法人設立ワンストップサービスの使い方(定款認証・設立登記・印鑑届をオンラインで)
法人設立ワンストップサービスは、定款認証・設立登記・印鑑届出と設立後の届出を、マイナンバーカードの電子署名でまとめてオンライン申請できるデジタル庁の窓口です。はじめて株式会社・合同会社をつくる人向けに、準備から登記完了までに何をするかを順番に説明します。
| 申請者 | 法人設立OSSでは、会社を代表する人が自分のマイナンバーカードで電子署名して申請し、代理申請はできない。株式会社で発起人が2名以上なら委任状を同時に出す |
|---|---|
| 必要な道具 | マイナンバーカード+ICカードリーダライタ、またはマイナアプリ入りスマートフォン。添付PDFは事前に電子署名する |
| 定款認証 | 株式会社は公証人の認証が必要。合同会社は不要 |
| 登録免許税 | 株式会社は資本金の1000分の7(最低15万円)。合同会社は最低6万円 |
| 電子納付の期限 | 到達日の翌日から3日間(行政機関の休日を除く) |
| 24時間以内処理 | 役員等(合同会社は業務執行社員)5人以内・完全オンライン・電子納付・補正なしの4条件 |
最終確認日:
準備するもの
マイナンバーカード(またはスマートフォンのマイナンバーカード)が必須で、署名用電子証明書が有効なものに限ります。署名用電子証明書が入っていない場合や失効した場合は、市区町村の窓口で取得します。かんたん問診の回答ではカードを読み取りません。カードは、申請を始めるときの本人確認、送信するときの電子署名、申請状況の確認や保存した申請の再開でログインするときに使います。
パソコンから申請する場合は、マイナポータルアプリとその拡張機能に加えてICカードリーダライタが必要です。マイナアプリを入れたスマートフォンがあれば、リーダライタの代わりになります。マイナポータルアプリはタブレットにはインストールできないため、タブレットで申請するときは、画面のQRコードをスマートフォンで読み取ってカードを読み取ります。
設立登記の添付書類(定款・就任承諾書・払込みを証する書面などのPDF)には、法人設立OSSに添付する前に電子署名を付けておきます。設立登記の申請書類の作成には申請用総合ソフトを使い、電子署名を付ける場合などには、必要に応じてAdobe Acrobat・PDF署名プラグインソフト・JPKI利用者ソフトを使います。
スマートフォンのマイナンバーカードを使う場合は、iPhone・Androidともにマイナアプリが必要です。iPhoneのマイナンバーカードを使うときは、スマートフォンのマイナンバーカードと現物のカードの両方が必要です。
サービスの利用は無料で、マイナポータルへのログインも要りません。かかる費用は定款認証の手数料と登録免許税です。
かんたん問診で必要な手続を選ぶ
トップ画面の「かんたん問診・申請」から始めます。質問に上から順番に「はい」「いいえ」「わからない」で答えると、必要な手続の一覧が表示されます。
問診を使わず「申請可能な手続一覧」から直接選ぶこともできます。名称の右に「必須」マークがある手続は、法人設立後、一定期間内に必ず申請が必要になる手続です。現時点で提出が不要な手続は、一覧でチェックを外せます。
サービスは24時間使えます(メンテナンス時を除く)。問合せ窓口の対応時間は9時30分から18時30分で、メールは24時間受け付けています。
定款認証と設立登記を同時に申請する
株式会社の定款は公証人の認証を受けて効力が生じます。合同会社は認証不要です。電子定款なら、紙の定款に必要な収入印紙4万円がかかりません。
定款認証の嘱託と設立登記の申請は、同時にオンラインで送れます。北海道には法務局が4つあり、定款認証の嘱託の申請先として登記所が複数表示されることがあります。その場合は、本店の所在地を管轄する法務局を選びます。申請日の当日中に定款が認証されないと、設立登記の申請は却下されます(商業登記法24条7号)。ウェブ会議の予約は、当日に確実に間に合う日程で組みます。
認証手数料は、資本金100万円未満は3万円、100万円以上300万円未満は4万円、それ以外は5万円です。減額の条件は、発起人が全員自然人で3人以下であること、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載があること、取締役会を置く旨の記載がないことの3つです。資本金100万円未満でこれらをすべて満たす場合は1万5,000円です。
公証人側の手順は3段階です。①定款案と実質的支配者となるべき者の申告書を公証役場へメール等で送り、面談日時を予約します。②予約日までに電子定款をオンラインで嘱託します。③当日にウェブ会議(FACEHUB)で面談します。ウェブ会議が原則で、対面を希望する場合は「ウェブ会議の利用を希望しない旨の申告書」を出します。
