業者へ戻れますか。

戻れるとは限りません。免税事業者が登録に係る経過措置により、令和5年10月1日を含む課税期間以外の課税期間に登録を受けた場合には制限があります。国税庁は、この場合は登録を取りやめても、登録日以後2年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間について免税事業者となることはできない、としています。課税事業者選択届出書を提出している場合は、別に「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出が必要になることがあります。

事業をやめる場合も取消届出書を出すのですか。

国税庁の資料は、個人事業者が死亡や事業廃止した場合、法人が清算結了や合併消滅した場合の扱いを示しています。これらの場合には「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」の提出は不要です。事業を廃止した場合は事業廃止届出書、合併により消滅した場合は合併による法人の消滅届出書を提出する義務があります。その提出により登録の効力が失われます。

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