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給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書/源泉所得税の納期の特例承認申請書

この用紙は、根拠条文も期限も異なる二つの手続をまとめた案内です。一つは「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」です。国内で給与等の支払事務を取り扱う事務所等を設けた、移した、又はやめたときに、所得税法230条により、その事実があった日から1か月以内に税務署長へ提出します。もう一つは「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」です。給与の支払を受ける者が常時10人未満の場合に、毎月の納付を年2回にまとめる承認を求めるものです。必要な方だけを選んで提出します。

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書/源泉所得税の納期の特例承認申請書の要点。
対象給与支払事務所等を開設・移転・廃止した者/給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者
期限届出書=事実があった日から1か月以内/特例申請=定めなし(提出月の翌月分から適用)
費用手数料・登録免許税なし
提出先給与支払事務所等の所在地の所轄税務署長(移転は移転前の所轄)
様式国税庁 A2-7(届出書)/A2-8(納期の特例申請書)/A2-9(要件不該当届出書)
全国統一様式発行:国税庁最終確認:2026-09-20

誰が・どんなときに必要?

届出書の対象は、国内で給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設・移転・廃止した者です。期限はその事実があった日から1か月以内です(所得税法230条)。個人事業の開業届の期限は「その事実があった日の属する年分の所得税に係る確定申告期限まで」で、起算日も期間も別物です。納期の特例は、給与の支給人員が常時10人未満の源泉徴収義務者が対象です。国税庁は提出時期を「特に定められていません(原則として、提出した日の翌月に支払う給与等から適用されます。)」としています。いつ提出したかで適用開始が変わります。

手続きの流れ

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    どちらの手続が必要かを切り分ける

    事務所等を開設・移転・廃止したなら届出書、源泉所得税を年2回にまとめたいなら申請書です。両方に当たる場合は2枚とも提出します。常時2人以下の家事使用人のみに給与等を支払う方は、所得税法により、その給与等について所得税を徴収して納付することを要しないとされています。出発点は、自分が源泉徴収義務者に当たるかどうかです。

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    提出先の税務署を確かめる

    届出書は給与支払事務所等の所在地の所轄税務署長へ提出します。移転の場合は、移転「前」の事務所等の所在地の所轄税務署長です。国税庁の案内も同じです。納期の特例の申請書も、給与支払事務所等の所在地の所轄税務署長へ提出します。申請者の住所等と事務所等の所在地が異なる場合は、申請書の該当欄に事務所等の所在地を書きます。

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    記載事項をそろえる

    届出書には、氏名又は名称、住所又は本店所在地、個人番号又は法人番号、開設・移転・廃止の別とその年月日を記載します。事務所等の所在地(移転なら移転前と移転後の両方)と、提出日現在の職種等の別の人員数も記載します。申請書には、申請の日前6か月間の各月末の給与の支払を受ける者の人員と各月の支給金額を記載します。

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    e-Tax又は書面で提出する

    国税庁は、届出書はe-Taxソフトで、申請書はe-Taxソフト(Web版)又はe-Taxソフトで作成・提出するよう案内しています。書面で作成する場合は提出先へ持参又は送付します。税務署の開庁時間は8時30分から17時までで、閉庁日は受付を行っていません。閉庁日は、送付又は時間外収受箱への投函により提出できると案内されています。

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    承認の結果と納付期限を確認する

    納期の特例は、申請書の提出があった日の属する月の翌月末日までに承認又は却下の処分がなかったときは、同日に承認があったものとみなされます。ただし所得税法217条2項の却下事由に当たるときは却下されることがあります。承認後も所得税法217条3項により取り消されることがあります。承認後の納期限は1月から6月までの分が7月10日、7月から12月までの分が翌年1月20日です。

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    要件を欠いたら遅滞なく届け出る

    承認に係る事務所等で給与等の支払を受ける者が常時10人未満でなくなった場合は、遅滞なくその旨の届出書を提出します。提出の日の属する期間以後の期間について承認は効力を失います。提出の日の属する納期の特例の期間に係る所得税のうち、提出の日の属する月分以前の各月分に係るものは、月ごとに分かれません。いずれも提出の日の属する月の翌月10日がまとめて納期限になります。その後の各月分は通常どおり翌月10日までの納付です。