発起人が2名以上いる場合は、定款認証の嘱託を申請する発起人以外の発起人の委任状を同時に提出します。委任状は電子署名を付けたデータで出すか、委任者の実印を押した紙の委任状を公証人へ郵送します。紙の委任状には、委任者が個人なら発行後3か月以内の印鑑登録証明書の原本を、法人なら発行後3か月以内の登記事項証明書と代表者の印鑑証明書の原本を同封します。紙で出す場合は、面談の予約時までに公証人に届いている必要があります。
日本公証人連合会のホームページで無料公開されている「定款作成支援ツール」(発起人3名以下・取締役会を置かないなど、作れる定款に制限があります)を使って作成した定款については、必要な資料が公証役場にそろってから原則48時間以内(土日・祝日を除く)に認証を終える運用が、2025年3月から全国で始まっています。この48時間の処理を利用した場合は、定款認証から設立登記までを原則72時間以内に終える取組もあります。条件は、添付書面をすべて電子化し、認証後1週間以内にオンライン申請して登録免許税を電子納付することです。定款認証後から設立登記を申請するまでの時間は、72時間に含まれません。
添付書面と電子署名
法務省は、本人が申請し、発起人1人がそのまま代表取締役になってほかに役員を置かず、出資が金銭だけの一人株式会社を例に、完全オンライン申請を説明しています。この場合の添付書面は、定款・発起人の同意書・設立時取締役選任及び本店所在地決議書・就任承諾書・払込みを証する書面の5点です。印鑑証明書は含まれません。マイナンバーカードの電子証明書で、申請書と添付書面のすべてに電子署名できます。この例以外の会社でも、完全オンラインで申請できます。
取締役等が就任承諾書にマイナンバーカードの署名用電子証明書などで電子署名して送信すれば、住民票の写しなどの本人確認証明書は不要です。就任を承諾した人が電子署名して電子証明書を送信したときは、印鑑証明書も別に出す必要はありません。払込みを証する書面・株主リスト・資本金の額の計上に関する証明書は押印が不要です。
払込みを証する書面は、払込取扱機関が作成した払込金受入証明書か、代表取締役が作成した証明書に通帳の写しや取引明細を合わせたものです。ネットバンキング画面のPDFも使えますが、金融機関名・口座名義人・振込日・振込金額の記載が要ります。残高があるだけで入金の記録がないものは使えません。
法人設立OSSでは、添付書類は郵送せず、決められたファイル形式で添付するのが原則です。添付したい書類の名前が添付ファイルの登録画面に表示されず添付できない場合は、「別送の有無」で「有」を選び、書面を申請先の登記所へ郵送等で提出します。添付書面を登記所へ持参・送付すると、24時間以内処理の対象外になります。
法人設立OSSの案内では、添付できるファイルはPDF・画像(jpeg・jpg)・テキスト(txt・csv)で、書類によって添付できる形式が違います。定款認証を先に受けてから株式会社の設立登記を申請する手続では、必要書類に定款の署名情報ファイル(XML形式)と表示・印刷用スタイルシート(XSL形式)が挙げられています。事前準備として、申請用総合ソフトで出力した署名付きPDFフォルダ(PDFファイルとXML形式の署名情報ファイルの組)の作り方も案内されています。
印鑑届をオンラインで同時に出す
当サイトの手順では、印鑑届書を設立登記の申請と同時にオンラインで提出します。法人設立OSSでは、設立登記の申請情報入力画面の「印鑑届出の有無」で「有」を選び、印鑑届書のPDFをほかの添付書類と一緒に添付します。電子署名を付けて同時に提出するので、印鑑届書を郵送する必要はありません。
法律上は、オンライン申請の場合の印鑑の提出は任意です(2021年2月15日から)。オンラインで出せるのは登記のオンライン申請と同時の場合だけで、印鑑届だけを単独でオンライン提出することはできません。書面で出す場合は、登記申請とは別に印鑑届書を作り、管轄の登記所に持参または郵送します。
手順は4段階です。①法務省サイトから目盛り付きのオンライン専用様式をダウンロードし、A4に100%で印刷します。②物体の印章で押印します(電子印鑑は不可)。③原寸のまま約600dpiでスキャンします。④届出人本人が電子署名して添付します。
印章は、一辺1cmの正方形に収まるものと、一辺3cmの正方形に収まらないものは使えません。
拡大・縮小された画像、専用様式以外、電子署名なしは補正の対象です。印影が不鮮明だと登記官が原本の提出を求めることがあり、その場合オンラインでの印鑑提出は受理されません。
会社印セットは、当サイトの株式会社設立の作業画面(STEP2)で購入できます。
- 木製 会社印3点セット 価格 3,298円(税込)
- 黒水牛 会社印3点セット 価格 4,898円(税込)
- チタン 会社印3点セット 価格 5,798円(税込)
登録免許税の納付と通知の読み方
株式会社の設立登記の登録免許税は資本金の1000分の7で、15万円に満たないときは15万円です。合同会社も1000分の7で、最低6万円です(登録免許税法別表第一第24号(一)イ・ハ)。
申請後は「到達」「受付」「納付」「補正」「手続終了」の順に通知が届きます。納付のお知らせが届いたら、インターネットバンキング・モバイルバンキング・電子納付対応ATMで納付します。電子納付の期限は到達日の翌日から3日間(行政機関の休日を除く)です。オンライン申請でも、領収証書または収入印紙を登記所の窓口に提出または送付して納付でき、その場合は登記所が定める補正期限内に納めます。補正期限内に納付がなければ、申請は却下されます。
法人設立OSSからは別に「OSS受付」「各機関からのお知らせ受領」「全手続完了」の3通のメールが届きます。処理状況は申請の処理状況画面でも確認できます。
不備があると「補正のお知らせ」が届きます。補正書を作成して電子署名し、送信します。
登記所の受付は平日8時30分から17時15分です。それ以降や休日に送信した申請は翌業務日の受付になり、会社の設立日もその受付日です。2026年2月2日からは、申請日の翌日が行政機関の休日なら、申請書にその旨と求める登記の日を書くことで、その休日(休日が続くときはそのうちのいずれか1日)を登記の日にできます。オンライン申請でも、開庁時間内に到達してその開庁日の日付で受け付けられる必要があります。
郵送ゼロで設立する条件
株式会社でも合同会社でも、次の4つがそろえば、書面を郵送・持参せずに設立登記まで終えられます。①添付書面を作る人の全員が、マイナンバーカードなどの電子証明書で電子署名できる。②出資が金銭だけである。③登録免許税を電子納付する。④印鑑届書の印影を、物体の印章を押した専用様式から原寸のまま鮮明にスキャンする。
①がそろわないと、電子署名のない書面を紙で登記所へ郵送等で提出することになり、24時間以内処理の対象外になります。株式会社では、設立時取締役(取締役会を置く会社では設立時代表取締役)が紙の就任承諾書を出すときは、その就任承諾書に押した印鑑について市区町村長が作成した印鑑証明書の原本も一緒に送ります。取締役会を置く会社の設立時代表取締役以外の設立時取締役と、設立時監査役が紙の就任承諾書を出すときは、住民票の写しなどの本人確認証明書を一緒に送ります。電子署名できない発起人の紙の委任状は、印鑑登録証明書などの原本と一緒に、面談の予約時までに公証人に届くように郵送します。
ただし、法人設立OSSでは代理申請ができないため、設立登記の申請書には、会社を代表する人(株式会社は設立時代表取締役、合同会社は代表社員)本人が電子署名して送信します。この人がマイナンバーカードで電子署名できない場合は、ほかの書面を郵送しても補えず、法人設立OSSで設立登記を申請することはできません。マイナンバーカードを持たずオンライン申請を使えない人には、法務局は書面申請を案内しています。合同会社で代表社員が法人の場合も、法人設立OSSの対象外です。
②出資が金銭だけなら、資本金の額の計上に関する証明書は要りません。法人設立OSSの「開始までのフローチャート」は、現物出資の場合を対象外としています。
③収入印紙や領収証書で納付する場合は、それを登記所の窓口に提出または送付します。④印影が不鮮明だと、登記官が原本の提出を求めることがあります。
24時間以内処理の条件
「一人会社なら24時間以内に登記が終わる」わけではありません。対象は、オンラインによる株式会社・合同会社の設立登記のうち、次の4条件をすべて満たすものです。①役員等(設立時取締役・会計参与・監査役・会計監査人。合同会社は業務執行社員)が5人以内、②添付書面がすべてPDFで申請書と一緒に送信されている(完全オンライン)、③登録免許税を電子納付、④補正なし。添付書面を登記所へ持参・送付する経路(別送)を選ぶと②を満たさず、対象から外れます。
定款認証との同時申請では、申請日当日中に定款が認証されることも条件です。法務省の案内では、登記申請件数の多い時期を除き、オンライン申請を受け付けた時点から起算して、原則として24時間以内に登記を完了するとされています。
設立後の届出
申請データは法務省・国税庁・地方公共団体・年金事務所・労働基準監督署・ハローワーク・GビズIDへ連携されます。設立登記と同時にGビズIDプライムの発行申請も出せます。
雇用保険の事業所設置の届出と被保険者資格取得届は、保険関係成立届の手続が完了してから申請されます。法人番号が必要な手続は、法人番号が払い出されるまで「送信待ち」になります。定款認証や設立登記が「要再申請」になると法人番号が出ないため、同時に申請した他の手続もまとめて再申請します。