主な必要書類

  • 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(様式)(開設・移転・廃止があった場合の本体書類です。国税庁の手続案内ページ(A2-7)に様式と記載要領が掲載されています。)
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書(様式)(納期の特例の承認を受けようとする場合の本体書類で、届出書とは別の用紙です。国税庁の手続案内ページ(A2-8)に掲載されています。)
  • 本人確認書類(番号確認書類及び身元確認書類)の提示又は写し(国税庁は、書面でマイナンバー(個人番号)を記載した申請書等を提出する際は、その都度、本人確認書類の提示又は写しの添付をお願いするとしています。個人番号欄があるのは「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」です。「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の記載要領には法人番号欄のみが示されています。e-Taxで提出する場合は不要です。)
  • 本人確認書類(写)添付台紙(本人確認書類の写しを添付して提出する場合に、国税庁が用意している台紙です。)
  • 源泉所得税の納期の特例の要件に該当しなくなったことの届出書(給与の支給人員が常時10人未満でなくなった場合に提出する別手続の書類です。国税庁の手続案内A2-9に様式が掲載されています。)

※ 機関設計や事案により必要書類は増減します。

費用(実費)

所得税法及びその関係法令には、この届出書・申請書の提出に係る手数料の定めは置かれていません。国の登録免許税についても、登録免許税法別表第一にこの手続の項はありません。

提出先・提出方法

給与支払事務所等の所在地の所轄税務署長です。給与支払事務所等を移転する場合は、移転前の事務所等の所在地の所轄税務署長へ提出します。納期の特例の承認に関する申請書は、所得税法217条1項により、所得税法216条に規定する税務署長へ提出します。これは承認を受けようとする事務所等の所在地の所轄税務署長です。提出方法は、国税庁がe-Taxのほか、書面を持参又は送付する方法を案内しています。

つまずきやすいポイント

  • 「個人事業の開業・廃業等届出書」(所得税法229条)の期限は、その事実があった日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までです。この届出書の「事実があった日から1か月以内」とは起算日も期間も別物で、混同すると期限を大きく取り違えます。
  • 改正前の所得税法230条にあった「前条の届出書を提出すべき場合を除き」という除外は、現行の所得税法230条にはありません。国税庁も、開設等は開業届による代替の対象外としています。ただし所得税法施行規則には除外の文言が残っており、扱いの確認先は所轄税務署です。
  • 国税庁の記載要領は、支店等の給与支払事務所等は事務所開設者が廃業又は清算結了しない限り廃止したことにはならないとしています。閉鎖した支店等の納税地は他の給与支払事務所等に引き継がれます。支店を閉じただけで「廃止」として届け出てよいとは限りません。
  • 納期の特例の対象は、給与等・退職手当等と、所得税法に掲げる弁護士・税理士等の業務に関する報酬・料金に限られます。原稿料や講演料、外交員報酬などは対象外で、通常どおり支払った月の翌月10日までに納付することになります。
  • みなし承認は申請書を提出した月の翌月末日です。国税庁は、申請書を提出した月の翌月に源泉徴収する分から特例の対象になるとしています。2月中に提出した例では2月支給分は3月10日まで、3月から6月までの支給分が7月10日までの納付とされています。

よくある質問

届出書を出さなかった場合、罰則はありますか。

所得税法の罰則規定には、所得税法230条の届出をしなかったこと自体を直接の対象とする条文は置かれていません。ただし、納期の特例の承認を受けた者が所得税法216条により徴収して納付すべき所得税を納付しなかったときは、所得税法240条1項の対象とされています。罰則が置かれていないことと、期限内に届け出なくてよいこととは別です。届出の期限は、その事実があった日から1か月以内です(所得税法230条)。

納期の特例の申請書を出せば必ず承認されますか。

必ず承認されるとは限りません。所得税法は、次の場合に申請を却下することができると定めています。給与等の支払を受ける者が常時10人未満と認められないときです。取消し(常時10人未満でなくなったことのみを理由とするものを除きます)の通知を受けた日以後1年以内の申請であるときです。国税の滞納があり徴収が著しく困難であるなど、納付に支障が生ずるおそれがあると認められる相当の理由があるときです。処分は書面で通知され、承認後も所得税法217条3項により取り消されることがあります。

「常時10人未満」はどのように数えますか。

国税庁の質疑応答事例は、平常の状態において10人未満かどうかで判定するとしています。労働者を日々雇い入れることを常態とする場合は、常雇いの人数が10人未満でも、日々雇い入れる者を含めて常時10人未満でなければ特例は適用できないとされています。日々雇い入れることを常態としない方が繁忙期に臨時に使用した人数を含めると10人以上になる場合は、常時10人未満として特例を適用できるとされています。

事務所を移転したとき、提出先はどちらの税務署ですか。

所得税法施行規則は、給与支払事務所等を移転する場合の提出先を移転前の給与支払事務所等の所在地の所轄税務署長と定めており、国税庁の案内も同じです。届出書には移転前と移転後の両方の所在地を記載します。国税庁の記載要領は、移転前の支払に係る源泉所得税の納税地は、この届出書に記載された移転後の給与支払事務所等の所在地とされると説明しています。

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