年金事務所のシステムは平日8時30分から19時30分、労働基準監督署とハローワークは24時間365日(メンテナンス時を除く)が稼働時間です。時間外に送った申請は稼働時間になってから受け付けられ、その日時が提出日時になります。
当サイトの株式会社設立の作業画面(STEP3)では、設立後の届出ごとに必要な資料を確認でき、本店所在地から判定できる届出は提出先も表示します。
よくある質問
- 一人会社でも法人設立ワンストップサービスを使えますか。
- 使えます。マイナンバーカードを持つ本人が電子署名して申請します。代理申請の仕組みはありません。
- 定款は紙と電子のどちらで作ればいいですか。
- 電子定款なら収入印紙4万円が不要です。オンラインで同時申請するときは電子定款を使います。
- 印鑑届だけをオンラインで出せますか。
- 出せません。登記のオンライン申請と同時に限られます。書面申請なら印鑑も書面で提出します。
- 会社の設立日はいつになりますか。
- 登記所が申請を受け付けた日です。平日17時15分以降や休日の送信は翌業務日の受付になります。2026年2月2日からは、申請日の翌日が行政機関の休日なら、申請書に書いて求めることで、その休日(休日が続くときはそのうちのいずれか1日)を登記の日にできます。
この書式だけでは足りない場面
定款の内容は嘱託先の公証役場、登記の添付書面は申請先の登記所、法人設立ワンストップサービスの操作はデジタル庁の問合せ窓口が案内しています。
出典
- デジタル庁 法人設立ワンストップサービス よくあるご質問
- デジタル庁 法人設立ワンストップサービス 操作マニュアル(select/02_1)
- デジタル庁 法人設立ワンストップサービス 操作マニュアル(select/03)
- デジタル庁 法人設立ワンストップサービス 操作マニュアル(申請方法の確認・method/01)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji60)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji06_00006)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji06_00070)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji06_00072)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji06_00088)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji06_00117)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji06_00143)
- 法務省 商業・法人登記のオンライン申請(MINJI/minji06_00144)
- 法務省 休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました(MINJI/minji06_00234)
- 法務省 公開資料(content/001271484.txt)
- 法務省 公開資料(content/001341879.pdf)
- 法務局 公開資料(homu/page2_000001_00003.pdf)
- 法務局 商業・法人登記のオンライン申請(homu/shogyo_online01)
- 法務局 合同会社の設立の登記をしたい方(オンライン申請)(homu/shogyo_online02)
- 法務局 株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)(homu/syougyou_tenpu_kabu_02)
- 法務局 合同会社設立登記申請書(代表社員が法人でない場合)(homu/syougyou_tenpu_godo_01)
- 熊本地方法務局 公開資料(kumamoto/page000001_00338)
- 日本公証人連合会 定款認証のQ&A(ow09_4/9_4_q03)
- 日本公証人連合会 定款認証のQ&A(ow09_4/9_4_q114)
- 日本公証人連合会 定款認証のQ&A(ow09_4/9_4_q115)
- 日本公証人連合会 定款認証のQ&A(ow09_4/9_4_q117)
- 日本公証人連合会 定款認証の手数料(chg_teikanfee)
- e-Gov法令検索 商業登記法
- e-Gov法令検索 商業登記規則
- e-Gov法令検索 印紙税法
- e-Gov法令検索 登録免許税法
- e-Gov法令検索 公証人手数料令
最終確認日: 2026-10-05